こどもがどこへ行くにもお気に入りのぬいぐるみと
一緒で手放そうとしない……。
そんな姿を見て「大丈夫かな? 」と
心配になることはありませんか?
実は、それは「ブランケット症候群」かもしれません。
こどものブランケット症候群には、
心理的な理由や成長過程が関係しているんです。
今回は、ブランケット症候群とは何か、
そしてどう対処すればいいのかをご紹介します。
ブランケット症候群とは
ブランケット症候群とは、
「こどもがぬいぐるみやブランケットなどの
特定のアイテムを持つことで、
精神的な安心感を保っている状態」
のこと。(※1)
漫画『スヌーピー』に登場する
ライナスを思い浮かべてください。
彼はいつでも青い毛布を引きずって歩き、
毛布がないと落ち着かない様子を見せますよね。
それがまさにブランケット症候群の
典型的なイメージです。
ブランケット症候群の原因
ブランケット症候群には、こどもの心理的な成長や
周囲の環境が深く関係しています。
ここからは、その主な原因を3つご紹介します。
乳幼児期の愛着形成
乳幼児期は、他者との安定した
愛着関係を育む大切な期間です。
しかし、この愛着が十分に満たされない場合や、
満たされているものの不安感が残る場合、
こどもはぬいぐるみやブランケットなど特定の物に
強い愛着を感じるようになるといわれています。
外的ストレスや環境の変化
こどもにとって環境の変化は大きなストレス。
例えば、引っ越しや保育園の入園、
新しい弟妹の誕生など、
日常が変化すると不安を感じやすくなります。
このような状況で不安を感じたこどもは、
心を落ち着けるために
特定の物に依存しやすいとされています。
成長過程における移行対象
移行対象とは、
こどもが両親から少しずつ心理的に独立する過程で、
心の支えとなる物のこと。
こどもにとって、移行対象であるぬいぐるみや
ブランケットは、安心をくれる大切な存在です。
ですから、ブランケット症候群自体は
珍しいことではありません。
多くのこどもが経験する
自然な成長過程ととらえましょう。
ブランケット症候群の対処法
ブランケット症候群は病気ではなく、
こどもの健全な成長の一部ですので、
多くの場合成長にともなって
自然におさまっていきます。
とはいえ、ブランケット症候群のこどもの行動に
悩んでいるママとパパも多いはず。
そこで、ブランケット症候群への
対処法を2つご紹介します。
無理に引き離そうとしない
まず大切なのは、こどもから無理に
そのアイテムを取りあげないことです。
ぬいぐるみやブランケットなどの移行対象は、
こどもにとって両親の代わりともいえる大切な存在。
無理に離そうとすると不安が増加し、
移行対象を手放さなくなるかもしれません。
無理に離そうとせず「見守る」姿勢を持ちましょう。
手放す時間を徐々に作る
移行対象を手放す時間を徐々に作るのもおすすめです。
例えば、「今日は寝るときだけ一緒にいようね」
とルールを決めたり、逆に
「お出かけするときは、ぬいぐるみには家でお留守番してもらおうね」
とこどもと約束してみたりしましょう。
少しずつ離れる時間を作ることで、
ぬいぐるみやブランケットがない時間に
慣れさせるといいでしょう。
育児による疲れには漢方薬もおすすめ
育児中のママとパパはいつも全力投球。
疲れやストレスがたまっていると
感じることもあるでしょう。
そんなときにおすすめなのが漢方薬。
医薬品として効果が認められている漢方薬は、
内科や婦人科などでも使用されています。
漢方薬は「肉体的な疲労」と「精神的な疲労」に
同時にアプローチすることが可能です。
育児による疲れを感じる場合は、
- 血流をよくして自律神経の乱れを改善する
- 自律神経を整えて、ストレスによる疲労を減らし、睡眠の質を上げる
- 消化・吸収機能を改善してからだの内側から心とからだを元気にする
といった漢方薬を選び、疲れの根本改善を目指します。
育児疲れにおすすめの漢方薬
加味逍遙散(かみしょうようさん)
乱れた自律神経のバランスを整え、
ストレスによるイライラや不安を軽減します。
のぼせ感や肩こり、便秘、
疲労感などを伴う人におすすめです。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを高め、気(エネルギー)を作ることで
心とからだを元気にします。
胃腸が弱く、疲れやすくて
気力が湧かないような人におすすめです。
ただし、ママが摂取するものは母乳を通じて
赤ちゃんへの影響が考えられるため、
授乳中に薬を服用する場合は必ずかかりつけの医師に
相談することも大切です。
例え授乳中ではなくても、
漢方薬は自分の状態や体質にうまく合っていないと、
効果を感じられないだけでなく、
場合によっては副作用が生じることもあります。
そのため、「あんしん漢方」などの
オンライン漢方サービスに
相談してみるのもおすすめです。
漢方薬に精通した薬剤師とAIのコラボで、
あなたに合った漢方薬を見極めて、
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こどもにとって大切な「安心アイテム」と上手に付き合おう
こどもがぬいぐるみやブランケットを手放さないのは、
心の成長の一環です。
「これは今のこどもにとって必要な存在なんだな」と
受け入れてあげることが、最初の一歩です。
そして、少しずつ焦らずに手放せるよう
サポートしてあげましょう。
ブランケット症候群は病気ではありません。
ママやパパ自身も無理をせず、
自分の心とからだを大切にしてくださいね。
親子で少しずつ前に進んでいきましょう!
【参考文献】
(※1)毛布やぬいぐるみが手放せない! これって病気? 幼児期に多い「ブランケット症候群」とは | 社会福祉法人恩賜財団済生会
<この記事の監修者>
中田 早苗(なかださなえ)
あんしん漢方薬剤師
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。