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お役立ち情報(妊娠)

 周産期ごとのママと赤ちゃんの状態
  • 0-3週(1か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

     

    妊娠週数の数え方

    この時期のママは、自分の妊娠に気付いていないことがほとんどです。

    妊娠週数の数え方は、WHO(世界保健機構)の定義に依拠しています。

    妊娠週数の始まりは「妊娠が分かった日」や「性行為をした日」ではなく「妊娠が分かる前の最後に生理が来た日=最終月経開始日」です。

    つまり妊娠0週0日は、実際には妊娠が成立していません。

    しかし、妊娠が成立したと考える着床日を明らかにすることは難しいため、

    お腹に赤ちゃんがいない期間ではありますが、「最終月経開始日=妊娠0週0日」として起算します。

     

    また、妊娠週数は7日を1週間、28日を1ヶ月として計算します。これは出産予定日を妊娠40週0日と定めているためです。

    標準的な妊娠期間は280日間だと言われているため、

    最終月経開始日(妊娠0週0日)から満280日が経過した妊娠40週0日が出産予定日として計算されます。

     

     

    体の変化(基礎体温や子宮の大きさ)

    基礎体温は高温相を持続します。子宮の大きさは鶏の卵ほどです。子宮底の高さは今までと変わりません。

    また、妊娠検査薬での反応も妊娠4週目までは正確な結果とならないため、この時期での妊娠判定は困難とされています。

     

     

     

    日常生活

     

    妊娠0週目は生理期間中です。したがって普段どおりに生活を送りましょう。

    妊娠1週目は生理が終わる頃です。排卵に向けて卵巣内の卵子を育てる時期になります。

    そして妊娠1週目の終わりになると排卵準備が始まり、排卵が起こります。

     

    一般的に最終月経開始日から14日目、

    つまり妊娠2週目にあたる時期がもっとも妊娠しやすいとされるのは、この排卵の時期と重なるためです。

    心と体を健やかに保ち、妊娠に向けた準備をしましょう。

     

    妊娠3週目には生理が終わって2週間ほど経過した頃です。

    排卵日に受精が成立していれば、受精卵はこの時期に子宮内膜に到達し着床します。

    「着床=妊娠成立」と考えるため、この時期は妊娠が決定する大切な時期です。

     

     

    この時期の赤ちゃん

     

    お母さんの妊娠週数が妊娠0週0日のとき、赤ちゃんはまだお母さんのお腹にはいません。

    お母さんが妊娠3週目の頃、赤ちゃんは受精卵として、お母さんのお腹の中に着床します。

     

    この時期の赤ちゃんは小さすぎるため、超音波検査では確認できません。またお母さん自身も妊娠には気付きません。

    それでも受精卵として命をスタートさせた赤ちゃんは、確実に成長を始めています。

    最初は1つの卵子ですが、約1億個の精子のうち1つの精子と受精することで、赤ちゃんの命はスタートします。

    受精して出来た受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、子宮に到達・着床することで、

    妊娠40週が成立する頃には、約60兆個の細胞をもつ人間としてこの世に誕生します。

     

     

  • 4-7週(2か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

    妊娠4~7週目になると、月経が来ないことで、妊娠に気付く人が出始めます。

    妊娠検査薬の反応が正確に現れる時期なので、

    もしも陽性反応が出たら、産婦人科を受診しましょう。

    妊娠することで体内のホルモンバランスが変化するため、

    妊娠前に比べて少し神経質になるママもいます。

    子宮の大きさや検査

    子宮の大きさは、ガチョウの卵ほどの大きさ(鵞卵大 がらんだい)です。

    子宮底はまだ変化がありません。

     

    産婦人科の検査では、

    妊娠4~5週目にかけて赤ちゃんが入った袋(胎嚢:たいのう)を

    超音波検査で確認できるようになります。

    妊娠6週目を過ぎると、胎児の心拍動が確認できるようになります。

     

    日常生活

    日常生活では、つわりが始まるママがいます。

    他にも

    ・食欲不振

    ・気分不快(悪心)

    ・便秘

    ・頻尿

    といった、妊娠前の体とは異なる症状が現れます。

     

    特につわりは無理せず、主治医の先生と相談しながら乗り切りましょう。

    つわりが酷い状態を妊娠悪阻(おそ)と呼び、

    重症と判断された場合には、入院管理をすることもあります。

     

    注意すること

    赤ちゃんの体の中では、内臓などの器官が形成されはじめます。

    奇形のリスクは、

    ・薬剤投与

    ・放射線被爆

    ・高血糖

    ・感染症

    などが原因で高まるとされているため、

    心配な事柄があれば、主治医に相談しましょう。

     

    他にも、妊婦の葉酸不足が一因となり、

    胎児が「二分脊椎」という先天性奇形を引き起こすことも報告されています。

     

    実は葉酸の摂取は、妊娠判明後に積極的に摂取しても遅いとされ、

    厚労省などでは、妊娠前からの積極的な摂取を喚起しています。

     

    しかし、妊娠が判明する前から葉酸を積極的に摂取することは

    常にバランスの良い食生活を意識していなければと難しいものです。

     

    「もしかして葉酸不足かも…?」と思った時には、妊娠判明後からでも摂取していきましょう。

    たとえば、

    ・ほうれん草

    ・ブロッコリー

    ・いちご

    ・納豆

    などの食品には葉酸が多く含まれています。

    日ごろからこうした食品を摂取するように心がけましょう。

     

    この時期の赤ちゃん

    妊娠4週以降で妊娠反応が陽性になると、

    「赤ちゃんがいる!」「ママになるんだ!」という実感が湧くことと思います。

     

    この時期の超音波検査では、

    ・胎嚢を見る

    ・心臓が動いているのが分かる

    といったことしか、確認できません。

     

    超音波検査で子宮を確認したときに

    ヒトらしい赤ちゃんを確認出来るようになるのは、もう少し先になります。

     

    このようにヒトらしい赤ちゃんを確認することは難しいのですが、

    妊娠5~妊娠11週頃は、急速に

    ・神経系

    ・呼吸器系

    ・循環器系

    ・消化器系

    などの主要な臓器が発達する時期です。

    細胞増殖が盛んな時期ゆえに、様々な先天異常が起こりやすい時期でもあります。

     

    また、妊娠7週目までに心拍が確認されない場合は、流産と診断されることもあります。

  • 8-11週(3か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

    この時期のママは、つわりが本格的となりつらい時期です。

    他には、

    ・便秘がちになる

    ・トイレが近くなる

    といった、変化が現れる方もいます。

     

