突然脚がつる「こむら返り」。
とくに、妊娠中には
こむら返りが起こりやすいといわれます。
今回は、
こむら返りがなぜ起こるのかというメカニズムや
妊娠中にこむら返りが多い理由、
そしてこむら返りの対策について解説します。
こむら返りとは
こむら返りとは、ふくらはぎに起こる筋肉の痙攣です。
運動中や運動後、就寝中に起こりやすく、
激痛に見舞われますが、
多くの場合、痛みは数分で収まります。
いわゆる「足がつった」状態のことを指します。
こむら返りが起こる主な原因は、
ミネラル不足、冷えによる筋肉の緊張、
運動不足、加齢などです。
通常、私たちは意志的に筋肉の伸び縮みを
コントロールしています。
しかし、前述の原因によりこむら返りが起こると、
意志とは関係なく筋肉が強く収縮してしまい、
激しい痛みを伴います。
妊娠中に起こりやすい理由
妊娠中の女性にこむら返りが起こりやすいと
いわれる理由は、先ほど挙げた原因に関係があります。
妊娠期間は、ミネラルが不足しがちな状態です。
胎児に栄養を与えることや、血液量の増加で、
血中のミネラルバランスが崩れます。
また、妊娠中は運動不足に陥りがちなことも、
こむら返りの原因になります。
つらいこむら返りにできる対策
こむら返りが頻繁に起こる場合、
今まで解説した理由以外の原因も考えられます。
糖尿病や神経の病気など、
大きな病気が関連している場合もあるので、
異常を感じる場合は、なるべく早いうちに
医療機関を受診してください。
もし重大な原因がない場合は、
セルフケアでこむら返りに対処していきましょう。
簡単に始められる対策方法を2つご紹介します。
血行促進・筋肉の疲労改善
血行不良を解消し、筋肉の疲労を回復することで、
こむら返りの原因をとり払いましょう。
おすすめは足湯です。
脚だけでなく全身が温まり、
血行促進や筋肉の凝りをほぐせます。
心臓や内臓への負担も少ないのが特徴です。
また、ふくらはぎのストレッチも行いましょう。
立って行うストレッチをご紹介します。
- 直立し、壁に両手をつける
- 左足を後方へ引き、かかとを床につける
- そのまま左のひざを伸ばす
- 重心を前方に少し倒す
- 左足のふくらはぎを伸ばすことを意識して15～30秒キープ
右足も同じように行い、2セットずつ、計4セット行いましょう。
ミネラルの摂取
こむら返りの予防にはミネラルの摂取が重要です。
筋肉の収縮・神経の伝達に関わる
カリウム、カルシウム、
調整役として重要なマグネシウム
をきちんと摂取しましょう。
とくに重要なマグネシウムは
玄米、アーモンド、落花生、干しエビ、豆腐、納豆
などに含まれます。
偏った食事はせず、摂取バランスを意識しましょう。
成人～40代までの女性のマグネシウムの
推定平均必要量は230～240mg/日、
推奨量は270～290mg/日（※1）です。
妊婦の場合さらに必要量、推奨量が
30～40mg多く必要（※2）なので、
適切な摂取が重要です。
こむら返りには漢方薬での対策も
こむら返りの対策には漢方薬もおすすめです。
漢方は対処療法ではなく、
根本からの改善をめざします。
繰り返す痛みの悩みには最適です。
漢方薬でこむら返りに対処する場合、
「血流や水分を循環をよくして、筋肉の緊張を和らげる」
「筋肉に酸素や栄養を届けて疲労を回復する」
「胃腸の働きを高めミネラルバランスを整える」
といった漢方薬を使用しましょう。
こむら返りの対策におすすめの漢方薬
芍薬甘草湯（しゃくやくかんぞうとう）
筋肉の緊張を和らげ、痙攣や、痛みに働きかけます。
疎経活血湯（そけいかっけつとう）
滞った血液の流れを整え筋肉に栄養を届けることで、
筋肉の痛みやしびれを軽減します。
ただし、授乳中のからだはとてもデリケートです。
赤ちゃんへの影響が大きい時期のため、
服用できない種類のものもあります。
どんな薬を服用する場合でも
必ずかかりつけの医師に相談することが大切です。
また、漢方薬は、自分の状態や体質に
うまく合っていないと、
効果を感じられないだけでなく、
場合によっては副作用が生じることもあります。
そのため、「あんしん漢方」などの
オンライン漢方サービスに、
一度相談してみるのがおすすめです。
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生活習慣に気を配りこむら返りを予防しましょう
ふくらはぎの筋肉の痙攣である「こむら返り」は、
ミネラル不足、冷えによる筋肉の緊張、
運動不足などが原因で、
妊娠期間によく起こることでも知られます。
血行促進、筋肉の疲労回復、ミネラルの摂取など、
普段の生活から気を配り、
こむら返りを予防しましょう。
【参考文献】
（※1）（※2）厚生労働省「日本人の食事摂取基準（2020年版）」
＜この記事の監修者＞
山形 ゆかり（やまがたゆかり）
あんしん漢方薬剤師
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニューも開発。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。
