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    今回は、わかっているようで、実はあまり知られていない肥満についてのお話です。

     

    監修者情報

    佐藤祐造 []

    名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

    内科医、医学博士。名古屋大学大学院医学研究科修了。専門は内科・糖尿病学・スポーツ医学など。日本糖尿病学会理事、日本臨床スポーツ医学会会長、日本肥満学会会長などを歴任。著書に『糖尿病教室』(新興医学出版)ほか。

     

    肥満とは

     

    肥満とは、ずばり摂取エネルギーが消費エネルギーより大きくなるエネルギーの代謝異常のことです。

    食べ過ぎと運動不足が続くと、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、体重が徐々に増加していきますが、これは余分なエネルギーが体脂肪として蓄積されるためです。

    食べたいものを食べたいだけ食べて、運動しない、楽な生活を継続すると肥満になります。

    そのため、発展途上国では、肥満が「繁栄・お金持ち」のシンボルと考えられることも少なくありません。

    なお、食べたものはすぐに吸収されるわけではなく、栄養素の吸収には、個人差があることが知られています。

     

    食事と運動

     

     

     

     

    脂肪は二種類ある

     

    私たちがふだん「脂肪」と呼んでいるものは「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の二種類があります。

    白色脂肪細胞がエネルギーを貯蔵するのに対し、褐色脂肪細胞は食事や寒冷時に熱産生を行い、肥満に防御的に働きます。

    私たちが脂肪として認識しているのは「白色脂肪細胞」に蓄えられたものです。

     

     

    人が肥満になるまでの過程

     

    人が肥満になるには、白色脂肪細胞に脂肪を取り込んで、脂肪細胞自体を肥大化させなければなりません。

    人の脂肪細胞の直径は、赤ちゃんの頃は30μmほどです。

    成人になるにつれて、直径はどんどん大きくなり、やがて70~90μmほどに成長します。

    この脂肪細胞は、エネルギー過剰になるとどんどん肥大化していきます。

    脂肪細胞の肥大化は最大130μm、直径は通常成人サイズの1.3倍、体積は2.2倍までにしかなりません。

    そのため、それ以上は太らないのか、大きくならないのか、というとそうではなく、実は最近になって肥大化した脂肪細胞が分裂することがわかってきました。

    脂肪細胞が分裂と肥大化を繰り返し行うとすると、人はどこまでも太る可能性があると考えられます。

     

    脂肪細胞

     

     

    さらに悲劇が・・・

     

    肥大化した脂肪細胞は、さらに悪いことに、アディポサイトカインという物質を分泌することがわかってきました。このアディポサイトカインは、動脈硬化、高血圧、糖尿病の原因になり、炎症のもとにもなります。さらに脂質代謝異常や血栓を作りやすくする物質も分泌します。脂肪細胞が肥大化すること自体が生活習慣病の原因にもなりますし、脂肪細胞が多ければ、多いほど重症化しやすいこともわかってきました。

     

     

     

     

    人はなぜ太るのか

     

    因子

     

    人間が太る理由は、摂取カロリーが過剰であることに加え、消費カロリーが少ないことです。

    これには、とても機能的で便利になった生活スタイルがもちろん関係しています。

    また、遺伝の要素もあり、体質的に太りやすい人もいらっしゃいます。

    また、運動ができない、運動したいができないという環境要因が理由の人も少なくありません。

     

    ある医師は、「肥満は健康管理ができていない人がなるのではなくて、自分に関心がなかったり、自己肯定感が低い人がなりやすい」と言っていました。

    自分や自分の将来に興味や関心がない人は、健康や体型などに注意が向かなく「自分の好きな食べ物を好きなだけ食べ」「好きな環境に依存する」パラドックスから抜けられなくなり、運動不足、食事の偏りが起きやすいというものです。

     

    食べること以外での趣味を多くし、活動的な毎日を送ることが肥満予防につながるということでした。

    ストレス解消の方法や、コミュニケーションの中心にあるのが食事であれば、他にも方法やツールを見つけましょう。

    そして、健康管理以前に自分自身に興味を持ち、好感を持つことが大切なのではないでしょうか。