    子宮の大きさや検査

    子宮の大きさは、大人のにぎり拳ほどの大きさ(手拳大 しゅけんだい)になります。

    トイレが近くなるのは、子宮が少しずつ大きくなり始めて膀胱を圧迫するためです。

     

    このころに行う検査としては、希望者に対する出生前診断があります。

    出生前診断には倫理的・社会的問題を含みます。

    産婦人科での十分なカウンセリングを受けながら行うことが大切です。

     

    日常生活

    つわりがひどい時には、「できることをできる時に行う」が基本になります。

    症状を軽減するために、まず日常生活や食事で工夫をしましょう。

     

    また、食事ができないと、「赤ちゃんに影響するのでは?」と心配になりますが、

    この時期の赤ちゃんは、まだたくさんの栄養が必要な時期ではなく、ママが備えている栄養で十分補えます。

    したがって、まずは無理のない範囲で生活しましょう。

     

    工夫できることとしては、つわりは空腹感を感じると気分が悪くなることが多いとされるため

    ・起床時には、ベッドから体を起こす前に何か食べられるように用意する

    ・外出時は、空腹を避け、糖質補給を心がける

    ・家事や仕事で無理をしない

    などが出来そうです。

     

    

    注意すること

    感染症などのスクリーニング検査を受けましょう。

    注意したい感染症は、風疹、肝炎、性感染症などです。

    妊婦健診の採血項目に含まれているものもあるので、妊婦健診は必ず受診するようにしてください。

     

    また、家族が風疹、麻しん(はしか)などにかかることがあります。

    妊婦にうつるとママにも赤ちゃんにも危険です。

    家族にも風疹や麻しん(はしか)、おたふくかぜにかからないようにワクチン接種をしてもらうとよいでしょう。

     

    この時期の赤ちゃん

    妊娠8週目も赤ちゃんの内臓や体の形成は続いています。

    皮膚は、まだガラスのように透明な皮膚です。外陰部が形成されますが、おなかの外から確認できるのはまだまだ先のことです。

    この頃には、ほぼ二頭身が完成され、頭の上部が長く特徴のある胎児の外見が出来上がります。

     

    器官形成期であるこの時期には、放射線や薬剤、感染症に注意が必要ですが、

    日常生活でもアルコールや喫煙などは先天性異常の原因となるため、妊婦には禁止です。

     

    超音波検査で胎児の大きさを計測するようになります。

    この時期から計測するのは、頭殿長(CRL)といって胎児の頭からお尻までの部分です。

    9週で約2cm、11週で4cmほど。体重は11週末で約20gになります。

    まだまだ小さいのですが、体の動きや手足の動きを超音波検査で確認することができるようになります。

     
  • 12-15週(4か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

    この時期のママは、つわりが軽減し、下腹部が丸みをおびて妊婦らしくなってきます。

    基礎体温は低温相になります。

    ホルモンの影響で便秘がちになることが多く、子宮の大きさが増すため、頻尿になる人もいます。

     

    子宮の大きさや検査

    子宮の大きさは、小児頭大といって幼児の頭の大きさくらいになります。子宮底は恥骨結合から指幅2,3本上の辺りになります。

    この頃の検査としては、妊婦健診を受診します。

    妊娠12週からは、4週間に一度の妊婦健診になります。

    妊婦健診では、赤ちゃんの健康とママの健康を管理するので赤ちゃんのためにも、きちんと受診をしましょう。

     

    健診内容としては、尿検査、血圧検査、体重などがあります。

    健診内容については、施設によってスケジュールが異なります。不安な点は医師や助産師に確認しましょう。

     

    日常生活

    母子手帳の記入をしましょう。母子手帳は、自治体によってデザインや内容が様々ですが、

    妊娠中に記入しなければならない部分は全国共通です。

    妊婦自身の記録などは、里帰り出産をする方にはとても重要です。

    出産先の医療機関などでも参考にされるからです。緊急連絡先なども家族と相談してあらかじめ記入をしておきましょう。

     

    働くママは、妊娠がわかったら早めに出産予定日や休業の予定を勤務先に申し出ましょう。

    また、妊婦健診を受ける時間が必要な場合には会社に申請ができます。

    有給、無給は勤務先の規定によりますが、申請があった場合には、会社は健診の時間を確保しなければなりません。

     

    妊婦健診で医師から「通勤緩和」「休憩時間の延長」「体調不良による勤務時間の短縮」などの指導を受けた場合には、

    勤務先に申し出て必要な措置を講じてもらいましょう。

    医師などからの指導事項をきちんと勤務先に伝えることができるよう

    「母性管理指導事項連絡カード」というものが母子手帳についています。

    こちらを医師などに記入してもらい、勤務先に正しく指導内容を伝えることができるので活用しましょう。

    注意すること

    妊娠の特に初期には、ビタミンAを摂りすぎないように注意します。

    ビタミンAは過剰摂取で催奇形性があるとされています。

    ビタミンAを多く含む食品には、レバー、うなぎがあり、ほかにもマルチビタミンなどのサプリメントにも含まれるため注意が必要です。

     

    この時期になってつわりが治まる方もいらっしゃいます。

    つわりで食べられなかった分を一気に取り戻そうとするあまり、食べすぎによる体重増加が心配です。

    妊婦の体重増加については、もともと、BMIが18.5未満の方は9~12kgまで、

    BMIが18.5以上~25未満だった方は7~12kgまで、BMIが25以上だった方は個別相談となります。

    妊娠初期からの激しい体重増加には注意が必要です。

     

    この時期の赤ちゃん

    12週以降になると、赤ちゃんがおしっこをしているところを超音波検査で観察することが可能になります。

    皮膚にはうぶ毛が生え始めます。

    15週になると胎盤が形態的、機能的にも完成します。

    その後、妊娠10ヶ月まで、胎盤は成長を続けます。

    妊娠末期には重さ約500gのほぼ円形になります。

     

    胎盤は、胎児の生命維持の役割をするとても重要な臓器です。

    胎盤では、胎児-母体間の栄養や代謝物を輸送したり、ガス交換も行っています。

    胎児とはへその緒(臍帯)でつながっています。へその緒が赤ちゃんに栄養やガスを運ぶ輸送管の役割をします。

    また、胎盤では、ママが妊娠を維持していくためのホルモンも作ります。

     

