不妊治療中、気持ちが沈む日があってもいい

顔を手で覆う女性

不妊治療中、気持ちが沈む日があってもいい

 

うつむく女性

 

不妊治療をしていると、

気持ちが沈んでしまうことがあります。

生理が来て落ち込んだり、

周囲の妊娠・出産を素直に喜べなかったり、

治療そのものに疲れてしまったり。

 

「こんなふうに思ってしまう私は、子どもが欲しくないのかな」

「もっと前向きに頑張らなければいけないのではないか」

そんなふうに、自分を責めてしまう方も

いるのではないでしょうか。

私自身も、不妊治療中に何度も気持ちが揺れました。

 

 

不妊治療中は、心が揺れやすい

 

私が不妊治療をしていた頃は、

フルタイムで仕事をしながら通院していました。

治療のために仕事を調整し、職場にはできるだけ

治療していることを悟られないようにする。

治療費のことも考えなければならない。

「妊活には今の仕事が良くないと分かっている。でも、これからまだ治療費がかかるから、簡単に辞めることもできない」

そんな八方塞がりの状態になっていました。

 

仕事、病院、治療費、家庭、

パートナーシップ、これからの人生。

不妊治療をしていると、

治療だけを考えていればよいわけではなく、

さまざまなことを同時に考えなければなりません。

さらに、「時間がない」

「早く決めなければ」という焦りもあります。

 

私自身、仕事と治療に追われる中で、

採卵を繰り返してもうまくいかない状況が

続いたときには、

「何をどうしたらいいのか分からない」と

感じるようになりました。

 

思考が止まったというより、思考をわざと止めて、

何も考えないことで心を守った時期もあります。

今振り返ると、それだけいろいろなことを

抱えていたのだと思います。

 

 

「妊娠したい」と「妊娠するのが怖い」は同時にあっていい

 

もう一つ、私自身が驚いた経験があります。

 

あるとき、生理が来たことで悲しい気持ちになる一方で

「少しホッとした」と感じたのです。

「妊娠したい」と願って治療しているのに、

なぜホッとするのだろう。

「本当は子どもが欲しくないのかな」

「こんなことを思う私はおかしいのではないか」

そんなふうに、自分を責めていました。

 

悩む

 

でも今は、「子どもが欲しい」という気持ちと、

「妊娠することへの不安や怖さ」は、

同時にあっていいのだと思っています。

 

妊娠すれば、仕事やキャリア、自分の時間、

夫との関係など、これまでの生活は大きく変わります。

「子どもが欲しい。でも、今の人生も大切にしたい」

そんな気持ちが出てくるのは、

決しておかしなことではありません。

人の気持ちは、いつも一つに

決められるものではないのだと思います。

 

 

気持ちが沈んだときは、自分を責めない

 

不妊治療中は、「できることは全部やらなければ」と

頑張りすぎてしまうこともあります。

 

私も、妊活に良いと言われることを

いろいろ試した時期がありました。

けれど、仕事と治療ですでに忙しい中に、

新しいことを次々と加えていくと

最初は頑張れても、だんだん息切れしてしまいます。

 

そこで私は、「少しずつ」「無理はしない」

ということを意識するようになりました。

妊活に対しても、仕事に対しても、

すべてを完璧にこなすことは難しい。

時には自分に求めるものを少し緩めることも、

とても大切だと感じています。

 

気持ちが沈んでいる日は、

無理に前向きにならなくてもいい。

「今日はつらいな」と感じたら、

その気持ちをそのまま認めてあげる。

そして、いつも頑張っている自分に

ちょっとご褒美もしてみたり。

実際に私自身も、

好きなカフェイン入り紅茶を思いっきり飲んだり、

お菓子を食べたりもしていました。

 

ホームパーティー

 

健康を意識していないわけではないけれど、

つらい時には自分も大事にする。

そんな日があってもいいのではないかなと思います。

 

 

つらいときは、自分の心を守る

 

不妊治療中は、周囲の妊娠や出産が

つらく感じることもあります。

 

私自身、職場に同僚が子どもを連れてきたとき、

無理に笑顔を作って「かわいいですね」と言いながら、

涙をこらえていたことがありました。

頭では、「育児をしている人も大変なのだ」と

分かっています。

それでも「自分だって本当はそうなるはずだったのに」

と、さまざまな気持ちが湧いてくることがありました。

 

そんなときは、無理にその場に

居続けなくてもいいと思います。

トイレに行ったり、少しその場を離れたり、

最低限の対応だけにしたり。

ずっと笑顔でいる必要はありません。

自分の心を守るために、

その場から少し距離を取ることも大切です。

 

 

一人で抱え込まず、誰かに話してみる

 

相談する

 

不妊治療中、つらさが大きくなると、

自分が本当は何に苦しんでいるのか

分からなくなることがあります。

「妊娠できないことがつらい」と思っていても、

その奥には、仕事との両立やお金、

パートナーとの関係、これからの人生への不安など、

別の悩みが隠れているかもしれません。

私自身、苦しさの中で

思考が止まってしまった経験があるからこそ、

一人で考え続けなくてもいいのだと思っています。

 

私は現在、

不妊ピア・カウンセリングの活動をしていますが、

相談者さんとお話をしていると、安心して話しながら

少しずつ整理していく中で、「本当はこうしたい」という

言葉がその方自身から出てくることがあります。

私は、その方を「救っている」

という感覚ではありません。

苦しさの中で使えなくなっていた、

自分の感覚や本当の気持ち、自分で選ぶ力を

少しずつ取り戻していく。

その過程を一緒に歩くことが

支援なのだと思っています。

 

もし、気持ちの落ち込みや不安が続いている、

日常生活に支障が出ているなど、

「一人では抱えきれない」と感じるときには、

医療機関の相談窓口やカウンセラーなど、

専門家に相談してみることも一つの方法です。

誰かに話すことは、

自分では何もできないということではありません。

自分自身の気持ちを整理し、

自分を取り戻していくために、

人の力を借りてもいいのだと思います。

 

 

おわりに

 

黄色の花

 

不妊治療中は、

いつも前向きでいられるわけではありません。

 

「妊娠したい」と思いながら、

疲れてしまうこともある。

周囲の妊娠や出産を素直に喜べない日もある。

何も考えたくない日だってある。

でも、それは治療に対する気持ちが

弱いからではありません。

それだけたくさんのことを抱えながら、

頑張っているからこそ、

心が揺れることもあるのだと思います。

 

だから、気持ちが沈む日があってもいい。

そんな日は、無理に前向きになろうとせず、

少し立ち止まって、

自分の心を休ませてあげてください。

そして、必要なときには一人で抱え込まず、

誰かの力も借りてください。

「少しずつ」「無理はしない」。

それくらいのペースで、自分自身を大切にしながら、

不妊治療の時間を過ごしていただけたらと思います。

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