一段と寒くなるこの季節。
大人でも体調を崩してしまうような
室内と室外の寒暖差は、
子どもにも大きな影響があります。
乳幼児にとっての適温を知り、
室内外の温度差の調整を実践するために、
今回は、気温差が子どもに与える影響や
今から行える気温差対策についても解説します。
その気温差、子どもにとって大丈夫?
人は、体温を常に一定に保つ
体温調節機能という仕組みを持っています。
例えば、寒さを感じたとき、
血管を収縮させて血液の流れを抑制し、
体内の熱を逃さないようにしたり、
代謝量を増加させて熱を作り出したりすることで、
体温を下げないようにコントロールしています。
しかし、乳幼児はこの体温調節機能がまだ未熟で、
気温の変化の影響を受けやすいのです。
そのため、さまざまな体調不良を
引き起こしやすくなります。(※1)(※2)
具体的には、寒暖差アレルギーによるくしゃみ、
鼻水、鼻詰まり、目のかゆみや充血といった症状が
あらわれることがあります。(※3)
また、気道が刺激されると、喘息や咳の原因に。
さらに、ウイルスや細菌に感染しやすくなり、
風邪や気管支炎などを発症する確率も上昇します。(※4)
そのほかにも、低体温症や睡眠の質の低下、
血行不良による四肢の冷えなどが挙げられます。
加えて、寒冷そのものが
ストレスになることも考えられるでしょう。
乳幼児にとって適切な気温とは
例えば、厚生労働省は、
保育所の保育室環境の目安として、
冬の場合、室温は20〜23℃、
湿度は60%と定めています。
生後間もない新生児の場合は、
23~25℃くらいを目安にするといいでしょう。(※5)(※6)
赤ちゃんの平熱は、大人よりもやや高く、
36.5~37.4℃くらいです。(※7)
また、基本的に暑がりのため、
大人の感覚で寒いと感じるくらいでも
ちょうどいいといえるでしょう。
今日からできる気温差対策3選
ここからは、簡単に実行できる
気温差対策を3つご紹介します。
エアコンの利用
冬の場合は、だいたい20~23℃を目安に、
室温を一定に保ちましょう。
温めすぎてしまうと外気との差が激しくなり、
寒暖差を感じやすくなります。(※8)
また、汗をかきすぎて脱水症状を起こすと、
乾燥の原因に。
冬場の乾燥は肌トラブルを引き起こすだけでなく、
ウイルスが活発化する原因にもなります。
湿度は50~60%を目安に、加湿器なども併用して、
きちんと保ちましょう。(※9)
外出時は子どもの背中をチェック
乳幼児は成人よりも体温が高く、
新陳代謝が活発で汗をかきやすい特徴があります。
とくに、汗腺の多い背中は、
肌トラブルを防ぐためにこまめにチェックしましょう。
汗をかいたまま放置すると、あせもやかぶれなどの
肌トラブルを引き起こす可能性があります。
また、汗が残ることでからだを
冷やしてしまうこともあるため、注意が必要です。
汗を吸収しやすい綿などの素材の肌着を選び、
熱がこもらないようにしましょう。
また、重ね着しすぎないように心がけてください。
汗をきちんと拭き取ったあと、
汗のかき具合によっては
こまめに着替えさせることも大切です。
免疫力を上げる生活習慣
規則正しい生活を心がけることで、
免疫力を上げ、寒暖差による体調不良を
起こさないように対策しましょう。
まずは、十分な睡眠です。
睡眠時間の目安は、年齢によっても異なります。
生後3か月までは約14~17時間、
4か月から1歳2か月までは約12~15時間。
そして、1歳3か月から3歳までは約11~14時間、
4~5歳は約10~13時間といわれています。(※10)
小学校入学以降のことも考えて、昼寝は適度にして、
夜間にきちんと寝かせてあげましょう。
忙しい大人の気温差対策には漢方薬もおすすめ
大人も乳幼児と同様に、寒暖差によって
体調に不調をきたすこともあります。
そのため、大人の気温差対策には、
漢方薬の使用もおすすめです。
漢方薬の基本理念は、心とからだのバランスを整え、
不調を根本から改善すること。
日中の温度差が激しい今の季節、
寒暖差による体調不良を予防するのにも最適です。
また、漢方薬は植物や鉱物といった
自然由来の生薬をもとに構成されていて、
一般的に西洋薬よりも
副作用リスクが低いといわれています。
生活習慣を大幅に変更しなくても、
漢方薬は飲むだけで済むので、
気軽に試せるのもメリットでしょう。
冬の気温差対策には、
「自律神経のバランスを整える」
「血行をよくする」
「からだを温めて免疫力を上げる」
「胃腸の働きを高め、心とからだを元気にする」
といった作用を持つ生薬を含む
漢方薬を使用しましょう。
冬の気温差対策におすすめの漢方薬
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
栄養を補いながら血行をよくしてからだを温めます。
水分代謝を整えてむくみにも働きかけます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを助けて疲労を回復し、
食欲増進や体力増強にも働きかけます。
ただし、授乳中のからだはとてもデリケートです。
赤ちゃんへの影響が大きい時期なので、
どんな薬を服用する場合でも
必ずかかりつけの医師や薬剤師に
相談することが大切です。
漢方薬は自分の状態や体質に合っていないと
効果を感じられないだけでなく、
場合によっては思わぬ副作用が生じることもあります。
また、産前産後のようにからだがデリケートな時期には
服用できない生薬もあります。
そのため、「あんしん漢方」などの
オンライン漢方サービスに
一度相談してみるのがおすすめです。
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寒暖差の影響を受けやすい乳幼児には適切な対策を
乳幼児は体温調節機能がまだ未熟で、
大人よりも寒暖差の影響を受けます。
室温は20~23℃くらい、湿度は50~60%を目安に、
エアコンや加湿器を使用し、一定に保ちましょう。
汗をかいたらこまめに着替えさせる、
免疫力を上げるために十分な睡眠をとる
といったことを心がけ、
寒暖差に対処していきましょう。
<参考サイト>
(※1)赤ちゃんの手足が冷たいのに汗をかいている…室温の目安は?【医師が回答】|Kao Merries
(※2)季節の変わり目に気をつけたい赤ちゃんの体調管理|stemcell
(※3)寒暖差に注意! | くぼた小児科クリニック松戸五香 | 千葉県松戸市五香駅近くの小児科
(※4)赤ちゃんから小児期の咳。注意したいポイントは? – 東京御嶽山呼吸器内科・内科クリニック
(※5)(※8)(1) 衛生管理 ア)施設内外の衛生管理 ○保育室|厚生労働省
(※6)赤ちゃんの部屋の温度・湿度の目安は?暑さや寒さを感じているサイン | ベビーケア | 妊娠・育児のお役立ちコラム | 無添加せっけんとハーブのアラウ
(※7)赤ちゃんは何度の熱なら受診?微熱・高熱の目安【医師が回答】|スマイル子育てラボ|花王 メリーズ
(※9)部屋の適正な湿度は40~60%!カビや結露、乾燥で悩まない快適な部屋探しのポイント!部屋の湿度を上げる方法・下げる方法もご紹介 | 住まいのお役立ち記事
(※10)赤ちゃんの睡眠時間って、どのくらいが適切なの?|たまひよ
<この記事の監修者>
山形 ゆかり(やまがたゆかり)
あんしん漢方薬剤師
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニューも開発。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。