「これから赤ちゃんが欲しいな」
「そろそろ妊活を始めようかな」
と思ったら、すぐに妊活を始めるのではなく、
まずはカップルでお互いの気持ちを確認することが大切。
また妊活を始めたとしても、
コミュニケーションに困ることが出てきますよね。
コミュニケーションをしっかり取っておくことで、
妊活がスムーズに進む!と言っても過言ではありません。
今回は、これから妊活を始めるカップルに向けて、
コミュニケーションのポイントについて取り上げます。
妊活するカップルにコミュニケーションは必要?
結論から言うと、「絶対に必要!」です。
当たり前のことではありますが、
妊活は女性ひとりでも、男性ひとりでも出来ない
カップルで取り組むものです。
そして「私たちは排卵日を共有しているし大丈夫!」
「二人とも子どもが欲しい!と分かっているから大丈夫!」
というものでもありません。
ここでの「コミュニケーション」とは、
- 2人の将来についてどう考えているのか?
- キャリアはどうするのか?
- 経済的な面はどう乗り越える?
- 本当に子どもを望んでいるのか?
- もしも不妊症だったら?
- 妊活や妊娠・出産・育児に対する感情(不安だ…とか、積極的に取り組みたい!とか)
といったことも含めて、
しっかりと2人で対話を重ねることです。
でも、最初から具体的なコミュニケーションを取ることは
誰でも難しいことです。
どんなコミュニケーションを取るべきか、
どんなことを話し合っておきたいか、
まずは妊活のステージごとに紹介します!
妊活ステージごとのコミュニケーション
ここではカップルで取りたい
コミュニケーションについて紹介します。
今回は
- 妊活前や妊活中に話し合いたいこと
- 不妊治療に取り組む前に話し合いたいこと
の場面に分けて、
不妊治療経験者としての経験も踏まえて紹介します。
妊活前に話し合いたいこと
まず最初に「赤ちゃんを迎えたい!」と思った時に、
お互いにどう思っているのかを話し合ってみましょう。
妊活は、女性だけでも男性だけでもできない、
ふたりで取り組むもの。
まずは「自分は赤ちゃんを迎えたいと思っているけど、あなたはどう?」
とパートナーはどう考えているか、確認してみましょう。
その時に、妊娠や出産、育児に対してどう思っているのか?
仕事や家計の話もできると、
より現実味のあるコミュニケーションができそうですね。
妊活中に話し合いたいこと
妊活を始める前にお互いの考えを共有して、
「赤ちゃんを迎えたい」という気持ちに納得したら、
まずは自然に妊娠することを
望むのではないかなと思います。
基礎体温をつけたり、健康的な体づくりを意識したりと、
できることから始めてみますよね。
でも、自分が予想していた期間には
妊娠しないこともあります。
それがちょっと長くなると、
少しずつ不安や焦りが募ることと思います。
その時は、素直にその気持ちを
パートナーに話してみましょう。
気持ちを受け取るパートナーの方は、自分の考えよりも、
まずはパートナーの気持ちを受け入れることで、
そのあとに建設的なコミュニケーションを
進めていきやすくなります。
なかなか思い通りに妊娠しないことへの不安や焦りは、
女性の方が大きいかと思います。
でも男性側もパートナーの気持ちを
知りたいことがありますよね。
「パートナーがあまり気持ちを吐露してくれない…」
という場合には、「妊娠した?」とストレートには聞かず、
将来の話をしてみると良いかもしれません。
「自分はこう思ってるんだよね~」と
気持ちを共有することで、
パートナーも話しやすくなるかもしれません。
また不妊の定義は
「健康なカップルが避妊せず定期的に性交渉を持っているにもかかわらず、1年間妊娠しない状態」
となっています。
この1年間という期間を踏まえて
- このまま授からなかったら?
- 不妊の検査してみる?
などの内容を話し合うことも必要です。
妊娠を希望するカップルにとって
上述の話をするのは心苦しいことだと思いますが、
お互いが納得できる妊活をするにはとても大切なことです。
不妊治療の前に話し合っておきたいこと
不妊治療に進むことに決めたカップルの方は、
改めて
「自分は子どもが欲しいと思っているけれど、あなたはどう?」
と相手の気持ちを聞いてみましょう。
「子どもは欲しいと思っているよ。早く欲しいね」
「子どもは、まだ先でいい。もう少しふたりの生活を楽しみたい」
様々な思いが返ってくることとと思います。
もしかしたら、初期のころとは
意見が変わっているかもしれませんね。
これからの不妊治療をお互いが納得して進めていくために、
改めて、どんな将来イメージを持っているのか?とか
不妊治療をいつまで続けるのか?などの
コミュニケーションを重ねましょう。
もしも、子どもが2、3人欲しいと思っているのなら、
出産する年齢や育児期間も二人で考えてみましょう。
不妊治療に限らず、
コミュニケーションをする上で大事なのは、
お互いが理解深めて、お互いが納得して
物事を進めていくことではないでしょうか?
