「外はめちゃくちゃ暑いのに、手足はいつも冷たい」
夏の猛暑とは対照的に、
手足の冷えに悩んでいるパパやママも多いはず。
冷えは肩こりや頭痛、腹痛などさまざまな不調を
引き起こすため、侮ってはいけません。
本記事では、夏に手足が冷える原因や
冷えやすい人の特徴、からだを温めるための
セルフケアを解説します。
夏なのに手足が冷える理由は?
夏に手足が冷える主な原因には、
血行不良、内臓の冷え、筋力の低下があります。
血行不良
血行不良は、冷房の効き過ぎや
運動不足により起こります。
職場やレストランなどの室内に入ると
「冷房が強過ぎて寒すぎる」と
困った経験がある人も多いはず。
猛暑の外から急に涼しい室内に入ると、
からだの熱を逃さないよう血管を収縮させるため
血の巡りが悪くなり、
末端の手足が冷えてしまうのです。
体温の調節は、自律神経によって行われています。
自律神経が血管を拡張したり収縮させたりする指示を
出すことで、体温調整が行われているのです。
しかし、室内外の気温差が大きい夏は、
1日に何度も急な体温調節を行わなければならず、
くり返すうちに自律神経が乱れ、
血行不良を引き起こしてしまうのです。
また、運動不足の場合、筋肉による血液を
送り出す機能が十分に働かず、
全身に血液が巡らないため
血行不良を引き起こしてしまいます。
内臓の冷え
内臓の冷えは、
冷たいものの摂り過ぎによって起こります。
暑い時期には、氷を入れて
冷たい飲みものを飲むことも多いでしょう。
冷やし中華やざるうどん、アイスなど、
冷たい食べものを摂る機会も
増えるのではないでしょうか。
冷たいものばかり摂っていると、
内臓が冷え胃腸の機能が低下してしまいます。
消化吸収機能が低下すると、
食事を摂っても熱を作り出しにくくなるのです。
消化不良により、腹痛やおなかを下すなどの
不調を引き起こすこともあります。
筋力の低下
筋肉は、体内で熱を作り出す重要な器官です。
そのため、筋力が低下すると、
熱を作り出す量が少なくなり、
からだが温まりにくくなります。
一般的に、体重に対する筋肉量は
男性より女性の方が少ないため、
女性は男性に比べて冷えやすい特徴があります。
夏の冷えの原因はひとつではありません。
からだを冷やす行動が習慣になっていないか、
生活を見直すことが大切です。
夏に手足が冷えやすい人の特徴は?
夏に手足が冷えやすい人の特徴を4つ紹介します。
薄着で過ごすことが多い
夏の室内は冷房が強く効いていることが多く、
薄着だとからだが冷えやすくなります。
裸足や保温性の低いストッキングで過ごすことが多い、
すぐに羽織れるものを持ち歩かないなどの場合は、
冷房の効いた室内にいるとからだが冷えやすくなります。
湯船に浸からずシャワーで済ますことが多い
シャワーで済ます場合、湯船に浸かったときと比べて
からだが温まりにくいため、
手足が冷えやすくなります。
手足の冷えに悩んでいる場合、
40℃よりも低い温度の湯船に
10〜30分程度浸かると、
血管が開きやすくなるためおすすめです。
半身浴ではなく、全身浴でからだ全体を
しっかりと温めるのがポイントです。
冷たい食べものや飲みものばかり摂っている
冷たい食べものや飲みものばかり摂っていると、
内臓冷えを起こしやすくなります。
内臓が冷えると胃腸の機能が低下し、
熱を作りづらくなるため、
手足まで熱が届かず冷えやすくなります。
痩せ型で筋力が少ない
筋肉は熱を作り出す重要な器官です。
基礎代謝の約4割が筋肉による消費といわれており、
筋肉量が少ないと熱を作り出す量が減ってしまい、
冷えやすくなります。
からだを温めるためには筋力をつけたい!筋力をつけるためのセルフケア
からだを温めるためには、
筋力をつけることが重要です。
筋力をつけると、熱を作り出しやすくなります。
ここからは、筋力をつけるための
セルフケアを3つご紹介します。
筋肉を増やす食事
筋肉を増やすには、筋肉の素となるたんぱく質を
十分に摂取することが重要です。
たんぱく質は、肉・魚・卵・豆類・乳製品など
さまざまな食材に含まれています。
たんぱく質の摂取が目的であっても、
肉だけ、魚だけなど、食材に偏りがでないよう
