中途覚醒って?夜中に目が覚めたときのNG行動と予防策[薬剤師監修]

目覚めの悪さ

 

睡眠時、途中で何度も目が覚めてしまう。

その症状は不眠症のひとつである

「中途覚醒」の可能性があります。

 

夜中に何度も目が覚めるとしっかりと寝た感じがせず、

朝にからだが重く感じたり

一日中眠気を感じたりしますよね。

 

本記事では、中途覚醒の症状や原因、

NG行動、予防方法について解説します。

 

中途覚醒の症状とは?

 

寝落ち

 

中途覚醒とは眠りが浅く

睡眠中に何度も目が覚めてしまう状態を指し、

不眠症でみられる症状のひとつです。

 

寝つきはよくすぐ眠れるにもかかわらず、

深夜問わず睡眠中に何度も目が覚めてしまいます。

 

そして、朝になると倦怠感で起きられない、

ぐっすり眠れた感じがしない、

日中に眠気で頭がぼーっとして物事が考えられない

といった症状を招くことも多いです。

 

不眠症は、次の2つが

認められるかどうかで診断できます。

 

(1) 夜間の不眠が続く

(2) 日中に心身の不調を自覚して生活の質が低下する

 

中途覚醒と間違われやすい症状として

「早朝覚醒」があります。

 

両者の違いは「早朝に目が覚める」か

「時間帯問わず何度も目が覚める」かにあり、

早朝覚醒は早朝に目が覚めて

二度寝ができない状態を指します。

 

更年期に入り中途覚醒が起こりやすい理由

 

更年期

 

更年期に入ると中途覚醒が起こりやすい

といわれていますが、

その原因は大きく分けて3つあります。

 

ホルモン分泌の減少による自律神経の乱れ

 

一つ目の原因は、自律神経の乱れ。

ホルモン分泌の減少によって

自律神経が乱れることで、

中途覚醒が起こるといわれています。

 

女性ホルモンや男性ホルモンには

自律神経を整える働きがあるため、

これらの分泌量が減ると

自律神経のバランスも乱れてしまいます。

 

自律神経の乱れは、

ほてり・発汗などの血管運動神経症状、

不安や抑うつなどの精神症状、

倦怠感や動悸などの身体症状と

さまざまな不調を招きます。

これらは、いわゆる更年期障害の症状です。

 

更年期の中途覚醒は

「更年期症状が寝ている間に起こる」

「自律神経の乱れにより交感神経が優位になって

緊張・興奮状態が続き眠りが浅くなる」

といったことが原因だとされています。

 

 

また、ホルモン分泌量が減る原因としては

「加齢」や「生活習慣の乱れ」があります。

とくに、男性ホルモンは

タバコや過度な飲酒、運動不足

といった生活習慣の乱れにより

分泌量が減ることがわかっています。

 

ストレスによる自律神経の乱れ

 

ストレスも中途覚醒の原因のひとつです。

 

通常、寝る前になると副交感神経が優位になります。

しかし、ストレスがたまると自律神経が乱れて

交感神経を優位にしてしまうため、

中途覚醒が引き起こされます。

 

睡眠時無呼吸症候群

 

睡眠時無呼吸症候群が

中途覚醒の原因となることもあります。

 

女性の場合、閉経すると

睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高まります。

 

閉経すると、呼吸中枢を刺激する

女性ホルモン「プロゲステロン」が減少するため、

無呼吸状態が起こりやすくなるのです。

 

 

男性の場合、筋肉の生成と脂肪のつきにくさにかかわる

男性ホルモン「テストステロン」が減少し、

脂肪がつきやすくなることが

睡眠時無呼吸症候群の原因です。

 

男性は上半身に脂肪がつきやすい傾向にあります。

顎や舌、喉周りに脂肪がつき、

それらが寝ているときに気道を塞ぐことで、

無呼吸状態を起こしやすくします。

 

夜中に目が覚めたらどうしたらいい? 

 

ノンカフェイン飲み物

 

夜中に目が覚めたときは、

無理に寝ようとしなくてかまいません。

寝られなさそうであれば、

「本を読む」

「ノンカフェインの温かい飲み物を飲む」

などしてリラックスしましょう。

 

もし、日中眠たくなる、倦怠感があるといった場合は、

睡眠を小刻みにとっても問題ありません。

睡眠を分割しても、

合計の睡眠時間がある程度確保できれば、

疲れは軽減できます。

 

中途覚醒時のNG行動

 

万一、夜中に途中で目が覚めても

スマホやパソコン、テレビは見ないようにしましょう。

ブルーライトには脳を覚醒させる作用があるため、

入眠しにくくなります。

 

また、早く寝なければならない、と

時間を気にするのもよくありません。

焦りと不安はより入眠を困難にします。

 

中途覚醒を予防する生活習慣のコツ

 

朝伸び

 

中途覚醒を予防する方法はたくさんありますが、

そのなかでも今回は実践しやすい3つをご紹介します。

 

