妊活を始めてから、
気づかないうちに体に小さな変化が
増えてしまったな、と思うことありませんか?
私もそうでした。
私が過ごした妊活期間は8年間。
当初予想していたよりもはるかに長い時間でした。
この記憶は、これから先も消えることはないと思います。
けれど同時に忘れたくない、とも感じています。
今、妊活や不妊治療に向き合っている方に
「その気持ちはあなただけではない」と知っていただき、
少しでも心に余白が生まれるきっかけになればと思い、
私の体験をお伝えします。
始まりと長い時間

振り返ると、あの頃の気持ちの揺れは、
想像以上に大きなものでした。
期待と不安を繰り返しながら、結果に一喜一憂する日々。
周りの何気ない言葉に心がざわついたり、
理由もなく涙が出たり。
誰かと比べてしまっては落ち込み、
そんな自分を責めてしまうことも
数えきれないほどありました。
「大丈夫」と思いたい気持ちと、
「もしかしたら」という不安が
いつも隣り合わせにありました。
この頃、私が心がけていたのは、
子連れの友人と会うなどの
自分の心がしんどくなる状況を
なるべく作らないようにしたり、
全く人と比べることのない夫と
たくさん話したりすることで、
自分たちのペースを守るようにしていました。
不安が積み重なる日々の中で
判定の日が近づくにつれて、
不安は少しずつ大きくなっていきます。
夜になっても気持ちは落ち着かず、
布団に入ってもなかなか眠れない。
頭の中で同じことを何度も考えてしまい、
気づけば時間だけが過ぎていく。
やっと眠れても何度も目が覚める。
朝を迎えるころには、
すでに疲れているような感覚でした。
こういう体の不調まで医師に相談するのって
いいのかな、と思いませんか?
私も移植後不安で眠れず、
そのことが着床に影響を及ぼして
妊娠できないのでは?と思ったことがあり、
医師に話した経験があります。
すると、
「深く眠れるようにしましょう。私もたまに飲むことのある安全な薬ですから大丈夫」
と言って下さり、医師の処方のもと、
少しだけ睡眠薬の力を借りることになりました。
心の内を正直に話してみて
良かったと思った出来事でした。

そんな日々の中で、
体にも少しずつ変化が現れていきました。
最初は小さな違和感だったものが、
やがて無視できないものになっていきました。
夜中、突然目が覚め、
胃のあたりがぎゅっと縮むような痛みに襲われる。
その場から動けず、
ただ波が過ぎていくのを待つしかない時間。
静かな部屋の中で、一人その痛みに耐えながら、
「こんなに体を痛めてまで続ける意味は何だろう」
と考えることもありました。
あの頃は繰り返していたその痛みも
妊活を終えてからは一度も起こっていません。
体だけでなく、心も大きく消耗していました。
それはきっと、体からのサインだったのだと思います。
それでも当時の自分は、
「まだ大丈夫、続けられる」「この次こそは」
と自分に言い聞かせながら、
少しずつ無理を重ねていたのかもしれません。
立ち止まるという選択

そんな中で、主治医の先生から
「一度、治療をお休みしましょう」
と言われました。
自分で立ち止まる決断ができずにいた私は、
その言葉に、正直ほっとしたのを覚えています。
張りつめていたものがふっとゆるみ、
どこか解放されたような感覚がありました。
同時に、「休んでいいのだろうか」
という迷いもありました。
それでも、そのときの私には、
必要な一歩だったのだと思います。
その後、体を立て直すために
別の診療科を紹介していただき、
漢方外来に通い始めました。
検査を受けながら、妊活から少し距離を置き、
自分の体と向き合う時間が流れていきました。
この頃には、夫婦2人で生きていく未来にも
心が傾き始め、そのための資格試験を受けたり、
これからの暮らしの準備も始めたりしていました。
その他にも、
「小さなやってみたいと思うことを、何でも躊躇せずにやってみる」
ということも私を支えていました。
例えば、初めてのお菓子作りに挑戦する。
刺繍の作品を作ったり、お花のリースを作ったり。
この時の気持ちを曲にしたりもしました。
没頭して別の何かに取り組むこと、
結果を追い続ける日々から離れて
「今の自分」を感じる時間。
それは、頑張ることから少し離れて、
自分を整えるための時間だったのかもしれません。
妊活の終わりの頃には、ストレスからか
蕁麻疹が出ることもありました。
薬を飲みながら過ごす日々で、
心も体も決して万全とは言えない状態でした。
それでも当時は、「みんなもきっと頑張っている」
と自分に言い聞かせていました。
思いがけない出来事〜その中で見えてきたこと
そんな日々の中で、思いがけず
自然に妊娠していることが分かりました。
あまりにも突然のことで、すぐには実感がわかず、
ただ静かにその事実を受け止めていました。
嬉しさよりも先に、「本当に?」という
戸惑いに近い気持ちがあったように思います。
当時通っていた病院へ電話をかける手は、震えていました。
あの時間の何がよくて、何がきっかけだったのか、
今でもわかりません。
ただ、張りつめていたものが少しゆるんだときに、
体もまた、違う動きを見せてくれたのかもしれない。
そんなふうに感じることがあります。
長い治療の時間の中で
少しずつ見えてきたものがありました。
夫婦それぞれの原因、不育症など、
検査や流産を繰り返したからこそ分かったこと。
努力を続ければ、必ず結果が
ついてくることばかりではない、ということなどです。
そのときは気づけなかったけれど、
苦しみの中にいたあの時間も、振り返れば、
母になるための準備期間だったのかも知れない。
振り返るとどこかですべて
つながっていたように感じます。
今回の結果も、その積み重ねの先に
あったものなのかもしれません。
今この時間のなかにいるあなたへ

不妊治療は、ときに自分でも気づかないほど、
心や体に力が入り続けてしまうものだと思います。
私自身も、医療の力がなければ
難しいと言われていました。
それでも、最後は思いがけない形で
命を授かることになりました。
妊娠は、わからないことが多い。
だからこそ、自分の心と体に耳を傾けたり、
休む時間を作ることは必要です。
医療の力はとても大きく、
支えられてきた時間でもありました。
けれど、同時にそれだけでは説明しきれない
見えない流れのようなものによって
起こる出来事もあるのだと、身をもって感じています。
その後、無事に出産し、
元気な男の子を授かることができました。
妊娠初期は不安もありましたが、
今こうして元気に過ごしている姿を見るたびに、
命の不思議さと強さを感じています。
あの頃の自分に声をかけるとしたら、
「よく頑張っていたね」と伝えたい。
そしてもうひとつ、
「少し立ち止まっても大丈夫だったんだよ」と。
もし今、同じような時間の中にいる方が
この文章を読んでくださっているなら、
どうか、あなたの体と心を置き去りにしないでほしい
と願っています。
すぐに答えが出ない時間の中にも
確かに流れているものがあります。
あの頃の私が気づけなかったその流れを
今は少しだけ信じられる気がしています。
もし今、出口の見えない時間の中にいると感じているなら、
まずは「私は今、何に疲れているのだろう」
「本当は何を大切にしたいのだろう」
と自分自身に問いかけてみてください。
治療を続けることも、立ち止まることも、
誰かに頼ることも、すべて大切な選択です。
どうか結果だけで自分を責めず、
今日の自分の心と体にも
少しだけやさしくしてあげてください。
その小さな余白があなたにとって
次の一歩を考えるヒントになりますように。
ご自身の妊活や不妊治療の経験を、いつか誰かの支えに変えていきたいと感じた方へ
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