分娩所要時間
第三期までが分娩所要時間です。出産は個人差が大きいので目安にしてください。初産婦と経産婦では、所要時間が違います。
初産婦 およそ11~15時間
経産婦 およそ6~8時間
(第一期)分娩開始から子宮口全開大まで
初産婦: 10~12時間
経産婦: 5~6時間
(第ニ期)子宮口全開大から胎児晩出まで
初産婦: 1~2時間
経産婦: 30分~1時間
(第三期)胎児晩出から胎盤と卵膜の晩出まで
初産婦: 15~30分
経産婦: 10~20分
(第四期)分娩終了から2時間
初産婦: 2時間
経産婦: 2時間
分娩の開始
分娩の開始は、陣痛が1時間に6回以上で規則的になった時からカウント開始します。一時間に6回、10分間隔になったら病院に連絡し、病院に向かいます。このとき、自分で運転をしてはいけません。
お産の流れ
(第一期)子宮口開大
子宮口が広がり始めます。陣痛の間が短くなり、痛みも強くなってきます。
(第二期)子宮口全開大・破水
陣痛の間がさらに短くなり、痛みももっとも強くなります。
子宮口が全開大して、破水が起きます。破水とは、児頭の圧力で卵膜が破れて、羊水が流出することです。さらに、児頭の下降が進み、児が娩出されます。
(第三期)胎児の娩出
胎児娩出後、不規則な陣痛である後陣痛が始まり胎盤が娩出されます。
ママのスケジュール
入院中は、体調と子宮の回復を目的にします。
帝王切開ではないママの入院は、5日から7日くらいです。帝王切開のママの入院は、病院によって違いがありますが、およそ、8日から12日が目安です。
・入院中の主なスケジュール
沐浴指導、沐浴実施、おっぱいマッサージ
尿検査、血液検査、体重測定
会陰切開の抜糸(溶ける糸で縫合した場合はありません)
内診、会陰切開の消毒、ママと赤ちゃんの栄養指導
調乳指導、退院指導
2日目くらいから、母児同室といって、夜間も赤ちゃんと一緒の生活を体験します。 わからないことや不安なことがあれば、質問しておきましょう。また、出産と同様、赤ちゃんとママもそれぞれ個人差が大きいです。自分のペースで生活をしていきましょう。
赤ちゃんが生後1日なら、ママもママ歴1日です。おっぱいもオムツも上手に 行かないかもしれません。でも、赤ちゃんもママもともに成長します。心配しすぎたり、落ち込んだりしないようにしましょう。
赤ちゃんのスケジュール
誕生当日の赤ちゃんは、病院の新生児室で預かることが多いです。新生児マススクリーニング検査、ビダミンK2シロップ投与など赤ちゃんの健康管理をします。
生後一日目からは毎日、体重、体温、脈拍、呼吸、おしっこと便の回数などを計測・記録します。黄疸の検査、先天性代謝異常の検査、聴力の検査をし、心臓や関節に異常がないか小児科医の健診を受けます。毎日、沐浴をします。へその緒は毎日沐浴時に消毒します。入院中に取れた場合には、乾燥させお母さんにお渡しします。
退院当日
出産が無事に終わると、ママの体はもとに戻っていきます。完全にもとに戻るには、6~8週間かかります。退院時には、次回検査日や家事、入浴開始日などを教えてくれます。もし、何かわからないことがあれば、質問しておきましょう。
ほとんどの赤ちゃんは入院中に出生時より体重が減少し、退院する頃に戻ります。
退院後のママへ
退院後の体調不良として① 乳腺炎 ② 産褥(さんじょく)熱 ③マタニティーブルーズがあります。
おっぱいの痛みや悪露(おろ)の変化に注意しながら高熱が続く場合には、受診をしてください。
気をつけていただきたいのは、③マタニティーブルーズです。軽度の抑うつ状態をいいます。ママの30~50%に見られる症状ですが、2週間ほどで改善していきます。不安感や集中力低下、感情不安定などがみられますが、治療を必要とするものではありません。
ただ、2週間を超えてなお、症状が重症化するような場合には、受診をしましょう。
出産後の体の変化(ママ)
ママの体は出産後に大きく変化します。
妊娠・出産・授乳により、ホルモンバランスや代謝、血液状態、栄養バランスなどが一気に変化をすることが考えられます。ただ、体調とともに復調するものもあります。寝不足や育児疲れなどで体調が改善しない場合には、周囲の人のサポートが必要な時期にさしかかっていると考えて、周囲へ応援を頼みましょう。
腰痛などは、「産後用腰痛ベルト」で改善する場合もありますが、長引く場合には、ヘルニアなども考えられるため整形外科を受診しましょう。
また、「体質」の変化を感じることもあるでしょう。冷え、発汗、暑がりなど妊娠前とは違う体質に悩むママもいます。以前の体質にこだわることなく、現在の私を受け入れて、現状に合わせた生活を少しずつ開始していくママが多いようです。ママ歴は、赤ちゃんの日齢、月齢と同じです。ゆっくり成長していきましょうね。
赤ちゃんの成長
赤ちゃんの成長には個人差があります。下記はあくまでも一例です。参考までにとどめましょう。
時期 | 発達のめやす |
---|---|
1ヶ月 | 注視(じっと見ること)が認められる 快・不快を表現する |
3ヶ月 | 注視の幅が広くなる あやすと笑う。あー、うーなどの声を出す |
4ヶ月 | 首がすわる。180度目で追える。 声をたてて笑う。母親の顔・声を意識する。 |
5ヶ月 | 寝返りをうつ。音の方向を向く |
6ヶ月 | 手を伸ばして物をつかむ。 恐れの感情が表れる。 自分から人に接しようとする |
7ヶ月〜8ヶ月 | 支えなしでお座りできる 人見知りをする |
9ヶ月〜10ヶ月 | ハイハイをする。つかまり立ちをする。バイバイをするとまねる。 |
1歳 | ひとり立ちする。単語中心の一語文を話す。 |