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自分に合った不妊治療クリニックの選び方【NPO法人Fine】

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子どもが欲しいと思っているのになかなか妊娠しないとき、

「病院に行ったほうがいいのかな?」と

考えるかもしれません。

 

でも、いったいどんな病院へ行ったらいいのでしょう?

そのときに、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?

 

今回は不妊治療の病院選びについて紹介します。

 

 

病院・クリニックの種類と特徴

 

不妊の検査や治療をしている病院やクリニックには、

いくつかの種類があります。

その違いをみてみましょう。

 

大学病院・総合病院

多数の診療科がある大きな病院で、

公立の病院、私立の病院、大学付属の病院などがあります。

 

不妊外来、リプロダクションセンターなど

不妊専門の外来があるケースも。

 

メリット

  • 産科があれば、出産までみてもらえる
  • 他の診療科に受診する場合に、連携がとりやすい

 

デメリット

  • 土・日曜、夕方以降は診察を行なっていない場合が多い
  • 待ち時間が長いことがある
  • 地域によっては自宅や職場から遠く、通院に時間がかかることも

 

産婦人科

地域にある個人病院で、

出産をするため入院施設があります。

そのため、妊娠中や不妊治療中に

必要であれば入院も可能です。

 

メリット

  • 産科と婦人科があり、不妊外来を設けている場合もある
  • 出産までみてもらえる
  • 自宅や職場の近くで見つけやすい

 

デメリット

  • 待合室が妊婦さんといっしょのことが多い
  • 施設や医師によって不妊や不育症の知識や経験に差がある
  • 体外受精などの高度な不妊治療を行っていない場合は、転院が必要

 

不妊治療専門クリニック

不妊治療を専門とする病院・クリニックで、

体外受精・顕微授精を行なっています。

 

施設の規模は大小ありますが、

比較的都市部に集中しています。

 

メリット

  • 医師は不妊治療の専門知識や技術を有している
  • 出産のための入院施設はない
  • 体外受精や顕微授精といった高度な不妊治療を受けられる
  • 不妊カウンセラーなどがいる場合があり、メンタルケアに力を入れているケースも

 

デメリット

  • 地域によっては数が少なく、通院が難しい場合がある
  • 患者が多く、待ち時間が長いケースがある
  • 自由診療が多い場合は費用の負担が高くなる

 

病院・クリニック別のメリットとデメリット

 

 

受診する目安

 

不妊の目安は、

定期的な性交渉をもっても1年間妊娠しないときです。

ですから、1年を目安に受診する/しないを

考えるといいでしょう。


もちろん1年という時間にこだわることなく、

生理不順、生理痛がひどい、

子宮内膜症など気になる症状があれば、

いつでも受診してかまいません。

 

また、婦人科の病気の経験がある場合も、

早めに産婦人科で相談しましょう。

 

年齢と受診

日本では結婚する年齢が年々上昇しており、

30代後半、40代で結婚する人も珍しくありません。

 

知っておきたいのは、

「女性は年齢を重ねるほど妊娠しにくくなる」

ということです。

 

妊娠・出産を望む場合は、1年間待つことをしないで

病院を受診してかまわないのです。

 

通いやすさ

不妊の検査は女性の生理周期に合わせて行なう検査が多く

そのため1周期に何度か通院することになります。

 

また、治療が始まると、排卵までの期間に

超音波検査による卵胞チェックなどがあります。

体外受精の治療では、さらに通院回数が増えます。

 

こうした点を考えると、自宅や職場から

交通の便のよいところが選択肢になるでしょう。

 

働きながら不妊治療をする人からは、

「通院時間の調整が大変だった」

と言う声をよく聞きます。

昼休みや夜間の診療時間を選択の条件にあげる人もいます。

 

治療の実績

病院を探すにあたり、いちばん気になるのが

妊娠率などの治療の実績といえるかもしれません。

 

病院・クリニックのホームページで

妊娠率を公表している場合もありますが、

それぞれ独自の基準なので、

一般にはわかりにくいこともあります。

 

情報公開という意味では、

令和3年度より、

特定不妊治療費助成事業の指定医療機関は、

各都道府県へ情報提供することになりました。

 

  • 各医療機関における医師や専門家の配置人員
  • 治療の種類
  • 治療の年間実施件数
  • 費用
  • 治療実績
  • 年齢別の患者数

などが報告されています。

 

たとえば、東京都の場合はこちらから
確認することができます。

 

 

クリニックの選び方

 

妊娠に向けて検査や相談をしたいときには、

どんな病院・クリニックに行けばいいのでしょうか。

これといった決定的なものはなく、

状況によって考え方は変わるでしょう。

 

不妊検査をする意味は?