注意しましょう。
1日3食、毎食たんぱく質を摂取することが
おすすめです。
朝食は卵や乳製品、昼食は肉類、夕食は魚類など、
たんぱく源となる食材を分けると
さまざまな食材から摂取することができます。
たんぱく質以外にも、筋肉を骨に付着させる腱や
筋肉を支える骨を強化するコラーゲンや
カルシウム、ビタミンDを
合わせて摂取するといいでしょう。
また、ダイエットでは制限されがちな糖質ですが、
筋肉が痩せないようにするためのエネルギー源として、
適量摂取することがおすすめです。
筋力を増やすための運動
筋力を増やすためには、
短時間で大きなパワーを出す無酸素運動が必要です。
自宅で行う場合には、自分の体重を活かして
筋肉に負荷をかけるスクワットや
腕立て伏せなどがおすすめです。
ランニングやウォーキングは有酸素運動ですが、
普段運動をあまりしていない人の場合は、
継続することで筋力アップも期待できます。
トレーニングによって筋肉に刺激を与えると、
筋線維の一部が破壊されます。
その後、適切な栄養と休養をとり
傷ついた筋肉が修復されるときに、
筋線維は前よりも少し太くなって修復されるので、
筋肉が大きくなります。
この筋肉が大きくなる回復は超回復と呼ばれており、
超回復を繰り返すことで
筋力を増やすことができるのです。
筋力を増やすための睡眠
筋肉を増やすためには、睡眠も重要です。
ノンレム睡眠と呼ばれる深い眠りのときに
成長ホルモンの分泌が盛んに行われ、
からだの修復や疲労回復が行われます。
トレーニングで刺激された筋肉も、
このときに回復します。
ノンレム睡眠をとるためには、
就寝前の習慣が重要です。
寝る1時間半前には入浴を終わらせましょう。
入浴によって深部体温が約1℃上昇し、
実際に寝る時間までに
ゆっくりと深部体温が下がっていくときに
自然に眠気を感じます。
また、就寝前の飲酒は眠りが浅くなってしまうため、
就寝2〜3時間前までに控えるのがおすすめです。
手足を温めるためには漢方薬を試してみて
手足を温めるためには、漢方薬もおすすめです。
手足を温めるためには、
「滞った血液の流れを促しからだを温める」
「エネルギーや栄養を補い胃腸の働きを高める」
といった働きを持つ漢方薬が使われます。
漢方薬は手足の冷えの原因を根本から改善するため、
冷えにくいからだへと導いてくれます。
手足が冷える人におすすめの漢方薬をご紹介します。
手足の冷えにおすすめの漢方薬
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
血行をよくしてからだを温めることで、
手足の冷えに働きかけます。
しもやけ、下腹部痛、腰痛にも用いられます。
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
胃腸の働きを高め、
エネルギーや血液を作り出すことで、
からだの末端まで熱を運びます。
手足の冷えのほか、貧血、
食欲不振などにも用いられます。
最近は「あんしん漢方」のようなスマホで利用できる
オンライン漢方薬サービスも話題です。
あんしん漢方では、漢方のプロが
体質に適した漢方薬を見極め、
自宅に郵送してくれます。
スマホ1台で完結できるので、
家にいながら気軽に相談できます。
お手頃価格で不調を改善したい人は、
医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
筋力を増やして冷えを防ごう
夏に手足が冷えてしまうときには、
筋力を増やすことが重要です。
筋力を増やすことで
熱を作り出す量が増えるだけでなく、
血流をよくして全身に熱を届けやすくなります。
薄着や冷たいものの摂り過ぎは、
からだを冷やす原因となるため注意しましょう。
筋力アップに向けた長期的な取り組みと、
すぐに始められる食生活や
生活スタイルの改善を組み合わせて、
夏の手足の冷えを解決していきましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。
現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。