    胎児の大きさは、身長約16cm、体重約100gとなっています。

    まだ、頭部がかなり大きいものの、三頭身になり、手足が長くなります。

    12週を過ぎると超音波検査で胎児の児頭大横径(BPD)や大腿骨長(FL)を計測し、胎児の発育評価をするようになります。

    児頭大横径(BPD)は15週で3.0cmほどです。

    4ヶ月になると、頭殿長の計測値に誤差が生じるようになり、計測をすることが少なくなります。

  • 16-19週(5か月)のママと赤ちゃん

     

    この時期のママ

     

    この時期のママは、安定期に入ります。初産の方は18週ごろから、経産婦の方は16週ごろから胎動を感じることができるようになります。また、おっぱいも大きくなってきますし、おなかも少し目立つようになってきます。

     

    子宮の大きさや検査

     

    子宮の大きさがおへそから指2,3本下の辺りになり、ぐんとおなかが大きくなったことを体感する方もいます。妊婦健診は4週間に一度受診をします。妊娠16週からは、むくみと子宮底長を計測します。

     

    超音波検査では、胎児の頭の大きさを計測し、その長さから妊娠週数を再確認します。また、胎児の頭の長さ(BPD)も計測できるようになり、胎児発育の様子が数字でわかるのもこの頃からの特徴です。施設によっては超音波検査の画像などもいただけるようです。携帯電話のカメラなどで撮影して保存しておきましょう。お子さんが大きくなった時に一緒に見ることができるといいですね。

     

    母子健康手帳

     

    日常生活

     

    子宮が大きくなってくることで、胃や肺が圧迫されます。そのため、息切れや動悸がおこるようになりますが、病気ではないのでゆっくり動く、深呼吸するなどで対応していきましょう。ただ、貧血がある場合の息切れ、動悸は放っておくと赤ちゃんにも影響するので改善する必要があります。軽症であれば、食事で改善できるので、ほうれん草など鉄分の多い食材を食べるようにします。また、子宮増大により消化管が圧迫され消化が悪くなります。そのため、便秘になったり、胃酸の逆流が起こったりします。食事は、できればゆっくりよく噛んで食べましょう。また、食事をやわらかいものにする、よく煮るなどで胃の負担を減らすことも大切ですね。

     

    ・注意すること

     

    子宮が大きくなることで、頻尿になります。また、体内の水分量が多くなるので多尿にもなります。トイレに行く回数が増加するので、つい我慢をしがちですが、膀胱炎などの尿路感染症には注意しましょう。面倒ですが、トイレは我慢せず、できるだけこまめに排尿するようにしてください。

     

    この時期の赤ちゃん

     

    体の様々な動作を外から超音波検査で見ることができるようになります。

     

    体の表面がうぶ毛で覆われて皮膚が不透明になってきます。皮下脂肪の沈着がみられるようになります。早い胎児は、頭髪が生え始め、つめを確認できる胎児もいます。胎動を感じられるようになるのもこの頃です。

     

    胎児の大きさは19週末の時点で、身長約25cm、体重約250gとなります。児頭大横径(BPD)は18週で4.0cmになります。

     

     

  • 20-23週(6か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

    この頃のママは、安定期に入り、胎動の自覚も強くなります。

    腹部もより大きくなっておっぱいが張った感じを覚える方もいます。

     

    子宮の大きさや検査

    子宮はますます大きくなっておへそのあたりになります。子宮底長を計測するようになります。

    妊娠中期以降では、胎児の発育に個人差が出てきます。そのため、よく用いられるのが超音波検査です。

    超音波検査は、胎児に影響がなく頭の大きさや大腿骨の長さを計測できます。

    この数値で正常に発育しているかどうかを見極めます。

    この頃になると早い人では、胎児の顔立ちなどがわかる場合もあり、初めて胎児とのご対面を経験する方もいます。

    三次元超音波では、胎児の立体的な像を表示することができるため、人気の検査になっています。

     

    日常生活

    しみが濃くなったと感じる人が多くなります(妊娠性肝斑)。

    妊娠性肝斑とは、妊娠中における色素沈着で、多くは左右対称に額、頬、鼻柱、上口唇に小さなそばかすが現れます。

    長時間立っているとおなかが張ったり、腰が痛くなったりするので、

    座ったり、少し歩いたりして腰痛緩和をしていきましょう。

    腰痛のために運動不足になってしまう人がいるので注意しましょう。

     

    注意すること

    この時期の注意は体重増加と高血圧です。

    食欲が増し、体重が増加してインスリン抵抗性が高くなり妊娠糖尿病になりやすくなります。

    (インスリン抵抗性が高くなるため体重が増加しやすくなることから妊娠糖尿病になりやすい状態です。)

    体重増加には十分注意をしましょう。

     

    妊娠20週以降で一番注意が必要なのは、妊娠高血圧症候群です。

    血圧が140/90mmHgを超えると軽症妊娠高血圧症となります。

    さらに、蛋白尿が加わった状態が、妊娠高血圧症候群です。

    放置すると重篤な合併症を引き起こし、母児に影響を与えるため医療管理が必要になります。

    急激な体重の増加や足のむくみなどから気がつくことがありますが、普段から血圧が高めの方は、家庭血圧を計測しましょう。

    この時期の赤ちゃん

    この時期から赤ちゃんは外界の音に反応するようになります。聴覚機能がほぼ完成しています。

    胎教をこの時期からオススメするのは、そういった理由があるからです。

    22週未満の胎児は、胎外生活が不可能といわれています。

    22週を超えて出産された胎児はNICU管理下であれば、生存できることがあり、

    その可能性は、妊娠週数が長くなるごとにあがってきます。

    22週から37週までの出産を早産といい、出生児を早産児といいます。

    早産児は未熟な体のまま胎外に娩出されるので、十分な適応力がなく合併症などが出現します。

     

    早産の環境要因といわれるものは①ストレス ②喫煙 ③やせとなっています。

    これらは、生活習慣を整えることなどで改善することができます。

    早産予防のために、心あたりのある方は生活習慣を見直しましょう。

     

    23週末の時点での赤ちゃんの大きさは、身長約30cm、体重約650gとなっています。

    肺の構造がほぼ完成します。また、肺20週頃から肺サーファクタントの産生が始まります。

    肺サーファクタントとは、肺胞を伸ばしたり、縮めたりする物質で、

    これがないと自力で肺呼吸ができないため、十分な肺サーファンクタントが胎児の中に産生されるまでは、妊娠継続が望ましいです。

  • 24-27週(7か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

    この頃のママは、体調や気分が安定してくる時期です。

    羊水が増加し、おなかがますます大きくなってきます。

    急激な皮膚の伸展で妊娠線が出ることがあります。

    さらに、便秘による痔核などもみられ個人差はありますが、外見が妊婦らしくなってきます。

     

