店頭に真っ赤なトマトがたくさん並んでいますね。「トマトが赤くなると、医者が青くなる」という俗諺があるほど、トマトは優れた健康食品です。種類も豊富なトマト。そんなトマトのちょっとオトナな情報です。
トマトの栄養
トマトの種類も豊富になりました。
トマトの皮や果肉は、強力な抗酸化物質カロテノイドを代表するβカロテンとリコピンを豊富に含んでいます。
βカロテンには、紫外線によって発生した活性酵素を無毒化して、しみ、そばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑える働きがあります。
また、βカロテンは、体内で必要とされる量のビタミンAに変換されることから「プロビタミンA」とも呼ばれます。
ビタミンAは、皮膚粘膜を形成し、肌の角化を予防する働きがあり、日焼けによる肌アレなどに効果的です。
特にリコピンには!
リコピンには強力に老化を抑制する働きがあります。
βカロテンの2倍以上もある抗酸化力で、発ガンを予防し、他の生活習慣病も予防改善します。
面白いのは、トマトを食べた後に、βカロテン、リコピンが体内のどこに多くいるのかという体内分布を見ると、ともに肝臓、副腎、睾丸などの臓器に大量に存在することがわかりました。
副腎は、全身に影響を与えるホルモンを多種類分泌する臓器です。
体の調子ばかりでなく、自律神経に作用し、メンタル面での健康にも効果的です。
また、睾丸にも大量に存在することから実はトマトは、「精力剤」といわれることもあります。
まるでフルーツ
フルーツトマトはデザート感覚で。
最近は高糖度なフルーツトマトが多く出回るようになりました。
水分や土の塩分の調整をするという新しい農耕法で栽培されています。
糖度が果物と同じほど高く、フルーツトマトという総称で呼ばれていますが、品種目名ではありません。
基準はありませんが、糖度8以上を高糖度トマトとして販売する例が多いようです。
ちなみに糖度8は、一般的ないちごレベルの糖度です。(農林水産省 aff 2017.8より)
おいしいトマトを選ぶには
トマトのビタミンCは加熱に強いので、ソースにしても大丈夫。
トマトを購入するときは、ヘタがみずみずしい緑色でピンとしていて、皮に艶があり、重量感のあるものを選びましょう。
完熟したトマトはポリ袋やパックのまま冷蔵庫の野菜室で保存可能ですが、青い部分が残っている未熟なトマトは貯蔵適温が15~25℃と高いので、冷蔵庫には入れずに常温で追熟させましょう。
トマトに含まれるビタミンCは、加熱をしても損失がほとんどありません。
そのため、パスタや煮物にしたときには、煮汁も合わせていただきましょう。
マカロニやラビオリなどはトマトと一緒に仕込むことで、おいしさも増します。
手軽に食べられておいしいトマト。苦手な方は、まずミニトマトのフルーティーなものから試してみてはいかがでしょうか。
出典
農林水産省HP「aff」2017.8
40歳からは食べ方を変えなさい!三笠書房 済陽高穂
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
子供の頃、わからなかった味がある。そんなアナタにヘルスライフ。