男性にも更年期があるというのをご存知でしょうか。
女性の悩みと思われがちな更年期ですが、
実は男性も、女性とは違った原因で
更年期の症状が出る可能性があるのです。
「最近すぐに疲れてしまう」
「腰が重くなった」
こんな症状が思い当たったら、
男性更年期の兆候かもしれません。
この記事では、男性更年期とはどんなものなのか、
どうやって対策したらいいのかについてご紹介します。
男性更年期とは
女性の更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の
分泌低下が原因で起こります。
一方、男性の更年期は、
男性ホルモン(テストステロン)の分泌低下が原因です。
テストステロンは20歳頃に最も多く分泌されますが、
その後は加齢とともに減少していきます。
このホルモンの減少により、
疲労感やからだの痛み、寝汗、集中力の低下、
不眠、イライラ感、性欲の低下など、
身体的・精神的な変化が
引き起こされるのが男性更年期です。(※1)
男性更年期にできる対策3選
テストステロンは誰でも加齢とともに減少していきます。
疲労感などのサインに気づいて対策していかないと、
男性更年期の症状は知らないうちに
進行してしまうかもしれません。
「もしかしたら男性更年期かもしれない」と
少しでも思ったら、これからご紹介する
対策3選を生活に取り入れてみましょう。(※2)
有酸素運動を習慣化
男性更年期の原因となる
テストステロンの減少を食い止めるには、
運動も大切です。
運動によって筋肉に刺激を与えると、
テストステロンの分泌が促進されるといわれています。
ただし、日頃運動習慣がない人が急に運動をするのは、
思わぬ怪我につながる可能性もあります。
そこでおすすめなのが、
中強度の有酸素運動の習慣化です。
有酸素運動はエネルギー消費量が大きく、
かつ血圧が上がりにくく、怪我や事故のリスクも低く、
比較的安全に実施することのできる運動とされています。
ウォーキングや水泳などを取り入れてみましょう。
ウォーキングをするときは、
途中で階段を登ると心拍数も上がり、
太ももの筋トレにもなるのでさらに効果が期待できます。
バランスのよい食事
テストステロンの分泌を促進するには、
たんぱく質・ビタミンD・亜鉛の摂取がおすすめです。
これらの栄養素は
以下の食材から摂取することができます。
たんぱく質
肉類、卵、納豆などの大豆類
ビタミンD
かつお、鮭、さんま
亜鉛
牡蠣、レバー
ただし、たんぱく質の摂り過ぎは
肥満につながる可能性があります。
バランスよく食べるようにしましょう。
質の高い睡眠
睡眠の質も、テストステロンの増減に影響を与えます。
質の高い睡眠をとるポイントは、
適切な運動と入浴です。(※3)
散歩や軽いランニングなどの
軽度な運動習慣を続けることで、
深い睡眠を得やすくなるとされています。
運動は就寝の3時間前に行うのが理想的。
寝る直前の運動はからだを
興奮させてしまうので避けましょう。
また、入浴も睡眠をサポートします。
とくに就寝の2~3時間前の入浴が効果的で、
ぬるめのお湯でリラックスすることで
寝つきがよくなるとされています。
反対に、寝る前のカフェインやアルコールの摂取は、
入眠の妨げになるので避けてください。
また、スマートフォンやパソコンの画面から
発せられるブルーライトは脳が活性化して、
寝つきを悪くしてしまうので、
寝る前の使用はやめましょう。
男性更年期の悩みには漢方薬もおすすめ
男性更年期の対策には、
テストステロンを増やすような
生活習慣を継続することが重要です。
しかし、仕事が忙しくてどうしても
運動をしている余裕がなかったり、
食事の栄養バランスが崩れたり、
十分な睡眠時間がとれなかったり
することもあるでしょう。
そんな人は、不調の根本改善を目指す
漢方薬を試してみるのもおすすめです。
男性更年期にお悩みの人は、
・イライラや神経の高ぶりを鎮める
・消化吸収の機能をよくして疲れをとる
・ホルモンバランスの乱れを整える
などの働きをもつ漢方薬を選ぶといいでしょう。
<男性更年期におすすめの漢方薬>
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
イライラや不眠など、精神的なストレスの他、
不安や興奮が原因の不眠も改善します。
精神や気持ちを落ち着かせます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
倦怠感やだるさ、疲労、気力がない
といった症状を改善します。
胃腸の働きを整え、気力を充実させます。
漢方薬は医薬品として効果が認められているので、
生活習慣の見直しだけでは不調が改善しなかった人でも、
効果を感じる場合が多くあります。
ただ、漢方薬はその人の体質に合っていないと、
効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることも。
漢方薬を服用しようと思ったら、
漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
忙しくて病院や薬局に相談にいく時間がない人は、
まずは「あんしん漢方」のような
オンライン漢方サービスを
利用してみるのもいいでしょう。
男性更年期を乗り切ろう
男性更年期は、テストステロンの減少により、
疲労感や集中力の低下、不眠などの
症状を引き起こします。
対策としては、有酸素運動を習慣化し、
バランスの取れた食事と
質の高い睡眠を心掛けることが大切です。
漢方薬の利用も効果的ですが、
事前に医師や薬剤師に相談してください。
生活習慣の改善と組み合わせて、
男性更年期を乗り切りましょう。
参考サイト
(※1)公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「性差医療 男女の更年期障害」
(※2)第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局「男性更年期の対策と、テストステロンを減らさない生活習慣を知ろう」
(※3)厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
<この記事の監修者>
医師
木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。