    子宮の大きさや検査

    外から触れる子宮の大きさがわかりやすくなります。

    外から触れる子宮の大きさは、おへその上、指2,3本の辺りになります。

    超音波検査で、胎児の大腿骨の長さなどを計測し、発育評価をします。

    この週から妊婦健診が二週間に一度のペースになります。

     

    日常生活

    急に足がつることがあります。落ち着いて、楽な姿勢をとり、力を抜いて、筋肉を少しずつ伸ばしましょう。

    そして、再び足がつらないように少しストレッチをするか足首を回してみましょう。

    足がつる原因は、様々ですが、筋肉疲労のほか、カルシウム不足、水分不足なども原因となります。

    足がつる症状に冷シップはあまり効果がありません。どちらかというと筋肉を緩めるために暖めるほうがよいでしょう。

     

    注意すること

    貧血になりやすくなります。貧血になると疲れやすくなったり、めまい、息切れ、動悸などが起こったりします。

    貧血は、胎児の発育のために母体の鉄分が利用されるから起こるものなので、病気ではありません。

    ただ、重篤な貧血になると胎児への影響が考えられますので食事療法、鉄剤内服などの治療をします。

    この時期の赤ちゃん

    この頃の赤ちゃんは、皮膚が紅色になってきます。また、シワもあるので「老人」のような顔になります。

    毛髪も確認できるようになり、超音波検査では、手足の動きがわかりやすくなります。

    身長は約35cm、体重は約1,000gとなります。

  • 28-31週(8か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

    この時期のママは、ますます大きくなるおなかのために胃や肺が圧迫され、

    食欲不振、動悸、息切れが起こるようになります。

    また、心拍数も増加します。動悸を感じたり、息が切れたりします。

     

    子宮の大きさや検査

    子宮は剣状突起(乳間の骨の部分)とおへそのちょうど真ん中辺りになります。かなり上部まで子宮が増大しています。

    施設にもよりますが、30週ごろに血液検査をして貧血かどうかを確認します。

    貧血を認めた方は、食事療法、鉄剤内服などで改善します。

    また、分娩に備え、貧血の有無、血小板数などに異常がないかも確認します。

     

    日常生活

    おなかが大きくなって動きづらくなります。胎児も1,500gと大きくなり、

    羊水量も約800mlと最大量になり重みを感じるようになります。

    そのため、腰痛を訴える人が多くなります。

    睡眠中も、おなかが大きくなっているのでどちらを向いても寝づらく睡眠障害も出てきます。

    お昼寝などで睡眠不足を補っていきましょう。

     

    注意すること

    むくみや立ちくらみが増える人がいます。長時間立ちっぱなしや歩き続けるなどは控えましょう。

    破水やいつもと違うおなかのはりを感じたら、受診をする、医療機関に相談するなどしましょう。

     

    この時期の赤ちゃん

    この頃の赤ちゃんは、筋肉が発達し、運動が活発になります。

    聴覚が完成します。そのため、外界からの音刺激に対しての心拍数増加が観察されます。

    赤ちゃんの大きさは、身長約40cm、体重約1,500gとなります。

    30週頃、羊水量が800mlと最大になり、その後は、徐々に減少し、妊娠末期には500mlになります。

     

    施設によりますが、早いところでは、NST(ノンストレステスト)検査を始めます。

    これは、ママのおなかに陣痛計を装着させ、胎児心音を外側から計測するものです。

    赤ちゃんの実際の心音が聞こえます。心音は正常な場合には、1分間に110回から160回拍動します。

    約20~40分間計測し、胎児心拍が少なすぎないか、多すぎないか、胎動などがあるかを観察します。

  • 32-35週(9か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

    おなかが一番大きくなる頃です。お乳のすぐ下まで子宮がきているので、息苦しさを感じることもあります。

    おなかは重いし、呼吸がしにくくなります。働くママにとっては、大変な月です。

    産前休暇は目前です。もう少しがんばりましょう。

     

    子宮の大きさや検査

    子宮底は剣状突起から指2,3本下あたりになります。胎児の大きさは約2,000gなります。

    早い施設ではNST(ノンストレステスト)といって胎児心音とおなかのはりを皮膚の上から確認する検査を行うようになります。

    赤ちゃんの心臓の音を直接聞くことができるので、最初はとても感動しますよ。

     

    妊婦健診の際に、膣分泌物細菌検査(B群溶血性レンサ球菌(GBS))の検査をします。

    この菌は、膣の常在菌で全妊婦の10~30%に検出されます。

    胎児に感染しても発症するのは1%と非常に低い割合ですが、発症すると症状が重篤になるために注意が必要です。

    そのため、母親にGBS保菌が認められると分娩時にペニシリン点滴をして治療をします。

     

    日常生活

    おりものが増えることがありますのでその場合は主治医に相談しましょう。

    出産に備えて緊急連絡先や病院に持参するものを確認して用意をしましょう。

    また、病院への移動手段も確認しておく必要があります。

    出産や出産後の生活について、不安な点や不明な点などがあれば、かかりつけの病院や自治体で確認をしましょう。

     

    注意すること

    里帰り出産をする場合で、飛行機を利用する場合には、妊娠36週以降の搭乗で医師の診断書や同意書を求められる場合があります。

    飛行機利用をする場合には、書類などの準備や何週まで搭乗できるのかを各航空会社にたずねておきましょう。

    また、旅行の際には、必ず母子手帳を持参しましょう。

     

    この時期の赤ちゃん

    皮下脂肪が増加し、外観が丸みをおびた赤ちゃんらしい体つきになります。

    顔面のシワがとれて老人のような顔つきから変化します。顔面・腹部のうぶ毛がなくなり、皮膚の紅色も消えます。

    34週を超えると、肺サーファクタントが十分な量になり、肺機能が完成します。

    そのため、胎外生活に十分適応できる成熟児となります。

    睡眠と覚醒を20分おきに繰り返すようになり、胎児心拍数が寝ている時と起きている時の二相性になります。

    胎動により一過性頻脈になることがあります。

    35週末の時点での赤ちゃんの身長は約45cm、体重は約2,500gとなります。

  • 36-39週(10か月)のママと赤ちゃん

    この時期のママ

    いよいよ出産が間近になってきました。妊娠37週以降を「正産期」といいます。

    赤ちゃんが生まれてきて、良好に育っていける時期のことです。

     

