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妊娠中の身体の変化と日常生活での身体の使い方

床に座る妊婦

妊婦さんの身体は、目に見える部分も

見えない部分も大きな変化を遂げます。

 

変化に伴って起こる不快症状(マイナートラブル)を

少しでも緩和するため、

無理せず、身体を上手に使う方法を確認しましょう。

 

 

お腹の赤ちゃんの変化

 

初期(妊娠4ヶ月/15週まで)

0.1mm程度の受精卵から成長が始まります。

月経の遅れから妊娠に気づく頃には、

大きさは1cmを超えて2頭身の姿になり、

心臓の拍動も開始します。

 

母子手帳が交付される3ヶ月頃には、

10gくらいの大きさとなり、内臓の基礎も完成。

 

4ヶ月頃になると、赤ちゃんの成長に必要な酸素や栄養が、

ママの胎盤からへその緒を通って

赤ちゃん側に送られるようになります。

その頃には、骨や筋肉も発達して、手足もよく動かします。

体重は100gを超えるくらいになり、

身長も10cmを超えてきます。

 

中期(妊娠5〜7ヶ月/16週から27週まで)

4頭身になり、徐々に超音波写真に

全身が収まらなくなってくる頃です。

子宮の中にまだスペースがある分、活発に動き回るので、

ぐるんと大きく動いて、

ママが胎動として認識できるようになってきます。

 

身体の重要な器官はほぼ作り終わって、

外性器もはっきりしてくるので男女の確認もできます。

聴覚も発達してきて、

ママの声や心音も伝わるようになります。

 

5ヶ月では身長は20〜25cm、体重150〜250gでしたが、

7ヶ月には身長35cm、体重は1000gくらいに成長します。

 

後期(妊娠8〜10ヶ月/28週以降)

8ヶ月に入ると、横隔膜を上下させる呼吸様運動を

盛んに行うようになりますが、

まだまだ未熟な状態なので、

ママのお腹の中で育つ必要があります。

 

だんだんと皮下脂肪が増えて肌に張りも出てくるので、

目鼻立ちもはっきりしてきて、

超音波写真でもママ似、パパ似と感じることもあるかも。

髪の毛や爪も長くなってきます。

 

10ヶ月頃には、各器官が成熟し、

いつ生まれても大丈夫なくらいになります。

ママが感じる胎動は少なくなりますが、

手足を動かしたり、身体をひねったりしています。

平均では身長47〜50cm、

体重2500〜3500gまで育ち、生まれてきます。

 

 

妊娠によるママの身体の変化

 

赤ちゃんが30週かけて約1500gに育ち、

その後10週でさらに1500gぐらい大きくなるので、

ママの身体の中も様々な変化を遂げています。

負担も一気に増え、外見的な変化が大きくなります。

 

身体の中の変化

赤ちゃんが育つお部屋である子宮は、

妊娠していない時にはニワトリの卵くらいの大きさで、

重さは50〜60g程度です。

 

しかし、臨月の頃には30cmを超えるほどの大きさになり、

重さは1㎏になります。

 

変化は子宮だけに留まりません。

急激に子宮が大きくなると、

妊娠線という皮膚トラブルを招くことがあります。

 

消化器系では、初期にはつわりにより

食欲が落ちる人が多くいます。

ホルモンの作用によって胃腸の動きの低下がみられ、

便秘やお腹が張るといった症状がみられる方もいます。

 

加えて、循環器系では

妊娠前よりも血液の量が増えることで、

心臓への負担が大きくなります。

胎児に鉄分が多く吸収されることも原因となって、

ママは貧血になりやすい状態になります。

 

さらに、呼吸器系の変化では、

日々大きくなる子宮によって、

周りの内臓が圧迫され、横隔膜の圧迫により

息苦しさを感じることもあります。

 

膀胱が圧迫されることでトイレが近くなったり、

尿もれといったマイナートラブルが

起こったりする人もいます。

 

また産後に母乳が分泌される乳房も、

妊娠中からそのための準備が始まります。

 

乳房が張る、大きくなるという変化と共に、

乳輪や乳頭が少し黒ずんでくる色素沈着や、

少量の乳汁の分泌が認められる人もいます。

 

姿勢の変化と骨盤の変化

前述のとおり、お腹の赤ちゃんの成長に合わせて、

子宮が大きく重くなっていくことで、

お腹が前方向に突き出ていきます。

 

すると、徐々に身体の重心が後ろ側に移り、

腰が反りやすい姿勢になります。

 

また、妊娠初期の段階から、

骨格を支える靱帯がホルモンの影響で柔らかくなり、

身体を支える力が弱くなります。

 

身体のバランスが良いと、支える力が弱くなっても

痛みや違和感を覚えることは少ないですが、

身体のバランスが不安定だと、

腰や恥骨の痛みが起きやすくなります。

 

さらに身体を支える力が弱くなると、

背骨がぐらぐらと不安定な状態になるため、

その周りの筋肉が頑張って支えようとして、

背中や腰、おしりなどの痛み・こりに繋がることも。

 

加えて、骨盤の内側のゆるみから

底にある筋肉が引き伸ばされるため、

内臓が下がり、尿もれや頻尿、お腹の張りに

つながることもあります。

 

 

妊娠中の身体の使い方、生活の仕方

 

以上のように、身体を支える力が弱く、

全身のバランスが取りづらくなっている妊娠期は、

日常の何気ない動作でも身体に負担がかかるため、

腰痛や恥骨部痛や様々なマイナートラブルに

つながることがあります。

 

ママ自身の身体を守ることは、

お腹の赤ちゃんを守ることにもなりますので、

負担の少ない身体の使い方を意識してみましょう。

 

座り方

左右両方のおしりに均等に体重をかけて、

骨盤が立つように座りましょう。

 

おしりの下の空間にクッションやタオルなどを入れて、

骨盤を立てるようにしましょう。

 

ラクな座り方

 

横座り(片側のおしりにのみ体重がかかる)や

ぺったん座り(骨盤が末広がりになる)は、

できれば避けて、

上記のイラストのような座り方になるように

意識してみましょう。

 

寝ころび方、起き方

子宮がどんどん大きくなるにしたがって、

腹筋が真ん中から左右に割れるため、

お腹に力を入れにくい状態になり、

動き方によっては骨盤周囲への負担が大きくなってきます。

 

そのため、お腹と骨盤周りを守れる寝方、

起き方を習慣づけていきましょう。

ラクな寝転び方

 

ラクな起き方

 

寝方(寝る時の姿勢)

寝ているときは、イラストのように

クッションや座布団、枕等を利用して

それらに身体を預けて力を抜きましょう。

 

ラクな寝方、寝る姿勢

 

 

まとめ

 

妊娠したママの身体はとてもデリケートな状態で、

変化が起こりやすく、

ちょっとした日常動作が不調を招くことがあります。

 

日々の生活の中で、自分自身の身体を大切に、

上手に使い、日常生活の動作から自身の身体を整えて

気持ち良い生活が送れるように心がけていきましょう。

 

【引用】吉田敦子・杉上貴子『新版 おなかにいるときからはじめるべびぃケア』  イラスト:ごとうゆき

 


■プロフィール

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認定NPO法人はっぴぃmama応援団
「ママの笑顔を応援したい!」という思いを持って、助産師・看護師などの専門職や保育士・アロマやヨガの講師・先輩ママなどと供に、親とよいこのサポートステーション『はっぴぃmamaはうす』を運営しています。

 

 

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