真夏日が続くと、ジリジリと強い日差しに体力か奪われるのを感じますね。
特に都心部では、コンクリートやアスファルトが熱を蓄える働きをしているので、
「耐え難い暑さ」を感じることが多いようです。
そこで質問です。
皆さんは、夏バテと熱中症の違いをご存知ですか?
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
夏バテと熱中症の違い
一言で言うと、やはり「生命の危機にいたる症状かどうか」につきます。
- 熱中症
熱中症は「放置すれば死に至る症状」で、とても重篤なものです。
めまい、立ちくらみ、失神、全身筋肉痛、筋の硬直、大量の汗、頭痛、倦怠感、吐き気、嘔吐、意識障害、痙攣、高体温などが生じます。
このような症状は、急に現れることが多くただちに医療的処置が必要になります。
- 夏バテ
熱中症と同じような症状と認識されがちですが、緊急性と生命への危険度が大きく違う点です。
気分障害的な要素が含まれ、仕事上のモチベーションやパフォーマンスで話題になるのは、こちらです。
自律神経の働きが鍵
人の体には、体温を一定に保とうとする力があります。
脳がある一定の温度異常になるとダメージを受けるためです。
そこで、体温上昇から脳を守るために「自律神経」というストッパーが大きな役割を果たします。
自律神経は、興奮系の交感神経とリラックス系の副交感神経の二つによって構成されます。
この二つの神経は、体温調節もしています。
クーラーの効いた部屋と、暑い屋外の出入りを繰り返すように、暑い屋外にいて交感神経が優位な状態から、涼しい部屋に入って今度は副交感神経が優位になる・・・。
これを何度も繰り返すと、自律神経が急激な温度変化についていけなくなり正常に機能することをやめてしまいます。
これが「夏バテ」の原因です。
対策は、自律神経を整える
まず、良い睡眠が取れるようにしましょう。
睡眠不足では常に交感神経が優位になり、ストレスにもなります。
生活習慣を改善する事と同時に、夏は寝るときにも工夫が必要です。
就寝時のコツは
就寝時に気を付けることは以下の3点です。
① クーラーをかける
27℃設定で2-3時間タイマーをかけましょう。
② 扇風機も同時にかける
扇風機も同時にかける理由は、気流を作るためです。
上に向けて空気が循環するようにします。
最近は気流を作る機能を備えたクーラーも販売されていて、扇風機が不要なものもあります。
ただし、扇風機やクーラーの風が体に直接あたらないようにしましょう。
③ 寝起きに200mlほどの水を飲む
寝ている間の発汗はコップ一杯といわれます。
発汗した分はまず補完をしましょう。
夏は、環境次第で寝ている間にも熱中症になることがあります。
夏バテを防ぐには良い睡眠をとって、自律神経を整える事。
その為には、良い睡眠環境を整える事が必要です。
「毎日寝苦しいなぁ」という方は、上記のコツを参考にしていただいて、明日はすっきりとした目覚めができるといいですね。
出典
中央労働災害防止協会発行「心とからだのオアシス2017夏」
日々の生活をヘルスライフで見直そう。
今日の歩数は、明日の筋肉に変わるかもしれない。