    子宮の大きさや検査

    子宮底の高さは剣状突起の下3~4横指下あたりになります。胎児は約3,000g、羊水量は500mlです。

    この時期の検査は、胎児心音を確認するためにNST検査(ノンストレステスト)を行います。

    分娩日が近くなると子宮口を診察するために内診が行われます。

     

    日常生活

    37週をこえて、出産が近づくと、胃や肺の圧迫がなくなり、スッキリした気分を味わう人が多くなります。

    子宮が骨盤に収まると胎動も少なくなり、胎児も出産準備に入ります。

    まず、子宮の下降に伴い膀胱が圧迫され、より頻尿になります。

    次に、不規則な陣痛が起こるようになり、おなかの張りも強くなります。

    さらに、児頭が下降するにつれ、恥骨の痛みが始まります。

     

    注意すること

    おりものとは明らかに違う出血を認めた場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

    また、この頃、消化管がすっきりするため遠出をする方がたまにいらっしゃいますが、

    かかりつけ医をすぐ受診できないような旅行などはできるだけ控えましょう。

    破水した場合には、浴槽での入浴は避けましょう。

    わずかながら、胎児感染のリスクがあります。シャワーなどで代用しましょう。

    この時期の赤ちゃん

    すべての器官が完成し、出産準備が完了します。

    徐々に羊水が減少し、500 mlほどになります。

    成熟児となり、外観が四頭身になります。

  •  準備しておこう
  • 母親学級

    母親学級とは

    母親学級とは、ママになる人たちの勉強会です。

    身近に出産、育児の経験がある人が少ない中で、初めての妊娠、出産に戸惑うママ、

    そしてパパのために、必要なことや重要なことを教えてくれます。

    市区町村で行われるものと、産院で行われるものがあります。

    内容は異なるので、できれば両方受けてみてください。

    どんなことをするのでしょうか

    妊娠中の体のこと、精神的なケア、栄養指導、安産体操、お産の時の心構えや手順、呼吸法、

    産後の赤ちゃんのケア、ママの体調管理など、さまざまな内容があります。

    医師・助産師・栄養士・歯科衛生士などの専門家による講義だけでなく、

    沐浴やおむつ替えなどの実習や、ママ同士が自由に意見交換をするグループワークなどもあります。

     

    何回くらいあるのでしょうか

    産院や市町村によってそれぞれ違います。そのため、市町村と産院と両方出席するママもいます。

    週に1回、2時間程度で5回前後行われるのが一般的。

    妊娠中に起こるトラブルも、正しい知識を得れば不安も解消されます。

    初産の人は、必ず受けておくことをおすすめします。

     

    いろいろなクラスがあります

    パパが参加する「父親学級」、夫婦2人で参加する「両親学級」など、いろいろな講習会が開かれています。

    最近では、おばあちゃん、おじいちゃんに、現代の出産、育児事情を学んでもらうクラス「孫育」クラスもあるようです。

  • マタニティグッズ

    マタニティグッズ

    妊娠しても体型が変わらないように努力したママやお友達と貸し借りした洋服が使えたというママもいるので、

    何を買いそろえるかは人によって様々です。

    けれどもマタニティといっても、ただサイズが大きいだけでなく、妊婦の体を守り、補助する工夫がされているので、

    できれば専用のものを買い求めた方がよいでしょう。

     

    ・ショーツ

    お腹の変化に対応できる、前身頃が大きいもの。ウエストがゴムで、出血に気づきやすい白がオススメです。

     

    ・ブラジャー

    マタニティ専用のものもありますが、 着けたまま授乳が可能な、産前産後兼用の方が長く使えて便利でしょう。

    できれば、赤ちゃんにも触れることが多いので、コットン素材を選びましょう。

     

    ・マタニティガードル・腹帯

    大きくなっていくお腹を支えます。

    最近では、戌の日の腹帯の変わりにマタニティガードルを変わりに使うママが多いようです。

    また、ガードルは腰の負担を軽くしますので、おなかがせり出す中期以降は腰痛緩和にも用いられますし、保温の効果もあります。

    あまりきついものは、血流が滞り冷えの原因になります。

    脱いだときに、跡が残らない程度の締め付け具合にしましょう。

     

    あると便利

     

    ・母乳パッド

    母乳のママは使う人がほとんどです。使い捨て以外にも、繰り返し使える布製のものもあります。

     

    ・妊娠線予防クリーム

    お腹が大きくなるにつれ、皮膚が伸展することでかゆみが出たり、

    赤や紫色の線(妊娠線)が出来たりすることがあります。

    妊娠線は一度出来ると出産後に完全には消すことが難しいため、予防が大切です。

  •  妊娠中のカラダのケア
  • 妊娠中のカラダのケア

    おっぱいマッサージ

    妊娠中できることの一つ。乳頭マッサージです。

    乳頭をよくマッサージしてやわらかくしておくと、赤ちゃんが吸い付きやすく、飲みやすいおっぱいすることが大切です。

    ママも赤ちゃんも初めてのおっぱいの場合には、うまくいかなくて、最後は二人で泣いちゃうこともあります。

    でも、毎日2~3分でもマッサージをしておくと、乳頭も乳輪もやわらかくなって伸びるようになってきます。

     

    方法は、

    ① 乳輪に親指、人差し指、中指の腹を当て、体へ向けて垂直に強く押します。押したまま、3本の指で乳頭をつまみます。

    ② つまんだまま、3本の指を擦り合わせるように乳頭の先端へ向けて引き、離します。

    ③ 再度3本の指の腹で乳頭をつまみ、小さくねじるように力を入れます。

    触るだけで痛いママは、ベビーオイル、馬油をつけてマッサージして下さい。

     

    注意しましょう

    おっぱいマッサージは必ず主治医や助産師さんから勧められたら行います。

    おっぱいを触ることで子宮が収縮します。そのため、切迫早産などのママはおっぱいマッサージを行えません。

    おっぱいマッサージを開始する時は、必ず主治医と相談してから始めましょう。

     

    運動をしましょう

    37週を超えたらウォーキングなど軽い運動を始めましょう。

    初めての運動は、安定期に入って主治医の許可が出てから始めましょう。

    妊婦さんには適した運動があります。ママと児に安全な全身運動・有酸素運動がよいでしょう。

    具体的には、妊娠前から行っているのであれば、マタニティヨガ .マタニティスイミング.マタニティビクスなどです。

    もし、妊娠前に何も行っていないのであれば、ウォーキング、マタニティヨガなどが道具の準備がなく、始めやすいでしょう。

     

