妊娠中に知っておきたい産褥期の変化と産後の生活【NPO法人はっぴぃmama】

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産後の身体と心の変化や赤ちゃんの生活リズムを知ることで、

妊娠中の過ごし方や生活スタイル、部屋の準備など、産後の生活をイメージしてみましょう。

 

 

 産褥期(さんじょくき)とは

 

妊娠・出産に伴って起こった身体の変化が、徐々に妊娠前に戻っていく時期のことで、

産後6~8週間頃のことをいいます。

 

産褥期は、身体の回復のために安静に過ごすことが必要と言われています。

この時期に無理をすると産後の回復が遅れるだけでなく、その後の生活に支障をきたすこともあります。

しかし出産直後から、赤ちゃんのお世話もはじまりますので、

いろんな人の手も借りて、安静と活動のバランスを考えながら、無理せずに過ごしていきましょう。

 

 

産褥期のママの身体と心の変化

 

産褥期は産後の身体が、妊娠前に戻るまでのことをさしますが、

この頃のママの身体は、出産のダメージから

「交通事故にあったようだ」と表現される時期でもあります。

 

そこで、まずこの時期は身体の回復を最優先させましょう!!

出産後は、経膣分娩なら5~6日、帝王切開なら7~10日くらいの入院期間が設けられます。

この時期は、産後のダメージが大きく身体に負担が大きい時期なので、

入院中は安静にして身体の回復に努めます。

 

しかし、身体の回復がしっかりしないうちから母児同室で赤ちゃんと部屋が一緒になり、

昼夜を問わず授乳やおむつ交換などの赤ちゃんのお世話もはじまります。

赤ちゃんが眠っている時は、ママも一緒に寝てしまいましょう。

 

小指結び_親子

 

入院中から赤ちゃんのお世話をし、同じペースで生活することは、

ママが休息のタイミングを知ることができたり、

退院後の生活をイメージして過ごしたりすることができます。

しかし、はじめての赤ちゃんのお世話の場合、

戸惑ったり、不安になったり、やっていけるのだろうかなど、

気持ちが大きく揺れることも少なくありません。

 

特に入院中は、出産のダメージから身体が思うように動かすことができなかったり、

痛みがあったりなど、身体の不調によって、精神的にも大きな影響を及ぼすこともあります。

まずは身体の回復を優先させてゆったりと過ごしましょう。

 

 

産褥期には、こんなことが起こります

 

子宮復古(しきゅうふっこ)

 

妊娠中に大きくなった子宮が、分娩後6~8週間くらいかけて

徐々に妊娠前の状態に戻っていく現象ののことをいいます。

 

子宮は、赤ちゃんを出産した後に子宮自体が元に戻ろうと収縮することと

赤ちゃんに母乳を与えることで回復が促進されます。

この収縮は後陣痛と呼ばれ、胎盤が剥がれた部分を圧迫し止血する役割があります。

 

出産後に排出される子宮の内膜や分泌物を悪露(おろ)と呼びます。

悪露は血液とリンパ液に脱落した細胞の粘液などが混ざったもので、月経によく似ています。

出産直後は鮮やかな赤色の出血が多いですが、徐々に褐色から黄色、白色へと変化し量も減ってきます。

子宮の内膜が生まれ変わり、子宮の大きさが妊娠前の状態になると悪露は出なくなります。

 

悪露の状態は、子宮の回復状態を知る大切な目安になります。

悪露が出ている間は、子宮内の感染を避けるため、入浴は控えシャワーを行いましょう。

悪露の色や量が落ち着いてきたのに、再び赤くなったり量が増えたりする時は、

子宮の回復に負担がかかっていることが考えられます。

パパや周囲の人に手伝ってもらってママの身体を休めましょう。

 

骨盤と骨盤周りの変化

妊娠中に柔軟になった骨盤周りの筋肉や靱帯、出産に向けて大きく開いた骨盤が

産後は元の位置に戻ろうとします。

 

しかし産褥期に、無理をして身体を動かし続けると、

骨盤や骨盤周りの筋肉などの回復に時間がかかります。

 

骨盤周りの回復を促すことは、身体を支える力も回復させていくことに繋がり、

肩こりや背中の痛み、腰の痛みなどの予防にもなります。

ぜひ、7月のコラム「#3妊娠さんに知ってほしい!妊娠中の身体の変化と日常生活での身体の使い方」や

8月の「#4妊婦さんに知ってほしい!妊娠中にできるセルフケア」もご覧ください。

寝方や座り方、深呼吸や骨盤の支え方など、ご活用いただけます。

 

母乳の分泌の開始

 

出産後は、母乳を作りだすプロラクチンというホルモンの分泌が多くなり、

赤ちゃんがおっぱいを吸うことで乳頭に刺激がいき、母乳が分泌されはじめます。

はじめは分泌が少なくても、赤ちゃんの吸う機会が増えてくると徐々に分泌量が増えてきます。

回数は多くなりますが、できる範囲で赤ちゃんに吸ってもらいましょう。

 

