今より10分多く体を動かそう!
厚生労働省では、生活習慣病予防のための身体活動・運動の目標として、「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」において、【プラス10(プラステン):今より10分多く体を動かそう】を推奨しています。
年齢や目的に合わせて、どのように運動を行うべきかを4つの取り組みの段階を示し、専門的知識がなくても、活用できるように工夫されたガイドです。
(4つの取り組み:「①気づく」、「②始める」「③達成する」「④つながる」)
身体活動が低下していたり、運動不足の方は、歩数や運動量の大目標を立てるより、
まずは今より10分多く歩くことから始めましょう。
身体活動って何?
身体活動は、安静にしている状態より多くのエネルギーを消費するすべての活動をいいます。
身体活動の強度を「メッツ」、身体活動量を「メッツ」に実施時間(時)をかけた「メッツ・時」で示し、身体活動の種類ごとに、どのくらいの時間実施すれば、健康づくりのための目標に達するかを、自分で計算できるようにしています。
犬との散歩など普通に歩くことが、3メッツの強度の身体活動になります。
身体活動量の基準は、3メッツ以上の身体活動を1週間に23メッツ・時行うことです。
具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度で、毎日60分からだを動かすことが身体活動量の目安です。
3メッツ以上(1時間)の活動の例:
掃除をする(3.3メッツ)、自転車に乗る(3.5~4.0メッツ)、早歩きをする(4.3~5.0メッツ)、
子どもと活発に遊ぶ(5.8メッツ)、階段を上る(速く)(8.8メッツ)、ボウリング、社交ダンス(3.0メッツ)、
ラジオ体操第1(4.0メッツ)、やや速歩き(4.3メッツ)、ゆっくりとした平泳ぎ(5.3メッツ)、
バドミントン(5.5メッツ)、ゆっくりとしたジョギング(6.0メッツ)など。
あなたの身体活動をチェックしよう。
自分の今の身体活動量で、「①気づく」、「②始める」「③達成する」「④つながる」の4つのうち、
どの段階の取り組みをしたら良いかを知りましょう。
ウォーキングを楽しみましょう。
10分多く歩く工夫をするだけで、毎日1,000~1,200歩、消費エネルギーに置き換えると約20~40kcalを消費できます。毎日の生活のなかで歩く機会を見つけ、歩数を増やすことで身体活動量も増えます。
スーパーやコンビニ、外食などの外出先に、歩いて行くなど工夫してみましょう。
歩数計を活用する:
自分の歩いた距離や身体活動量を数値で把握でき、歩く目安、ウォーキングの記録としても役立ちます。
電車やバスの区間を歩く:
見慣れた風景も新鮮で楽しく感じられ、距離の目安にもなりやすい。
1週間単位で考える:
歩数の記録を1日単位ではなく、1週間単位で記録をつけると、継続しやすくなります。
高齢者は毎日40分の身体活動を目指して。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」では、高齢者(65歳以上)の身体活動の基準として、身体活動の強度(メッツ)に関係なく、1週間に10メッツ・時としています。
具体的には、横になったままや座ったままにならなければ、どんな動きでもよいので、
毎日40分からだを動かすことが目標です。
可能であれば3メッツ以上の運動や身体活動も、無理のない範囲で挑戦してみましょう。
強度を問わない3メッツ未満の活動の例:
皿洗いをする(1.8メッツ)、洗濯をする(2.0メッツ)、立って食事の支度をする(2.0メッツ)、
ストレッチングをする(2.3 メッツ)、ガーデニングや庭いじりをする(2.3メッツ)、
座ってラジオ体操をする(2.8メッツ)など。
出典
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長