「低気圧が近づくと、からだがだるくて動きたくない…」
そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
天気が急変しやすい季節の変わり目はつらいですよね。
気圧による不調は、適切な対策を知ることで、
不快な症状をやわらげることができます。
今回は、低気圧による
倦怠感の原因や対処法を紹介します。
天気に左右されない快適な生活を手に入れましょう。
低気圧の日、なぜ倦怠感がひどくなるの?
低気圧が近づくと、からだが重く感じたり、
頭がぼんやりしたりしてしまうことがあります。
これらの症状は、いわゆる「低気圧不調」や
「気象病」として知られています。
では、なぜ低気圧の日に倦怠感が生じるのでしょうか?
低気圧が訪れると、気圧の変化がからだに負担をかけ、
自律神経のバランスが崩れやすくなります。(※1)
自律神経とは、私たちのからだを無意識に
コントロールする神経のこと。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、
それぞれ以下のような働きがあります。
● 交感神経
からだが「戦うか逃げるか」を決めるときに
働く神経です。
例えば、運動しているときや、
緊張しているときに活発になり、
心臓の動きを速くしたり、血圧を上げたりします。
からだを「活動モード」にする役割を持っています。
● 副交感神経
からだが「休む」ときに働く神経です。
食事をしているときや、リラックスしているときに
活発になり、心臓の動きをゆっくりさせたり、
消化を助けたりします。
からだを「休息モード」にする役割を持っています。(※2)
気圧が下がると、副交感神経が活発になりやすく、
からだのだるさや眠気を引き起こす原因になる場合も。
交感神経が活発になる場合もあります。
低気圧の日にからだがだるくなるのには、
しっかりとした理由があるのです。
低気圧による倦怠感に今すぐできる対処法3選
低気圧による倦怠感に悩んでいる人でも、
日常生活のなかで簡単に取り入れられる
対処法があります。
ここでは、すぐに試せる3つの方法を紹介します。
首・肩の血流を促進
首や肩の血流をよくすることは、
倦怠感をやわらげるのに効果的です。
首や肩は血流が滞りやすい部位であり、
とくに気圧が低いとその影響が大きくなります。
肩を軽く回したり、首をゆっくりと回したりすることで、
首から肩にかけての血流が促進され、
からだ全体の血流も改善されます。
これにより、だるさが軽減され、
気分もリフレッシュされるでしょう。
からだを温める
からだを温めることも、
倦怠感をやわらげる方法のひとつです。
深部体温(からだの中心部の体温)を上げることで、
自律神経は整うといわれています。
以下のような方法は
からだを芯から温めることができるのでおすすめです。(※3)
● からだを温める効果のある食べ物を摂る
● 38~40℃のお風呂に15~20分ほど浸かる
● 入浴できないときは、首から肩甲骨部に
少し熱め(42℃程度)のシャワーを30秒ほど当てる
からだを温める食べ物とは
「にんじん、れんこんなどの寒い地域でとれるもの」
「発酵食品」などです。(※4)
外側と内側の両方からアプローチして、
からだを芯から温めましょう。
耳のマッサージ
耳のマッサージは、
自律神経を整えるのに効果的です。(※5)
耳を軽く揉んだり、引っ張ったりすることで
自律神経のバランスを整えることができます。
<くるくる耳マッサージ>
1. 左右の耳を軽くつまみ、上・下・横に5秒ずつ引っ張る
2. そのまま軽く引っ張りながら、後ろに向かってゆっくり5回、回す
3. 耳を包むように折り曲げ5秒間キープする
4. 耳全体を手のひらでおおい、ゆっくり円を描くように後ろに向かって5回、回す
朝・昼・晩の1日3回実施すると効果的です。
簡単にできるので、仕事や家事の合間に
取り入れることができますよ。
低気圧不調の対策には漢方薬もおすすめ
日常のケアだけでは改善が難しいときは、
漢方薬を取り入れることもひとつの手です。
低気圧による倦怠感は、気圧や気温による
からだの水分や自律神経のバランスの乱れなどが
原因だと考えられています。
そのため、「体内の水分バランスを調整する」
「血流をよくして自律神経の乱れを整える」
といった働きがある漢方薬を選び、
根本改善を目指しましょう。
<低気圧不調の対策におすすめの漢方薬>
五苓散(ごれいさん)
余分な水分を体外に排出することで、
体内の水分状態を正常な状態に戻します。
頭痛、めまい、吐き気、むくみなどに用いられます。
喉が渇きやすく、おしっこが出にくい人に
向いています。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
水分の循環を改善して、余分な水分を
排出する作用があります。
めまい、頭痛、吐き気、手足の冷え、
食欲不振などに用いられます。
胃腸が弱く、足が冷えやすい人に向いています。
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お手頃価格で不調を改善したい方は、
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あなたに合った対策で低気圧の日も快適に過ごそう
低気圧が近づくたびに感じる倦怠感は、
対策をすることで症状を軽減することができます。
また、必要に応じて漢方薬を取り入れることで、
より効果的に症状をやわらげることができるでしょう。
日々の生活を快適に過ごすために、
自分のからだと向き合い、
適切なケアを続けていくことが大切です。
【参考文献】
(※1)天気が悪いと調子が悪い…「気象病」をご存じですか?|さいたまこくほWeb
(※2)自律神経系の概要 – 自律神経系の概要 – MSDマニュアル家庭版
(※3)その疲れ、「寒暖差疲労」かも?~ 症状別の対策で、”寒暖リズム”の新習慣を ~ | ニュースリリース | 小林製薬株式会社
(※4)冷え対策!体をあたためる食材、冷やす食材 | 専門家コラム | 働く女性の心とからだの応援サイト
(※5)雨の日に体調が悪くなる-天気痛-【健康ぷらざNo.548】|日本医師会
<この記事の監修者>
山形 ゆかり(やまがたゆかり)
あんしん漢方薬剤師
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニューも開発。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。