旬の食材「しいたけ」 栄養やおいしいしいたけの選び方などご紹介

しいたけ

 

今回は、秋の食材のイメージが強いのですが、実は春にも旬がある一年で二度おいしい「しいたけ」のご紹介です。

 

 

しいたけとは

 

コナラやシイ、クヌギなどの原木に自生するキノコです。現在、市販されている生しいたけは、一部の天然物を除き、ほとんどが人工栽培したものです。

温暖湿潤な日本は、まさにキノコの宝庫で、生しいたけは世界三大栽培キノコの一つとされています。

あとの二つは、西洋のマッシュルーム、中国のフクロタケです。

 

しいたけ

 

 

乾しいたけ(干ししいたけ)

 

コンブやかつお節と並ぶうまみ食材として重宝される、生しいたけの乾燥品です。

昭和20年代までのしいたけは、流通中の鮮度の低下が早かったことから、そのほとんどが乾しいたけとして流通していました。

その後、栽培技術の進歩や食生活の多様化に支えられて、生しいたけが急速に増加し、現在、乾しいたけの国内生産量は、しいたけの5%程度となっています。

 

乾しいたけは、形状や収穫する時期によって、銘柄が決まり、笠が丸みを帯びて表面に細かな亀裂がある肉厚の「冬菇(どんこ)」と笠の表面が滑らかで肉薄の「香信(こうしん)」、両者の中間的存在の「香菇(こうこ)」に大別できます。

うま味成分のグアニル酸を豊富に含むため、水に戻して出汁を煮物や汁物に使うほか、炒め物、ちらし寿司などに広く利用できます。

 

しいたけ

 

 

しいたけの旬

 

しいたけは、菌床栽培の普及により、一年を通して出回りますが、本来の旬は3~5月と9~11月です。

冬を越した春のしいたけは「春子」と呼ばれ、身がしまってうまみがあります。

 

また、秋に出回る「秋子」は香りが高いのが特徴で、すき焼きや湯豆腐など鍋物に欠かせない食材として10~12月にかけて出回る量が多くなります。

 

 

しいたけの栄養

 

「不老長寿の妙薬」として昔から中国で珍重され、現在でも漢方薬として利用される生しいたけは、食物繊維やミネラルのほかにも、ビタミンB群・D群を豊富に含み、低カロリーで、ヘルシーな野菜です。

食物繊維には、コレステロールを調整したり、便秘を解消して腸内環境を改善する働きがあります。

また、血中コレステロールを低下させて、脂質異常症を予防するエリタデニンという、他のキノコにはない特有の成分を含みます。

そのため、食物繊維とエリタデニンの複合作用で、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を予防、改善する効果が期待できます。

 

 

おいしいしいたけの選び方

 

肉厚で笠が開ききっておらず、軸の太いものが味の良い良品です。

また全体的に乾いており、笠の裏側のひだが白く、変色や傷の無いものが新鮮です。

 

しいたけ

 

 

保存の方法

 

鮮度が落ちやすいため、早めに食べきりましょう。

保存する場合は、ひだを下にすると胞子が落ちて黒ずんでしまうため、ひだを上に向けて、パックに入れたまま冷蔵庫の野菜室に入れます。

また、生のまま密閉容器に入れて冷凍保存すると、酵素の働きにより、細胞膜が破砕され、調理の際にうまみ成分が出やすくなる上、解凍せず、そのまま煮物や炒めものなどに使えて便利です。

 

 

おいしく召し上がるには

 

生しいたけは、水分を吸いやすく、水につけると黒くなり、風味も落ちます。

固い石づきの部分はとりますが、軸は食感が良いので、十字に切り目を入れたり、手で縦に裂いて利用しましょう。

 

また、調理する際は水で洗わず、汚れが気になるところだけ、ペーパータオルなどでふき取りましょう。

笠の裏側のひだにホコリが付いている場合には、軸を持って笠を上にし、笠の上から手でポンポンと2~3回軽くたたいて落とします。

生しいたけを天日に干して乾しいたけにするとビタミンDも出ますし、うまみも増します。たくさん購入したときには、乾しいたけにしてみましょう。

 

 

出典

独立行政法人農畜産業振興機構 野菜ブック「しいたけ」

 

監修者情報

佐藤祐造

名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

 

和の食材、カラダがヨロコビ散歩でも。歩数管理はヘルスライフで。

 


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