    注意しましょう

    まずは病院で相談を。

    初めての運動は、安定期に入って主治医の許可が出てから始めましょう。

    しかし、心臓病、血液疾患など持病のあるママや 流早産の兆候のあるママは、運動せず安静に過ごしましょう。

  •  妊婦健診
  • 妊婦健診

     

    妊婦健診を受けましょう

     

    妊娠が判明したら、定期的に産院に通って妊婦健診を埋めることになります。

    健診のタイミングは、12週から23週は4週間に1回、2

    4週から35週は2週間に1回、36週からは、1週間に1回健診を受けます。

     

    健診をきちんと受けていれば、異常を早く見つけることができます。

    流産や早産、妊娠高血圧症候群などは、早期発見が大切です。

    スケジュールを守って、健診を必ず受けましょう。

    健診では体重や腹囲、赤ちゃんの心拍、血圧の測定、検尿、内診、

    超音波検査(毎回行わない場合も)などの検査を受け、ママと赤ちゃんの様子をチェックします。

     

     

    ・健診の内容

     

    健診ですること
    体重測定 急激な体重の変化は妊娠高血圧症候群が心配です。適正体重かどうかを確認します。
    尿検査 尿の中に、ケトンや蛋白や糖が出ていないかを調べます。糖尿病などの確認をします。
    血圧検査 妊娠中毒症の発見に重要な検査。最高血圧140mm/Hg以上、最低血圧90mm/Hg以上の場合、注意が必要です。
    腹囲・子宮底長 妊娠中期以降の検査。羊水量や、赤ちゃんの状態を確認します。
    浮腫 妊娠中は血液循環が悪く、足がむくみます。足のすね、甲を押して、むくみの状態を検査します。
    超音波ドップラー お腹の上から機械を当て、心拍数やリズムを確認。妊娠10週目位から、赤ちゃんの心音を聞くことができます。
    内診 医師が膣に指や器具を入れ、膣の内部、子宮口付近の様子を診察します。後期には、破水の状態も確認します。
    子宮頚部の細胞診 子宮口の細胞をとって子宮頸がんがないかどうか調べます。

     

  • 血液検査

     

    血液検査の種類

     

    血液型検査 緊急時の輸血に備えて血液型を調べるのに加え、赤ちゃんとママの血液型が合わない「血液型不適合」か確認します。結果によっては特別な処置が必要になることもあります。
    梅毒血清反応検査 ママに梅毒の病原体が見つかっても、早期に適切な治療をすれば、赤ちゃんへの感染は防げます。
    HBs抗原検査 ママにB型肝炎ウイルスがあるかどうかを検査します。陽性のママから生まれた赤ちゃんは、予防接種を受ける必要があります。
    HCV抗体検査 C型肝炎は血液を介して感染します。母子感染の恐れもあるため、初期に感染を調べます。
    貧血の検査 初期と中期と後期に検査します。
    HIV抗体検査 HIV(エイズウイルス)に感染していると赤ちゃんに感染する可能性があります。
    風疹抗体検査 ママが風疹の抗体を持っているかを調べます。

     

  • 超音波検査

    超音波検査

    超音波検査は、放射線の被曝や痛みなどもなくママや胎児に安心な画像検査です。

    超音波検査では、おなかの中の様子を観察できます。

    超音波検査はアプローチの方法が二種類あります。

    ひとつは、膣内にプローブという器械を入れて見る方法。

    もうひとつは、おなかの上から、プローブをあてて見る方法です。

    妊娠週数が早い段階では、経膣超音波検査を、妊娠週数が13週を超える頃からは、経腹超音波検査になります。

  •  妊娠中のトラブル
  • 妊娠初期

    出血

    出血があるととても不安になります。

    少量の出血の場合、問題がないこともありますが、まず、受診しましょう。

    どんどん増えてくる、流れてくるような出血の場合は緊急です。

    病院に連絡しましょう。直接ご本人が電話されるのがベストです。

     

    つわり

    つわりは妊娠4~6週目頃から始まり、通常12~16週目くらいでおさまります。

    つらさや期間には個人差があり、臨月まで続く人もいる一方、全く感じない人もいます。

    約80%の人に何らかの症状が出るといわれていますが、突然始まり、人によって症状が違うので、

    みんなが同じ対処法で楽になるわけではありません。

    自分のつわりのタイプを知って、いちばん適した対処法を見つけることが重要です。

     

    つわりの対処方法としては

    ・自分のリズムで、好きなものを好きなときに食べる。

    ・食事以外でも、自分の好きなことをする(ストレスが一番悪影響)。

     

    食べ物はもちろん、水分も受け付けられないほどひどくなることがあります。

    これは「妊娠悪阻」と呼ばれる状態で、治療が必要です。

    体重が大幅に減った、フラフラして目が回るなどの脱水症状を感じたら、すぐに受診しましょう。

     

    貧血

    妊娠中、ほとんどのママが悩まされるのが、貧血。

    貧血のままお産になると、トラブルの原因となります。

    貧血には主だった自覚症状がありません。

    妊娠している10ヶ月の間、2~3回の貧血検査があるはずですから、検査結果などを踏まえて注意しましょう。

    貧血を改善するには、鉄分が必要です。

    鉄分を食べ物から取りにくい場合は、病院で相談してみるのもひとつです。鉄剤を処方してくれる病院もあります。

    鉄剤は飲みにくいかもしれませんが、その場合は、別の鉄剤に変える、注射で補うなどの別の方法があります。

    また、カフェインは鉄分の吸収率を低下させるので、コーヒー・紅茶・緑茶などには注意が必要です。

    お茶を飲む場合は麦茶にします。コーヒー好きな方には、カフェインレスコーヒーがオススメです。

    流産

    流産というのは妊娠した卵が妊娠22週未満に子宮の外へ出てしまうことをいいます。

    妊娠12週未満を早期流産といい、ほとんどが染色体異常や感染症によるものと言われています。

    妊娠12週~22週の流産を後期流産といいます。頻度は少なくなります。

    原因は、子宮口がゆるむことや、感染症によるものと言われています。

    よく聞く「切迫流産」というのは、流産しかかっている状態。

    5~12週目が最も起こりやすく、特に危険なのが、妊娠8~10週頃です。

    安静第一で過ごしますが、必要時、入院となります。

     

    子宮外妊娠(最近では異所性妊娠といいます)