授乳中に乳首など、どこかに痛みがある時は、ママの身体や乳房にトラブルが起きる場合があります。

ママの姿勢や赤ちゃんの姿勢、くわえさせ方などを確認してみましょう。

 

会陰切開や帝王切開による創傷の回復

 

経膣分娩時に自然裂傷や会陰切開があった時は、傷を縫い合わせます。

 

最初は、傷そのものが痛み、徐々に縫合した糸が引きつることで痛みを感じることがあります。

2週間くらいは座った時などに痛みや違和感がありますが、

1ヶ月健診の頃になると痛みもほとんどなく傷もきれいに治ることが多いです。

傷口を清潔に保ち感染を起こさないために、こまめにナプキンの交換を行い、入浴は避けましょう。

 

帝王切開の場合は、創のある場所や創部の処置の仕方によって痛みや回復状況が変わってきますが、

個人差はありますが2週間くらいたつと大きな痛みは取れて、次第に落ち着いていき、

1ヶ月健診頃には痛みを感じることは少なくなります。

 

手術の跡を目立たなくするには、産後しばらく傷跡専用のテープを貼ったり、

クリームなどを塗ったりすることをお勧めします。

 

ホルモンバランスの変化

 

産後は、体内の多くのホルモンバランスが劇的に変化するといわれています。

ホルモンの影響や出産時のダメージ、赤ちゃんのお世話がはじまり、精神的に不安定になりやすいです。

急に涙が出てきたり、不安を感じたり、気分が落ち込むなどの症状が、起きる可能性があります。

また忘れっぽくなったり、集中できなかったり、動くスピードが緩やかになったりすることもあります。

 

多くの場合は、自然と元に戻っていきますが、

その時期は身体の回復の程度や育児を手伝ってくれる人の有無などによっても個人差がみられます。

また、そのような状況がなかなか解消されず、産後うつとして長引く場合もあります。

 

 

赤ちゃんの生活リズム

 

生まれたばかりの赤ちゃんの特徴は、今後詳しくお伝えします。

まずは、赤ちゃんとの生活をイメージしてみましょう。

 

生まれたばかりの赤ちゃんは自分の身体を支えることができません。
哺乳:母乳やミルクを飲みます。赤ちゃんの個人差がありますが、2~3時間おきに1日8~10回の哺乳が必要です。
排泄:おしっこは哺乳量によって変化しますが、一日10回前後あります。
うんちは胎便という黒緑色の便から、徐々に黄色くなり、柔らかく水っぽくなります。
回数は個人差がありますが、おしっこと同じくらいの回数のこともあります。
睡眠:生まれたばかりは昼夜の区別がなく、生後一週間くらいから徐々に目覚めている時間が増えていきます。
体重:生後2~4日に減少しますが、徐々に出生時の体重に戻り、一ヶ月検診の頃には、約900g前後増えます。
お臍(おへそ):生後5~7日ほどで自然と取れます。しっかり乾くまで、消毒など観察が必要です。

 

これだけ見ても、1日にママは8~10回哺乳をし、おむつ交換は10回前後を行うことになります。

その他に沐浴や寝かしつけなど、赤ちゃんのお世話は盛りだくさんです。

 

赤ちゃんのお世話は、「まだ生まれて間もない赤ちゃん」というだけでも緊張してしまうのに、

慣れない抱っこや授乳、おむつ交換などに追われ、

さらにはママが自分のペースで寝ることができずに疲れたり、

気持ちの面でも負担になったりすることもあります。

 

赤ちゃんのお世話をしながら、ママの身体を安静にすることはとても難しいことですが、

パパと協力し周囲の助けやサービスを活用するなどして、極力安静に努めましょう。

 

 

赤ちゃんのいるお部屋の環境

 

赤ちゃんが生まれると、赤ちゃん用品が多くなりますし、産後1ヶ月くらいのママは動くのがつらい時があるので、

パパもママも使いやすいように一カ所に必要なものをまとめるなどの工夫が大切です。

 

また赤ちゃんのいる部屋はなるべくものを片付け、広々とした安全な空間を作ることが必要になります。

物が少ないと掃除もしやすく、誤飲などの事故も起こりにくいです。

赤ちゃんの安全や今後の健やかな発達のためにも、家具や道具は最小限にしておくといいでしょう。

 

パパとママとで妊娠中から必要そうなものは調べておき、

産後に少しずつ買い足していったり、レンタルやリースなどを利用したりすることもお勧めです。

 

 

まとめ

 

産褥期に起こるママの身体と心の変化や赤ちゃんとの生活について、

妊娠中からママやパパが知ることは、育児のはじまりといえるのではないでしょうか。

 

産後に身体の安静に保つことの大切さを共有できると、

パパや周りの助けがどこに必要なのか具体的にイメージしやすくなります。

そしてこれから迎える赤ちゃんと楽しい時間を多く過ごせるように、少しずつ準備をしていきましょう。

 

 

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