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【体験談】男性の不妊治療における思い

チューリップとハート

このコラムを読んでいる多くの方は、

「妊活や不妊治療はカップルで行なうもの」という

イメージをすでにお持ちだと思います。

それは、一人目を望んでいるカップルであっても

二人目、三人目を望んでいるカップルも同じです。

 

しかし実際に不妊治療を行なってみると、

不妊の原因が男性側にあった場合も

不妊の原因が男女ともになかった場合も

もちろん、女性に原因があった場合も

治療を施される対象は女性になります。

 

なので、パートナーで精神的、身体的な負担は

一緒というわけにはいかないケースも多いのです。

 

 

体験1:男性不妊原因の手術への気持ち

 

私にもパートナーにも特にこれといった疾病や原因が

見当たらない状況でした。

 

不妊治療をスタートして3年。

タイミング療法から人工授精、体外受精と

一気に進めた私は、通院と仕事の時間調整が大変で

ホルモン薬剤によるお腹の張りや

めまいなどの体調不良、結果のでない辛さから

治療に向き合う気持ちがなくなり、

通院にも疲れていました。

 

しかし、3年を過ぎた時。

私たちは「男性不妊専門泌尿器科医」という存在を知り

早速パートナーが検査を受けました。

検査の結果、「精索静脈瘤」が見つかりました。

 

男性医師

 

男性不妊専門ではない不妊治療専門クリニックで

幾度となく精液検査をしていましたが、

WHOデータのギリギリ範囲内だったり、

数値が若干悪いこともありましたが、

「まぁ、そこまで気にしなくてもいいレベルでしょう」

とのことで、薬や生活指導などはありませんでした。

実際には疾病として治療できることがあったのです。

 

しかし、パートナーの気持ちを考えると

どのように声をかけていいかわかりませんでした。

 

ところが、当の本人は初診での診断にも関わらず、

迷うことなく除去手術をその場で予約。

そして、

「俺にもできることがあったから、少しホッとしたよ。女性ばかりが痛い思いをしているのをみていたから、何もできない自分が嫌だった」

と、さらっと言ってくれました。

 

男性の精索静脈瘤除去手術は、

日帰りでできるものではあるのですが、

痛いだろうし、怖いだろうと思っていたのです。

パートナーからそんな言葉をもらって、

ありがたい気持ちになったのを今でも覚えています。

 

パートナーは不妊治療について

多くを語ることはなかったのですが、

このとき本心を聞けたような気がしました。

 

その後は、

「私はこうしたいと思うけど、あなたはどう思う?」など

積極的にパートナーの気持ちを聞くようになりました。

 

手術は思ったより怖かった、痛かったと

疲れた様子で帰宅しましたが、

その後、精子の所見も良くなり

手術をしてよかったね!と二人で話をしました。

 

男性に治療をするケースが少ないとはいえ、

正しい情報を得ることがいかに大切か

私たちは痛感しました。

 

体験2:結果に一喜一憂しない声かけ

 

他のカップルの例もご紹介しましょう。

 

男性(以降Aさん)カップルは、

30前半で妊活をスタートする時に

半年から1年くらいで授からない場合は

病院に行ってみようという話をしていたそうです。

 

Aさんは男性にも不妊の原因があることを

なんとなく知っていたので、

病院に行くことに抵抗はありませんでした。

検査の結果、男性側にも女性側にも

特に明確な原因はなかったそうです。

 

精子の検査については、多少抵抗を感じましたが、

実際に動いている精子の様子を見たり、

データで細かく把握できたことに感動したそうです。

 

Aさん自身は不妊治療のことも調べていて、

女性側に負担が大きい治療であることを知っていたので

普段のコミュニケーションに気を配りました。

 

たとえば、二人の会話中で

「いつまでに子どもが欲しい」など

具体的なゴールについては、

あえて話題にはしないようにしました。

 

また、判定日の時には

その結果に一喜一憂しないように心がけました。

さらに、日頃からこまめに

  • クリニックの待ち時間が長い
  • 費用が高い

など、お互いの悩みを普段の会話の中で

やり取りしていました。

 

話し合う男女

 

Aさんは、身体的に負担の大きいパートナーに

寄り添って過ごそうと心がけていました。

  • 可能な限りパートナーの通院に付き添う
  • 食事に気を使う
  • 体が温まる生姜湯を作る
  • 一緒にスポーツジムで運動する

 

体外受精で着床しなかった時には、

「まぁ、確率だからね」と一喜一憂せず、

次の治療の話をしていました。

 

Aさん自身、早く妊娠という結果が欲しいなと

感じていたそうですが、

自分の気持ちを少し横に置いて

パートナーの気持ちに寄り添っていたと言います。

 

Aさんカップルは、

一人目、二人目のお子さんを体外受精で授かり、

凍結胚移植により三人目を授かりました。

 

個人差はありますが、Aさんは

  • 早めに家族計画を立てること
  • 授からなかった場合の行動についてもあらかじめお互いの気持ちをすり合わせていたこと

がよかったと話してくれました。

 

 

パートナーとのコミュニケーションについて

 

男性、女性のどちらに不妊の原因となる

疾病があったとしても、どちらにもなかったとしても、

お互いの気持ちを理解しようとすることが

大切なのだろうと思います。

 

それでも、日々の仕事や家事などで忙しかったり、

疲れていたりすると、感情的になってしまい、

お互いを思いやることができない時もあります。

 

そんな時は、友だちや同僚、

そして全く関係性がない第三者に

話をしてみることをお勧めします。

 

ピンク色の花

 

  • クリニックにいる心理士さんや看護師さんへの相談
  • 自治体での無料相談

などを利用すると良いと思います。

名前を伝える必要もなく、

電話などで夜の時間帯に相談できる窓口があります。

 

Fineが実施している通話相談や

自治体で相談員をしている通話相談では、

男性からの相談も増えています。

相談内容はご自身の男性不妊のこともありますが、

実はつらそうなパートナーを見ていて

どんな声掛けをしたらいいのか

という相談も多いのです。

 

男性も女性も、一人で抱えることなく、

  • カップル同士で話をする機会
  • 第三者に聞いてもらう機会

があることを覚えておいてくださいね。

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