    異所性妊娠は、受精卵が正常な着床部位以外に着床発育してしまう状態です。

    時には激烈な下腹痛および出血性ショック状態になります。

    受精卵の着床部位により、卵管妊娠、卵巣妊娠、腹腔妊娠、頸管妊娠などに分類されています。

    発生頻度は全妊娠数の約1%(100人に1人)といわれており、その大部分が卵管妊娠です。

    生殖補助医療(不妊治療)ができるようになった現代では、以前と比較し、異所性妊娠が多くなっています。

    治療としては、手術療法・薬物療法・待機療法の3つに大別されますが、

    それぞれの治療方法に利点と欠点があり、明確な統一見解は定められていないのが現状です。

  • 妊娠中期

    早産・切迫早産

    一般的に正常なお産といわれているのは、妊娠37~妊娠42週目未満に行われるお産のことです。

    早産とは、妊娠22~妊娠37週未満で赤ちゃんが生まれてしまうことをいいます。

    早産は全妊娠の5%前後の確率で起こります。

    早産といっても34週目を過ぎて、赤ちゃんの体重が2,000gを超えているようならば、ほとんどが将来元気に成長していきます。

     

    ・早産のハイリスクグループ

    ① 妊娠分娩既往歴

    後期流産 死産 早産 頸管無力症 習慣流産

    ② 妊娠時の異常

    細菌性腟症 多胎妊娠 子宮筋腫合併 子宮奇形 感染症(尿路感染、肺炎など) 羊水過多 抗リン脂質抗体症候群

    ③ 喫煙者

    子宮収縮 下腹部痛 性器出血 帯下の増量 破水感

    切迫早産は、早産の初期症状があらわれた状態のことをいいます。少しでも異常を感じたら、すぐに病院を受診しましょう。

     

    便秘・痔

    妊娠中は、ホルモンの働きで腸の動きが鈍くなり、妊娠子宮で腸が圧迫されるので、

    元々便秘ではなかったママも便秘に悩まされがちです。症状がひどい場合は、便秘が悪化して痔になることもあります。

    便秘には常に気をつける必要があります。運動などで体を動かして血行を良くし、食生活を見なおして予防しましょう。

    少し便秘気味と感じたら、マッサージなどで早めに解消することも大切です。

    また、ヨーグルトなど発酵食品を食べることもおすすめです。

    健診時には、頑固な便秘になる前に、病院で便秘について相談してみましょう。

  • 妊娠後期

    逆子

    赤ちゃんは通常、頭を下にして羊水の中に浮かんでいます(頭位といいます)。

    しかし、頭が上で、足やお尻が子宮口の近くにある赤ちゃんがいます。これを「逆子」といいます。

    妊娠中期までは、赤ちゃんはお腹の中で活発に動き回っています。

    健診で、逆子のように見えても、妊娠後期になり、活発に動けなくなる時期までには、

    ほとんどの赤ちゃんが頭位に戻ることが多いです。

    最終的に、逆子のままで出産するママは帝王切開を含めて全体の4~5%くらいです。

     

    逆子の場合、心配なのが「前期破水」です。

    通常は破水が起こると、赤ちゃんの頭が栓の役割をし、羊水が一度に流れ出るのを防ぎますが、

    逆子は栓をすることができず、隙間からへその緒が先に出てしまうこと(臍帯脱出)があります。

    そのままでは、赤ちゃんは低酸素状態になってしまいます。

    逆子の場合、破水症状を感じたら、清潔なナプキンを当て、すぐにお医者さんへ行きましょう。

     

    羊水のトラブル

    羊水は赤ちゃんのまわりを被う乳白色の液体です。

    妊娠初期は30mlほどの微量ですが、最大で700~800mlまで増え、出産時には約500mlと少し減少します。

    赤ちゃんは10ヶ月間、自由に羊水の中を泳ぎ回ることで、体の機能を発達させます。

    おなかの中の赤ちゃんは、羊水の状態で健康状態や異常を確認することができます。

    赤ちゃんは、羊水を飲み込んで、必要な栄養分を取り込んでいます。

    その後、再びおしっことして排出しています。

    羊水の量と状態を調べることで、赤ちゃんがその作業をきちんとできているかが分かるので、

    羊水は赤ちゃんの健康のバロメーターなのです。

    健診で定期的に超音波検査を受けていれば、羊水の異常は早めに発見できるでしょう

     

    1. 羊水過多(800ml以上)

    羊水の量が通常より多い状態。赤ちゃんが羊水を飲み込めない、

    消化管が閉じている、肺に異常がある場合等が考えられます。

    また、ママに糖尿病などがある場合も羊水過多になる可能性があります。

    いずれにせよ、子宮容積増大による早産をまねく恐れがあるので注意が必要です。

     

     

    2. 羊水過少(100ml以下)

    羊水の量が通常より少ない状態。

    赤ちゃんの腎臓の働きが鈍く、尿をうまく産生できない、胎盤機能が低下している、破水しているなどが考えられます。

    羊水過少の場合、羊水のクッションとしての役割が果たせなくなってしまいます。安静が必要です。

     

    3. 羊水混濁

    胎児が排便をしてしまい、胎便で羊水が濁った状態。

     

    前期破水

    分娩開始前に卵膜が破れ、羊水が子宮外に流れ出ることを前期破水といいます。

    破水は分娩の途中で起こることもあります。

    正期産(妊娠37週~41週末まで)の場合でも陣痛が始まる前に破水してしまうことがあります。

    破水は、尿と違い自分でとめることもできず、出たり、止まったりを繰り返します。

    また、ジャバジャバと大量に出ることもあります。

    破水をすると感染のリスクがあるので、大きめで清潔なナプキンをあててすぐに受診しましょう。

     

    胎盤のトラブル

    胎盤はママと赤ちゃんをつなぐ唯一のものです。そのため、胎盤にトラブルがあると、赤ちゃんにも影響があります。

    胎盤の異常で怖いのは、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)です。

     

    常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

    常位胎盤早期剥離とは、胎盤は正常な位置にあるのですが、何らかの原因で赤ちゃんが生まれる前に剥がれてしまうことです。

    普通は赤ちゃんが生まれた後に胎盤がはがれ、ママのお腹から出てきます。

    妊娠8カ月以降に起こることが多く、妊娠高血圧症候群や外部からの衝撃が原因とも言われていますがはっきりとはわかっていません。

     

    常位胎盤早期剥離が起こると、強い腹痛が起こり子宮収縮でお腹が板のように硬くなることもあるが無症状の場合もあります。

    出血がない場合もあり、異常とわかりにくいのですが、少しでもおかしいなと思ったら急いで病院へ連絡するか病院へ行きましょう。

  •  カラダの心配ごと
  • カラダの心配ごと

    立ちくらみ

    妊娠中に起こりやすい症状です。生理的なものがほとんどなので、

    人混みで長時間にわたり立ち続けたり、急に立ち上がったりしないようにするなど気をつけましょう。

     