不妊治療や妊活に対する二人のイメージが近いと、
スムーズに不妊治療を進めていけるかもしれませんが、
あまりにもかけ離れていたなら、
話し合い、二人が納得できる部分で
折り合いをつけることを考える場面も出てくるでしょう。
なにごとも計画どおりに運ぶ
わけではありませんが、
ふたりで今後についてのコミュニケーションを
繰り返していくことで、
お互いの理解が深まっていくものです。
コミュニケーションについて意識しておきたいこと
ふたりで妊活を始めた!としても、
コミュニケーションに関して女性にも男性にも
意識しておくといいことがあります。
知識や情報量がカップル間で異なっている場合があること
まずひとつが、男性と女性では妊娠や出産、
不妊治療に関する知識や情報の量が違うということです。
女性は生理があります。
また妊娠するのは自分自身です。
自分が生きていく中で経験するものなので、
生理の仕組みや排卵のタイミング、妊娠の仕組みなどを
男性よりも詳しく知っていたり、
情報に触れる機会が多かったりするのは、
なんら不思議ではないと思います。
でも、男性はそうではありません。
自分が生きていく中で、自分の身体で生理が起きて、
妊娠し出産するわけではないので、
生理や妊娠・出産に関する知識そのものや、
関連する情報に触れる機会などは、
どうしても女性より少なくなります。
自分が妊娠するわけではないので、
「妊娠しない理由が自分側にもあるかも?」と
考え始めるまでに時間がかかることや、
「タイミングがうまくいけば、何歳でも妊娠する」
と認識していることもあります。
このような知識や情報量に差があることを
念頭に入れておくことが、
お互いに気持ちがいいコミュニケーションが取れる秘訣
なのかもしれませんね。
不妊の検査や治療についても話し合いながら進めましょう
なかなか妊娠しないとき、
病院での検査や治療について考えることと思います。
パートナーには嬉しいことを共有したい気持ちが
ある方もいらっしゃるかもしれませんが、
「なかなか妊娠しないんだよね…」と
打ち明けることも大切だったりします。
男性側からすると
「妊娠してない?と聞くのがプレッシャーになるかも…」
と考える人もいるからです。
なかなか妊娠しない焦りや不安を、
パートナーにも共有してみましょう。
また最初から「検査しよう!」と聞くと、
萎縮してしまうのは男性も女性も
変わらないのではないでしょうか?
最初から病院に行くのはハードルが高いと感じる人は、
一緒に不妊症や不妊治療について調べてみることで、
イメージができ、病院での検査や治療を
取り組んでみよう!となるかもしれません。
病院側が定期的に説明会を開いている場合もあるので、
それらに参加してみるのも良いかもしれませんね。
男性も女性も治療中の気持ちは共有してみましょう
治療を始めて、すぐに妊娠できたらいいのですが、
思った以上に時間がかかることもあります。
不妊の原因が女性側にあっても男性側にあっても、
不妊治療は女性の生理周期に合わせて進みます。
- 度重なる通院が負担
- 仕事との両立が大変
- 治療のステップアップをどうする?
- 治療費が思っていた以上にかかる
など、男女ともに様々な思いが巡ることと思います。
加えて原因がはっきりすると
「自分のせいで妊娠しないのか…」と責任を感じ、
それが精神的なストレスになります。
「妊活は二人で取り組むもの」ということを忘れずに、
治療状況やお互いの気持ちを共有して進めましょう。
対話を重ねる中で、
「とりあえず話を聞くだけ聞いてほしい!」
「解決がどうこうじゃなくて話を聞いてほしい」
といったときもありますよね。
そんなときは
「とりあえず気持ちを聞いてほしいだけなんだけど…」
と目的を話してから、本題に移ると
スムーズにコミュニケーションが取れることがあります。
自分たちにあったコミュニケーション術のようなものを
模索するのは面倒かもしれませんが、
ちょっと前置きするだけで、
対話すること自体にストレスを感じることなく
対話ができます。
また男性がなにも言ってこないと、
「思いやりがない」と不満に感じる女性も
いるかもしれません。
実は、
「治療でつらい思いをしているのに、なにもできなくてもどかしい」
と感じている男性は少なくありません。
不妊治療はどうしても女性主体になってしまうので、
「女性が大変」と認識されがちですが、
「女性も大変だけど、男性も負担がある」
ということは忘れずにいたいですね。
妊活や不妊治療に関するストレスを軽減するために…
不妊治療を体験した人のなかには
「ふたりで何度も話し合ったことが、その後の夫婦関係の基盤になった」
という人もいます。
子どもを授かるという未来をいっしょに描いて、
ときにぶつかり、ともに喜び涙することもあった日々。
それは、ふたりにとって
かけがえのない時間だったと言うのです。
そのためには、お互いに本音で話すことがスタートです。
子どもができれば、育児や教育方針などを
話し合うことになるのですから、
その予行演習でもあります。
とはいえ、それは妊活のためではなく、
ともに生きていくために日常会話を
しっかりしていくということにもつながります。
そして、もしも夫婦の関係がぎくしゃくしている、
言いたいことが言えないようなときには、
専門家に相談する方法もあります。
不妊当事者を支援するNPO法人Fine(ファイン)では、
- 生殖心理の専門家への相談
- 不妊体験者である不妊ピア・カウンセラーへの相談
を受け付けています。
Zoomを使ったオンラインの面接、通話相談、
グループカウンセリングなどがあります。
くわしくは、ウェブサイトでご確認いただき、
お役立ていただければ幸いです。
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