【メンテナンスのお知らせ】2024/11/23(土)00:00~06:00(予定)は新規会員登録、ログインがご利用いただけません。

【女性体験談】情報を収集で選択肢は広く、人生を俯瞰的に【NPO法人Fine】

アイキャッチ

不妊や不育にまつわる体験は、

誰一人として同じ体験はありません。

 

今回は、不育症治療を経験した

女性当事者の体験談をご紹介します。

 

女性
30代女性 Mさん
「情報の少ない不育症治療。
長い人生とキャリアを俯瞰し自ら納得したことで、不安や後ろめたさが軽くなりました。」

 

 

不育症を経験して大変だったこと

 

仕事と時間

 

仕事・家庭と治療の両立

不育症治療をするうえで、

仕事や家庭との両立は大変でした。

 

二度の流産後に不育症と診断されたのですが、

次の妊娠時には通常の妊婦検診に加えて

複数の不育症因子の治療のため

それぞれの専門科に通う必要がありました。

 

多い時には一日おきに

仕事を抜けるような時期もあったと記憶しています。

 

フレックスや半休を活用して仕事の調整をしていましたが、

その分短い時間で業務をこなさなければならないですし、

職場から通院先へバタバタと移動、

診察後は家事をするために急いで帰宅して・・・と、

妊娠自体の心身への負担もある中で

いつも時間に追われているような状況でした。

 

とはいえ、保険適用外の治療による

経済的な負担も大きかったですし、

出産後に育児にかかる費用も考慮すると

収入を保っておきたかったので、

なんとか時間と気力をやりくりしながら暮らしていました。

 

情報や相談できる場所が少ない

不育症の症状や治療内容は、クリニックを選ぶにも

情報が少なくて困りました。

 

ネットの情報だけでは自分に合った通院先を

判断しづらかったので、数軒のクリニックで診察を受けて

直接医師と話をしたうえで選んだので、とても大変でした。

 

また、当時は医療的アドバイスとメンタルケアを

まとめて受けてくれる先が見つけられなかったため、

別々に相談していました。

 

もちろん相談して救われた部分もあるのですが、

患者としては両方が一体となった悩みなので、

「ワンストップで話を聞いてもらえたらいいのに」

とは思っていました。

 

 

不育症治療中につらかったこと

 

一人の人影

 

結婚=妊娠、妊娠=出産という固定観念に

傷つく場面は数えきれないほどありました。

 

流産直後に事情を知らない人から

「子どもはまだ?」

「親になってこそ一人前だよ」

などと、声をかけられることが度々ありました。

 

大勢の前で「流産しました」と言いう訳にもいかず、

泣きたいところを作り笑いで

やりすごさなければならないのはつらかったです。

 

リプロダクティブライツに限らず、

それぞれの事情や多様な価値観があるということが

受け入れあえる社会になることを切に願います。

 

 

不育症との向き合い方

 

俯瞰的な道

 

不確実な未来を憂慮しすぎない

二度流産を経験してからは

「また妊娠しても流産したらどうしよう」

「その時はきっと仕事を続けられる精神状態ではないだろう。妊娠する前に退職しようか」

というように、出産はもちろん

妊娠自体にも不安が増していました。

 

ですが、まだ起きていないことに気を揉んで

退職のような大きい決断をすることは最善ではない

人から諭され、我に返りました。

 

決して無計画でよいということではなく、

情報を集めて選択肢を想定したり

可能性に備えたりはしながらも、

無用に憂慮しすぎないことが

メンタルをできるだけ落ち着かせて

前向きに治療に臨むうえで有効だと思います。

 

俯瞰してライフキャリアを考える

仕事と治療の両立を乗り越えるために

「仕事の効率化や業務を周囲とシェアしましょう」

というアドバイスはよく聞かれます。

 

たしかに仕事と両立する前提で

目の前の治療に取り組む時間をつくるうえでは

必要なことですが、私の場合は

「周囲に迷惑をかけてまで仕事を続けていていいのだろうか」

「仕事をしながら無事に出産できるだろうか」という

もっと根本的な迷いや不安が強かった時期がありました。

 

もし同じような思いを抱えた方がいらっしゃったら、

ライフキャリアを俯瞰して考えることで

ご自身の考えを整理しやすくなるかもしれません。

 

私の話に戻ると、不育症治療開始時に

「仕事も長く続けたいし、子育てもしたい」ことを

再度明確に再認識しました。

 

そのうえで、その時点での仕事と

プライベートの優先順位をつけて

どのような暮らし方・働き方をするか、

今までのスタイルを見直しました。

 

また、上司へはいつ・どこまで状況を相談するのか、

いつまで治療を続けるのかなどを

想像しうるパターンの中から決めました。

 

そして状況が変わったらプランを見直そう

とも考えていました。

 

長い人生の中でさまざまな事情によって

働き方に変動があってもよいと

自分自身が納得できたことで、

勝手に負担に感じていた不安や後ろめたさが軽くなり、

心身ともに良い状態になれたように思います。

 

 

【そのほか、NPO法人Fineの記事についてはこちら】

アイキャッチ仕事と不妊治療を両立するためにできること【NPO法人Fine】

アイキャッチ【女性体験談】高齢期不妊治療とパートナーの存在価値【NPO法人Fine】

 

ママケリーアプリ_アイコン

ママケリー

生理管理・妊活・妊娠・育児まで
記録できるアプリ。

産婦人科医監修のもとに開発され
女性のからだと子どもの健康を見える化。
家族と記録した内容を共有してみませんか?