    頭痛

    頭痛は、妊娠初期と後期によく見られます。

    初期は、妊娠による緊張やつわりによって自律神経が乱れるためです。

    後期は、お産への不安やストレス、肩こりなどが原因で起こりやすくなります。

    ただ、頭痛とともに、めまいやチラチラとしたものが見える場合は、

    妊娠高血圧症候群や脳の疾患が原因となる可能性もあるので、健診時に必ず相談しましょう。

     

    腰痛

    妊娠中は、腰に極度の負担がかかり、腰痛が起きやすくなります。

    立つときは、足を肩幅に開き、腰を反らさないような姿勢で立ちます。

    くつのかかとは2cmくらいで、ハイソックスと妊婦用ガードルの利用も効果的です。

     

    おりもの

    妊娠すると、ホルモンの影響でおりものが増えます。

    おりもの専用のナプキンやライナーを使用する際は、頻繁に交換して清潔に保ちましょう。

    下着が水で濡れるような感じがある場合は、破水の可能性がありますので、

    大きめのナプキンをして受診をしましょう。

     

    下肢静脈瘤

    妊娠中期以降、大きくなった子宮が静脈の流れを妨げると、

    足などに静脈が浮き上がって、こぶのようなものができることがあります。これを静脈瘤といいます。

    静脈瘤は、足や外陰部、膣周辺などにできますが、産後は自然に治ります。

    休む際は足を高くしたり、フットバス、サポートストッキングを使ったり血液の循環を促しましょう。

  •  出産準備
  • 里帰り出産をするママ

    9ヶ月までには、産む病院で一度健診を受けましょう

    里帰り出産の場合には、母子手帳をきちんと記入しておきましょう。

    胎動を感じた日や出血があった日、つわりの状況、入退院の状況などはとても大事な情報です。

    母子手帳に記録しておくと、出産する病院で非常に役立ちます。

    できれば、8ヶ月までには移動を済ませておくことが望ましいです。

    移動の手段によっては、診断書が必要な場合がありますので、準備は早めに始めましょう。

    実家が遠いママの場合は、出産時のこと、お金のこと、早産になった場合のこと、

    帝王切開になる場合のことなどを家族と話し合っておくといいです。

     

    緊急連絡先

    母子手帳に、緊急連絡先を必ず記入しておきましょう。

    出産時、病院が家族と連絡をとりたい時もありますし、病院から遠く離れた所で急に産気づくこともあります。

    そのために、ご主人や母親など家族は必ず記入をしておきましょう。

    また、産む予定の病院や健診を受けた病院名と電話番号をわかりやすい所に記入することも大切です。

  •  食事のヒント
  • 食事のヒント

    鉄分

    妊娠中、ほとんどのママが悩まされるのが貧血です。

    全く貧血症状のなかった人でも、妊娠中は貧血になりがちです。

    鉄分は、特に意識して摂取しなければいけない栄養素なのですが、吸収力が悪く、

    食事ではなかなかとりにくいので、毎日コツコツとる必要があります。

    鉄分の多い食品は、プルーン、レバー、赤身魚、ほうれん草、貝類などです。

     

    カルシウム

    カルシウムは、赤ちゃんが丈夫な骨や歯を作るために必要な栄養素です。

    カルシウム摂取の注意点をひとつ。一生懸命カルシウムをとっても、リン酸と結びつくと排泄されてしまいます。

    加工食品やレトルト食品などリン酸を含む食品は、できるだけ摂取を控えましょう。

    カルシウムを多く含む食品は、牛乳、スキムミルク、煮干、小松菜、切り干し大根などです。

    塩分

    塩分のとり過ぎは、注意が必要です。妊娠してもしなくても女性の1日の塩分摂取量は7g以下が望ましいです。

    たったの小さじ1.5杯程度(小さじ1杯=5g)です。

    ラーメンやうどんなど麺類の汁は残すようにし、カレーライスや味つきご飯なども塩分が高いので、控えましょう。

    多いものでは、ラーメン一杯で5gの塩分が含まれることがあります。

     

    カロリー

    妊娠中はホルモンの影響で体重が増えやすくなり、食欲増加により体重が増えやすいので、

    増えすぎてしまわないように体重をしっかりと管理しましょう。

    妊娠前に標準体重だった人は約7~12kg、太り気味の人は約5~7kg程度の増加を目安にしましょう。

    やせ気味の人は約9~12kgの増加が目安です。

    特に、つわりが終わった中期から、体重が増加することが多いです。

    食べすぎない、カロリーの低いものを選ぶなど、日常生活で注意しましょう。

  •  注意しましょう
  • 注意しましょう

    お酒について

    妊娠中はお酒を飲まないことが一番ですので、妊娠が分かったらできる限り飲まないようにしましょう。

    ママが飲んだアルコールは血液に入り、胎盤を通して赤ちゃんに送られてしまいます。

    妊娠中に毎日大量にアルコールを摂取していると、発達障害や知能障害、奇形などのある、

    胎児性アルコール症候群と呼ばれる赤ちゃんの生まれる確率が高くなります。

    何ml以下は大丈夫という規定は有りません。

    ですから、少量でも赤ちゃんに影響が出る可能性はあるので、妊娠中は飲まないことが一番です。

     

    タバコについて

    ママがたばこを吸うと、肺からニコチンや一酸化炭素などカラダに害のある成分も吸収されます。

    ニコチンや一酸化炭素を摂取すると、ママの血管が収縮し血流が悪くなります。

    その影響で胎盤への血液量が減り、赤ちゃんへ栄養が不足します。

    その結果、胎児に低体重や発達の遅れなどの影響を及ぼします。妊娠を機会に禁煙をしましょう。

     

    お薬について

    どのような症状のときでも、市販薬を自分の判断で飲むことは避けましょう。

    市販薬の中には、赤ちゃんに影響する成分を含んだものがあるからです。

    頭痛や便秘などのお薬は健診時に主治医に相談して処方してもらいます。

    また、風邪などの場合も、必ず受診をして処方を受けましょう。

    妊娠前から服薬している場合にも、薬の種類や量などを主治医にお伝えしてください。

    ワクチンについて

    風疹、水痘などは、罹患すると、苦しくつらいだけでなく、赤ちゃんにも影響します。

    パパは、風疹、水痘などの抗体がなければ、ワクチン接種をしましょう。

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