体調の変化が起こりやすい産後は、
体力回復のためにもきちんと栄養バランスの
取れた食事を摂ることが大切です。
しかし、産後のママは赤ちゃんのお世話に大忙し。
「忙しすぎて適当に食事を済ませてしまう」
「具体的にどんな栄養素を摂ればいいのかわからない」
そんな人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなママが積極的に摂りたい
栄養素についてご紹介します。
産後のママに不足しがちな5つの栄養素
早速ですが、産後のママに不足しがちな栄養素には
どのようなものがあるのでしょうか。
カルシウム
カルシウムは骨や歯を作るために必要な栄養素です。
妊娠中から不足しがちといわれており、
不足し続けると骨や歯がもろくなってしまいます。
授乳で赤ちゃんにも供給されるので、
しっかり摂取することを心がけましょう。(※1)(※2)
ビタミンD
ビタミンDには、カルシウムの吸収を
促進させる働きがあり、正常な骨格と歯の発育促進に
効果が期待できます。(※1)(※3)
ビタミンB12
ビタミンB12は補酵素としてたんぱく質や
核酸の生合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝に
関与しています。
また、葉酸とともに骨髄で
正常な赤血球を作る働きもあるため、
貧血対策にも大切な栄養素です。(※1)(※4)
鉄分
産後は貧血になりやすいので、
予防のためにも鉄分を摂取しましょう。
鉄分は全体的にからだへの吸収率が低いミネラルですが、
動物性食品に含まれるものは比較的吸収率がよいため、
貧血が気になる人はレバー、
魚介類などを摂取しましょう。(※1)(※5)
食物繊維
産後は便秘に悩まされる人も
少なくないといわれています。
食物繊維のなかでも不溶性食物繊維は、
水分を吸収して便の容積を増やし、
排便をスムーズにしてくれますよ。(※1)(※6)
産後のママは葉酸を摂るべき?
結論として、葉酸は産後も
摂取することが推奨されています。
妊娠前から授乳期にかけて
母体から赤ちゃんへの栄養補給のために
十分な葉酸摂取が推奨されていますが、
葉酸は新陳代謝を助け疲労回復を促進し、
産後の体力回復にも役立つため
積極的に摂取しましょう。(※7)(※8)
産後のママに不足しがちな食材
産後に必要な栄養素はわかったものの、
毎日必要な栄養素をバランスよく摂取するのは
難しいかもしれません。
そんなときはサプリメントに
頼ってみるのもひとつの手段です。
日々の食事では不足してしまう分を
サプリメントで補うスタイルで取り入れてみましょう。
カルシウム不足の予防が期待できる食材とサプリメント
カルシウムが多く含まれる食材は
「牛乳、ヨーグルト、煮干し、干しエビなど」です。
カルシウムサプリメントには、
主に炭酸塩とクエン酸塩の2種類があります。
炭酸カルシウムは比較的入手しやすく、
安価で使いやすいのが特徴です。
炭酸カルシウムの吸収は胃酸に依存するため、
食事と一緒に摂取すると最も効率的に吸収されます。
一方、クエン酸カルシウムは食事と一緒に
摂取しても摂取しなくても
同等に吸収されるといわれています。(※2)
鉄分不足の予防が期待できる食材とサプリメント
鉄分が多く含まれる食材は
「牛肉、豚肉、鶏レバー、あおのり、ひじき、大豆など」
です。
また、鉄分は多くのサプリメントから
摂取することができます。
鉄分のみのサプリメントだけでなく、
鉄分を含有するマルチビタミン・ミネラルサプリメント
もありますよ。(※5)
食物繊維不足の予防が期待できる食材とサプリメント
食物繊維が多く含まれる食材は
「切り干し大根、玄米、きくらげ、しいたけなど」です。
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に
分けられます。
水溶性食物繊維は便に水分を与えて
排便をスムーズにする働きが、
不溶性食物繊維は便の量を増やし大腸を刺激して
排便を促す働きがあるので、サプリメントを選ぶ際は
自分の体質や生活習慣に合ったものを
選ぶことが大切です。(※9)
産後の不調対策には漢方薬を試してみて
産後の不調には、サプリメントだけでなく
漢方薬を摂取するのもひとつの方法です。
漢方薬は心とからだのバランスを整え、
産後の不調の改善にも効果があります。(※10)
産後ケアには下記のような働きのある漢方薬を選び、
不調の根本改善を目指しましょう。
- ホルモンバランスや自律神経の乱れを整える。
- からだを温めて冷えを解消する。
- 血流をよくして全身に栄養を届け、疲れやだるさを改善する。
- 消化・吸収機能を改善して心とからだを元気にする。
産後の不調対策におすすめの漢方薬
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
胃腸の働きをを高めて、栄養を補うことで、
産後の体力回復、貧血や食欲不振を改善します。(※11)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血液やエネルギーの産生を助けることで
産後の貧血、疲労倦怠感、めまい、むくみなどの
不調を改善します。(※12)
ただし、授乳中のからだはとてもデリケートです。
赤ちゃんへの影響が大きい時期なので、
どんな薬を服用する場合でも
必ずかかりつけの医師に相談することも大切です。
また、漢方薬は、自分の状態や
体質にうまく合っていないと、
効果を感じられないだけでなく、
場合によっては副作用が生じることもあります。
また、産前産後のからだがデリケートな時期には
服用できない種類のものもあります。
そのため、「あんしん漢方」などの
オンライン漢方サービスに、
一度相談してみるのがおすすめです。
漢方に精通した薬剤師とAIが、あなたに効く漢方薬を
見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。
産後の体調管理はサプリメントも活用しよう
産後は赤ちゃんのお世話で
日々目まぐるしく時間が過ぎていきます。
そんななかで、自分の食事管理まで
完璧にこなすのは難しいですよね。
サプリメントや漢方薬の力も借りながら、
自分のからだを労ってあげましょう。
【参考サイト】
(※1)株式会社エバーセンス「産後の食事でママが摂るべき栄養素は?管理栄養士に聞いたトップ10」
(※2)厚生労働省 e-JIM「カルシウム」
(※3)公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビタミンDの働きと1日の摂取量」
(※4)公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビタミンB₁₂の働きと1日の摂取量」
(※5)厚生労働省 e-JIM「鉄」
(※6)公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
(※7)株式会社ジネコ「葉酸はいつまで飲むべき?出産後も授乳中も必要な時期、サプリをうまく使おう」
(※8)「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
(※9)メディカル・ケア・サービス (株) 健達ねっと「食物繊維サプリはこう使え!サプリの選び方と効果的な利用法」
(※10)千里丘かがやきクリニック「授乳中に飲んでも大丈夫な漢方薬」
(※11)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ十全大補湯エキス顆粒(医療用)」
(※12)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)」
<この記事を書いた人>
ヨガインストラクター・ライター
高橋かなこ
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。
企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。
自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。
同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
一般社団法人日本サプリメント協会理事長
後藤 典子(ごとう のりこ)
同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。
Youtubeチャンネルで健康リテラシー向上のための情報を発信している。
2023年よりSフードプロジェクトのリーダーとして、機能性表示食品ののぞましい発展を支援する活動をしている。