早朝に朝日を浴びる

 

起床後に朝日を浴びることで

睡眠のサイクルが整い、中途覚醒を予防できます。

 

眠気を促す体内時計のホルモン

「メラトニン」の分泌量は、

朝日などの強い光をからだに浴びることで減少します。

 

再びメラトニンの分泌量が増えるのは

朝日を浴びてから15時間前後のため、

起床後に朝日を浴びれば、

ちょうど就寝する時間帯くらいに

眠気が出るようになります。

 

就寝前にリラックスタイムを作る

 

副交感神経を優位にすることが快眠につながるため、

就寝前にリラックスタイムを作るといいでしょう。

 

たとえば、寝る前に趣味を楽しむ、

温かい飲み物を飲むといった方法があります。

ただし、

テレビを見る、ゲームをする

といった脳を覚醒させる行動は、

中途覚醒や入眠困難を招くため避けましょう。

 

軽い運動を習慣にする

 

適度なからだの疲労は、

よい睡眠につながります。

散歩や軽いランニング

といった少し汗ばむ程度の運動がおすすめです。

 

ただし、

激しい運動には要注意。

寝る前の激しい運動はかえって交感神経を優位にし、

寝つきを悪くします。

 

中途覚醒の病院に行く目安は?

 

相談

 

中途覚醒を放置すると、

不眠症が慢性化したり、

寝不足による認知症のリスクが高まったり、

肌や髪がボロボロになったりする恐れがあります。

 

すでに「中途覚醒が長く続いている」

「すっきり寝れずからだがつらい」

など日常生活に支障が出ているのであれば、

放っておかず、

早めに内科・心療内科・精神科を受診しましょう。

 

睡眠のお悩みには漢方薬もおすすめ

 

漢方

 

漢方薬のなかには

「不眠」に効果が認められているものもあり、

これらは不眠症や睡眠障害の治療

などにも使われています。

 

中途覚醒などの不眠症は、

ストレスや過労、血流不足

などが原因と考えられています。

 

中途覚醒に対しては、

「自律神経の乱れを整え、

ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善する」

「消化・吸収機能を改善して

からだに栄養を届け、心を元気にする」

「血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く」

などの作用をもつ漢方薬を選び、

睡眠の悩みを根本から改善します。

 

漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく

根本からの体質改善が目指せるため、

不眠になりにくいからだを手に入れることもできます。

 

自律神経の乱れや

ホルモンバランスを整える漢方薬には、

次のようなものがあります。

 

<中途覚醒におすすめの漢方薬>

加味逍遙散(かみしょうようさん)

体力が中等度以下で

のぼせ感や肩こりがあり、

疲れやすい方に用いられる漢方薬です。

精神不安やいらだちなどの精神神経症状を緩和し、

ホルモンバランスを整えることで

不眠を改善する効果が期待できます。

 

抑肝散(よくかんさん)

体力が中等度で、

イライラしやすい方に用いられる漢方薬です。

神経の高ぶりを落ち着かせ不眠を改善します。

 

桂枝加竜骨牡蛎湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう)

体力が中等度以下で、

神経過敏によるイライラや不安、

不眠、興奮しやすい

などの症状がある方に用いられる漢方薬です。

 

不眠に使われる漢方薬は

上記以外にもたくさんあります。

漢方薬はご自身の体質に合っているか

が非常に重要であり、

万一合わないと副作用が生じたり

効果があらわれなかったりすることも。

個人の判断での服用は難しいため、

プロに相談するのが安心です。

 

スマホで気軽に専門家に相談できる

「あんしん漢方」のような、

オンライン個別相談も話題です。

あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、

漢方のプロが効く漢方を見極めて

自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。

 

スマホで完結できるので、

対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。

お手頃価格で不調を改善したい方は、

医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

 

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中途覚醒は早めの治療が大切

 

ストレスやホルモン分泌量の減少によって

自律神経が乱れると、

中途覚醒が起こりやすくなります。

 

1日、2日などの短期間で落ち着く場合もありますが、

長期化すると慢性的な睡眠不足になり、

さまざまなからだの不調を招きます。

 

「中途覚醒が長く続いている」

「すっきり寝れずからだがつらい」

と感じたら、

速やかに内科・心療内科・精神科を受診し、

早めに治療しましょう。

 

 

<参考文献>

睡眠と健康|e-ヘルスネット

不眠症|e-ヘルスネット

更年期の不眠に効果的な対策や注意点とは?|牧田産婦人科

女性の睡眠障害|e-ヘルスネット

男性更年期障害|日本内分泌学会

睡眠とホルモン|総合東京病院

睡眠時無呼吸症候群|国立病院機構 近畿中央呼吸器センター

メラトニン|e-ヘルスネット

眠りのメカニズム|e-ヘルスネット

体内時計と睡眠のしくみ|武田薬品工業株式会社

 

 

<この記事を書いた人>

ライター

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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