望んでいるのに妊娠しない場合、

まずは検査を受けるといいでしょう。

もしかして、妊娠しにくい原因が見つかるかもしれません。

 

女性の場合は両方の卵管が詰まっている、

男性では元気な精子の数が極端に少ない

などが考えられますが、

これらは、病院で検査をしてみないとわからないのです。

 

また、排卵日を推測したつもりでも、

実際には排卵のタイミングが合っていなかった

というケースも考えられます。

 

数年間自然にまかせて、いざ病院を受診したら

自然妊娠の可能性が低い状態だった

というのは、とても残念なことです。

 

そうした事態を避けるためにも、

早めに検査をしてみることが大切です。

 

妊娠までに時間的な余裕がある場合

年齢が若く、妊娠をさほど急がない…

つまり時間的な余裕がある場合は、

まずは近くの産婦人科で検査を受けてみるといいでしょう。


検査をして特に問題がなければ、

そのまま自分たちでタイミングをはかる方法もありますし、

病院でタイミング指導をしてもらうこともできます。

 

30代後半は体外受精も視野に入れて

30代後半からは妊娠しにくくなっていくため、

妊娠するまでに時間がかかることもあります。

時間的な余裕も若いときよりは少なくなるでしょう。

 

1人目の子どもを産んだあとに

2人目、3人目…と考えている場合は、

とくに妊娠や産後の期間、必要があれば

再度の治療期間を考慮しておく必要があります。

 

そのため年齢が高い人では、

体外受精も視野に入れて病院・クリニックを選ぶことが

多いようです。

 

タイミング法や人工授精の治療は最小限の回数にして、

妊娠の確率が高い体外受精に早く進むという考え方です。

 

もちろん、治療は患者であるカップルが主体なので

どのような治療をするかは

カップルで納得できるまで相談し、

主治医と治療方針を決めていってくださいね。

 

 

体外受精を考えるなら

 

両方の卵管が詰まっている場合や

元気な精子の数が極端に少ない場合、

またタイミング法や人工授精を

繰り返し行なっても妊娠しない場合には、

体外受精という治療法があります。

 

日本産科婦人科学会に登録されている

体外受精を実施する施設は全国で約600施設あります。

通院している病院・クリニックで

体外受精を行なっていない場合は、

転院することになります。

 

その際にどのクリニックを選ぶのか?というのは、

不妊治療を行うカップルにとっての悩みの種です。

  • 治療の内容
  • 通院にかかる時間、
  • 回数や日数
  • 移動時間

そして妊娠率などのデータ…

さらに仕事との両立ができるのかといったことも、

多くの方にとっての懸念点になっているようです。

 

多くの施設では体外受精の説明会を実施しているので、

体外受精を考えたときには参加してみるといいでしょう。

 

 

みんなは通院先をどう選んだの?


不妊・不育症治療の病院選びについて調査77%の人が「病院選びに迷った」と答えています。した

NPO法人Fineのアンケート「どうする? 教えて! 病院選びのポイントアンケート2020」によると、

77%の人が「病院選びに迷った」と答えています。

 

では、

病院を選ぶときにどんなところから情報を得ているのでしょうか?

 

「不妊・不育症治療を始める際に、治療の情報を探した方法」について、

最も多かったのは「病院のウェブサイト」(67%)

次いで「不妊・不育症当事者の SNS など」(32%)

さらに 「不妊・不育症治療をしている家族・知人等からの口コミ情報」(29%) という結果でした。

 

NPO法人Fine「どうする? 教えて! 病院選びのポイントアンケート2020」より

 

 

そして、「病院を選ぶ上で知りたかった情報」で

最も多かったのは「実際の患者の声・評判(口コミ)」(80%)

次に「治療費用」(74%)、「治療成績」(72%)、

「診療日・診察時間」(72%)と続いていました。

 

NPO法人Fine「どうする? 教えて! 病院選びのポイントアンケート2020」より

 

 

転院する理由

不妊治療では転院するケースは珍しくありません。

Fineのアンケートでは、転院した経験のある人は53%

検討中・検討したことがある人を含めると65%

にも及びます。

 

また、1 回目に転院したときの年齢は

34 歳以下」が74%を占め、

3539 歳」(21)と続きました。

 

さらに、2 回目の転院では

34 歳以下」が 72%でした。

 

転院した理由で最も多かったのは

「妊娠しなかったから」(57%)

次に「ここではやっていない検査/治療を受けたかったから」(43)が続きました。

 

そして、妊娠するために希望の治療を求めて

転院したものの、

必ずしもいいことばかりではないようです。

転院した際のデメメリットとして

  • 「高額になった医療費」(54)
  • 「通院距離の長さ」(51)
  • 「検査の重複」(46)

 

などがあげられました。

 

 

まとめ

 

不妊や不育症で通院した人の8割近くが

病院選びについて迷い、

半数以上が転院を経験していること。

 

また、病院を選ぶ際の情報として知りたいのは

「実際の患者の声・評判(口コミ)」という声が最も多く、

口コミを頼りにしている人が多いことがわかりました。

 

つまり、それほど病院選びはむずかしいといえます。

 

気になる病院・クリニックがあれば

ホームページをチェックして、

どんな情報や治療データが公開されているか

確認しましょう。

 

病院・クリニックの説明会があれば参加して、

わからない点を質問してみるのもいいでしょう。

 

実際のところ、通いやすいかどうかは、

しばらく通院してみないとわからないものです。

すぐに妊娠すれば通院は終わりますし、

治療が長引くと気持ちが変化するかもしれません。

 

受診したときの病院側の対応や

自分が感じた印象も大切にしながら

病院選びを考えてみてはいかがでしょうか?

 

引用・参考:NPO法人Fine アンケート「どうする? 教えて! 病院選びのポイントアンケート2020」結果【詳細版】

 

 

【NPO法人Fineの記事はこちら】

アイキャッチ詳しくしりたい!不妊・不妊治療について【NPO法人Fine】

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