子供たち

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    何歳から運動を始めさせるか、悩んでいる保護者の方は多いのではないでしょうか。

    幼少期から運動を始めることが運動能力の向上につながると言われていますが、

    近年の研究や分析により、幼児期は1日60分以上の運動遊びが「元気な子供を育てる秘訣」であることがデータとして実証されてきています。

     

    これは、運動能力に限った話ではありません。

    生涯における健康な身体づくりにおいても幼少期の運動習慣は大きな影響を与えることが分かっています。

     

    監修者情報

    佐藤祐造 []

    名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

    内科医、医学博士。名古屋大学大学院医学研究科修了。専門は内科・糖尿病学・スポーツ医学など。日本糖尿病学会理事、日本臨床スポーツ医学会会長、日本肥満学会会長などを歴任。著書に『糖尿病教室』(新興医学出版)ほか。

     

    神経機能は6歳までに大人の8割まで発達

     

    文部科学省の調査結果から、幼児の運動する時間が少なくなっていることが明らかになりました。

    それによると、外遊びの時間が長い幼児ほど運動能力が高い傾向にありますが、一方で4 割を超える幼児の外遊びの時間が1日1時間(60分)未満となっています。

     

    幼児期は、6歳までに大人の約8割程度までの神経機能が発達すると言われており、タイミングよく動いたり力の加減をコントロールしたりする、運動を調整する能力が顕著に向上する時期です。

    この運動を調整する能力は、新しい動きを習得する際に重要な働きを担い、児童期以降の運動発達の基盤を形成するという重要な意味を持っているのです。

     

    幼児期に運動習慣を身に付けると、反射神経などが養われるため、けがや事故防止につながります。

    加えて、健康的かつ活動的な生活習慣の形成が成人後の生活習慣病の抑制につながるとも言われています。

    子供が持っている冒険心を生かしながら、楽しく身体を動かして脳と筋肉をつなぐ神経系のネットワークを適切に構築していくことも大切です。

     

    いかに6歳までに運動習慣をつけるか、それが将来の身体づくりに大きく関わってくると言えるのです。

     

     

     

     

    幼児期の運動が、その後の運動能力に大きな差を生む

     

    体力・運動能力調査結果
    引用:スポーツ庁「平成28年度体力・運動能力調査結果の分析」

     

    幼児期の運動習慣が、その後の運動能力の向上に大きく影響することを実証するデータが、スポーツ庁「平成28年度体力・運動能力調査」で発表されました。

    28年度調査から新たに「小学校入学前の外遊びの実施状況」が追加され、小学生(6~11歳)の入学前の運動頻度から、現在の運動習慣および体力・運動能力との関係について分析されました。

     

    その結果から、男女ともに入学前に外遊びをしていた頻度が高い子供ほど体力テストの合計点が高くなっていることが分かります。

    入学前に週6日以上外遊びをしていた子供と、週1日以下の子供とでは、10歳男子で5点、女子で8点程度の大きな差が出る結果となりました。

    やはり、幼少期から運動する習慣がある子供は、体力・運動能力ともに高い傾向にあると言えるのです。

     

     

    入学前の外遊びの実施状況別現在の運動・スポ-ツ実施状況(10歳)

     

     

    体力・運動能力調査結果2

    引用:スポーツ庁「平成28年度体力・運動能力調査結果の分析」

     

    上表は入学前の外遊びの実施状況と、現在(10歳)の運動・スポーツ実施状況との関係を示したグラフです。

    入学前の外遊びの実施頻度が高いほど現在の運動・スポーツ実施状況が高いことが分かります。

    また、この傾向は6~11歳のすべての年齢で見ることができます。

    入学前の運動頻度が「週6日以上」の子供と「週に1日以下」の子供では、入学後の運動頻度が「ほとんど毎日」になる率が男子で30%近く、女子ではなんと50%近い差が出ました。

     

     

    幼児期運動指針のポイント

     

    6歳までにさまざまな遊びや運動をすることは、神経の発達にもよい影響をもたらします。

    幼児にとっての運動は、楽しく身体を動かす“遊び”を中心に行うのがポイント。

    これには、散歩や手伝いなど日常のさまざまな動きを含みます。

    そして、それらの身体活動を「毎日合計60分以上」行うことも意識するといいでしょう。

     

    教育的な側面から見ても、これらは大きな意味を持っています。

    友達と一緒に運動する中で、ルールを守ったり、自分の欲求を我慢して相手に譲ったりといったコミュニケーションを取ることによって、協調しながら過ごす社会性が培われていきます。

    それらは、大人が言葉で説明してもなかなか伝わるものではありません。

    運動という実体験から子供たちは自然と身に付けていくことができるのです。

     

     

     

     

    まとめ

     

    幼児期は脳や神経系が盛んに発達する時期で、7~8歳にその発達がピークに達すると言われています。

    この時期に習得した動作は大人になるまで身体が覚え、歳をとっても忘れることはありません。

    幼児期を過ぎてからでは克服しにくい「不器用」や「苦手」といった要素も、幼児期に感覚を発達させることで軽減すると言われていることからも、やはり幼児期は運動能力・運動習慣を身に付けるための大事な時期と言えるでしょう。

     

    ・楽しく運動をする

    ・1日60分以上運動をする

    ・さまざまな運動を取り入れる

     

    ポイントは、幼児はさまざまな遊びを中心に、「毎日、合計60 分以上」身体を動かすこと。

    楽しく運動することが、その後の人生によい影響を与えることは間違いないでしょう。

     

     

    出典 

    スポーツ庁WEB広報マガジン DEPORTARE  数字で見る!「6」歳までの幼児期における運動習慣が与える影響