収穫量が自慢の温州(うんしゅう)みかん
柑橘類では最も収穫量が多い 温州(うんしゅう)みかん。
種類も豊富で今が旬です。
温州みかんは長い時間をかけて育成され、日本を代表する果物の一つになりました。
もともと冬が旬の果物ですが、より早期の出荷を目指した品種育成も進められ、10月以前に収穫が始まり甘味と酸味のバランスが人気の早生みかんなど、長い期間、各産地のさまざまな味を楽しめるようになりました。
みかんの栄養
みかんの色素の一種は、近年注目のβ-クリプトキサンチン。
強い抗酸化作用があり、発がん性物質から細胞を保護するといわれています。
同じ柑橘類でもオレンジには10分の1ほどしか含まれていません。
β-クリプトキサンチンには、ビタミンAと同様の働きがあり、骨粗しょう症、リウマチ、糖尿病、動脈硬化になる危険性を下げるという報告もあります。
手軽にβ-クリプトキサンチン
平成27年にJAみっかびの三ヶ日みかん、平成28年にJAとぴあ浜松のとぴあみかん(いずれも静岡県)が、食品の健康効果を表示できる「機能性表示食品」として消費者庁に受理されました。
他にも、1パックにみかん約3個分のβ-クリプトキサンチンが入った機能性表示食品「POM アシタノカラダみかんジュース」(えひめ飲料)などがあります。
※通信販売限定。
※機能性表示食品とは、事業者の責任で、科学的根拠をもとに機能性を表示した食品のことです。
効果的な食べ方
「すじ」や「皮」も栄養豊富です。捨ててしまうのは勿体ないですね。
捨ててしまいがちな「すじ」や「皮」には毛細血管を強化し、中性脂肪を分解するビタミン様物質の一種、ヘスペリジン(ビタミンP)が含まれています。
皮には、食物繊維も豊富なので、捨てずに一緒に食べましょう。
ヘスペリジンには、ビタミンCとともに働き、毛細血管のメンテナンスをする働きがあります。
毛細血管から出血したり、細胞内に細菌が進入したりしないように、毛細血管のメンテナンスを行っています。
おいしいみかんの選び方
おいしいみかんは、ヘタが小さめで少し枯れています。
また、皮はツヤツヤとしていて張りのあるものを。フカフカしているものは、味がしっかりしていません。
色は、濃いだいだい色を選びましょう。おしりからヘタまでまんべんなく色づいているものがおいしいみかんです。
おいしいみかんの保存の仕方
みかんの保存期間は2~3週間。
風通しがよい場所に重ねずに置くのが良い方法です。
常温保存といわれますが、8~10℃の場所がベスト。湿気のあるところは避け、メッシュのカゴなどに重ねずに置くといいでしょう。
漢方にも利用されています
果皮は漢方薬にも用いられる優れモノです。みかんの成熟した果皮を十分に乾燥させたものを用います。
陳旧(=長い期間経過したこと)がよいとされ、「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれます。
また、日本では七味唐辛子の一味としても使われます。
みかんの皮を乾燥させた陳皮。オレンジピールとも呼ばれます。
秋から冬にかけて色々な種類のみかんが出始めます。
今年はどんなみかんに会えるのでしょうか。今からワクワクしています。
出典
aff(あふ) バックナンバー 2017年 17年1月号目次 特集1 みかん(1)
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
血液検査でわかります。あなたが何をどれだけ食べていたのか。健診結果の変化は記録をしなきゃわからない。ヘルス×ライフで、血液検査を記録しよう。