【体験談】2人目不妊治療と仕事の両立

カラフルな時計

「2人目不妊、3人目不妊・・・」

という言葉をご存じでしょうか?

 

同じ「不妊」の状態であっても、「1人目不妊」と

「2人目不妊」や「3人目不妊」では、

状況も悩みも違います。

 

今回は2人目不妊の悩みについて

体験談を交えてお伝えします。

 

 

1人目不妊と2人目不妊の違い

 

芝生に座る親子_後ろ姿

 

1人目不妊は、まだお子さんがいない状況で

子どもを望んでいるがなかなか授からないという状態です。

 

2人目不妊は、不妊経験や不妊治療の有無には関係なく、

お子さんは1人以上いて2人以上を望んでいるが

なかなか授からないという状態です。

 

1人目不妊の方は、なかなか子どもを授からない中で

治療や生活全般の改善など、さまざまな努力しているのに

妊娠することができず、その期間が長くなってくると

「子どもを見るのがつらい」

「妊婦さんを見たくない」

といった気持ちを持ってしまうこともあります。

 

2人目不妊の方に対して

「もう子どもが1人いるんだからいいじゃない」

「贅沢な悩みだ」

という感情が溢れてしまうこともあります。

 

一方で、2人目不妊の方は、既にお子さんが

いらっしゃることで「不妊」という状況が

外見からでは分かりづらく、周囲から

「1人っ子はかわいそうだよ」

「今度は男の子(女の子)がいいね」

「〇歳差がいいらしいよ」

など、妊娠出産について配慮のない言葉を

投げかけられることも多くあります。

 

また、ママ友が妊娠していく度に

「〇〇さんは2人目は作らないの?」

「今妊娠したら、うちとまた同級生だよ」

などと言われて、

グループにいづらくなってしまうこともあります。

 

すでに1人以上子どもがいるので

  • 1人目不妊で悩んでいる人とは違う
  • 2人目を授かった人には気持ちをわかってもらえない
  • 選択して1人っ子を決めた人とも分かり合えない

と悩んでいることを打ち明けられず、

身も心も居場所がないという方が多くいます。

 

 

2人目不妊特有の精神的負担

 

夕日の海辺を歩く親子

 

2人目不妊の相談では

「もう、1人子どもがいるのに、これ以上望むのは贅沢なのかなって思うんです」

「1人目不妊の方に比べたら私の悩み何て大したことないんですが」

とおっしゃる方が多いです。

 

でも、

「子どもに妹弟を作ってあげたい」

「1人産んだらかわいくてもう1人欲しくなった」

など2人目を望むことは自然なことであり、

贅沢なことでも悪いことでもありません。

 

そして、子どもを望んでも思うように授かれず

辛いという気持ちは1人目不妊の方も

2人目不妊の方も同じです。

 

ですから、2人目を望む気持ちを否定したり、

罪悪感を感じたりしないようにしてほしいなと思います。

 

 

2人目不妊と仕事の両立

 

泣く子ども

 

不妊治療の課題として、

「不妊治療と仕事の両立」が挙げられます。

 

不規則な通院と仕事の両立は難しいと感じる方が多く、

中には仕事を辞めて治療に取り組む方もいます。

 

私自身、2人目を望んだ時には通院治療を行ないました。

1人目も仕事をしながら不妊治療の通院を経験し、

仕事とのスケジュール調整に悩んだことがありましたが、

そこに育児が加わり、負担は更に大きくなりました。

 

不妊治療に育児、家事、仕事の全てをこなすのは、

パートナーの力を借りたとしても限界がありました。

 

私は、職場の人や周囲に不妊治療について話をして、

一定の理解を得ることができました。

 

それでも、上の子どもの行事で会社を休んだり、

子どもの急な体調不良で突然仕事を休んだり

早退することもある上に、2人目不妊治療の通院のために

お休みや早退をとることになり、

1人目の不妊治療以上に職場での肩身の狭さを感じました。

実際、同僚に「また?」と言われたこともあります。

 

私の場合は、上の子どもは保育園に通っていたため、

子どもと一緒に不妊治療クリニックに行かなくてはならない

ということはありませんでした。

 

しかし、子どもが体調を崩した時には

保育園に預けることができず、

結局、不妊治療自体を中断せざるを得ない時が

何回かありました。

 

上のお子さんが保育園や幼稚園に通っていない場合には、

不妊治療の不規則で頻繁な通院が必要なのに

お子さんの預け先も調整しづらく、

とても負担が大きいという声が多く届いています。

 

託児やプレイルームなどがあるクリニックや

子連れOKのクリニックを探すなど、

病院選びの選択肢が限定されてしまうこともあります。

 

 

社会、職場に望むこと

 

喜び跳ねる5人の男女

 

最近では少しずつですが、妊活休暇のような制度を

整備している企業も増えています。

 

ですが、当事者からは

「上司や人事に不妊だと知られるので取りたくない」

「制度を使っても授からなかったときに会社に居づらくなるのではないか、と思ってしまう」

「期間が区切られているので、プレッシャー」

と言った相談も多いのが現状です。

 

また、2人目不妊の場合は、すでに子どもがいることで、

周囲からの子どもに関する無遠慮な言葉がけが

当事者にとって負担になったり、

辛く感じたりすることがあります。

 

私は「高齢でこれ以上望むの?胎児も何かある可能性だって高いよ?」

と言われことがあります。

もちろん自分でも理解して治療に取り組んでいましたが、

大きな不安と不快感を覚えました。

 

特に2人目不妊の場合は、すでにお子さんがいるために

不妊治療をしているということが

想像しにくいということもあるでしょう。

 

しかし、人にはそれぞれ事情があり、

不妊に関わらず何かしら問題や課題を抱えているものです。

 

2人目不妊という言葉を聞いたことがない方がいらっしゃるとすれば、

この機会に知ってほしいと思います。

知ることで相手の状況や状態を想像することができますし、

配慮のない言葉かげの防止にもつながると感じています。

 

1人目不妊でも2人目不妊であっても、

当事者にとっては取得しやすい制度設計が求められます。

 

例えば、制度のネーミングも大きな要因です。

「不妊治療休暇」という

ストレートな名称だとしたらどう感じますか?

周囲に不妊治療のことを伝えていなかったら、

使いにくい制度になってしまいます。

 

さらに、風土情勢のスタートは正しい情報を得ることです。

企業研修や管理職研修などで

不妊に関わる正しい情報を得る機会を

企業の中で作ってほしいと思います。

 

正しい情報を得ることで、子どもの有無や数、性別について

周囲があれこれ詮索することの

リスクを知ってもらえるでしょう。

 

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