妊活中のからだをつくろう!必要な栄養素と気をつけたいこと

健康的な食事

妊活中に気を付けたい、栄養バランス

 

体に必要な栄養素を十分に摂取することで

妊娠力を高めることができると言われますが、

妊活中の食事は、

どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

 

栄養バランスの良い食生活を送ることは、

妊活中だけでなく妊娠中や出産後の健康にも

欠かすことができません。

 

妊活に良いと言われる栄養素や

食品を検索すると山ほど出てきて何が良いのかわからず

色々なサプリメントを飲んでみたり、

良いと言われる食材を

たくさん食べることもあると思います。

ですが、ある一部の栄養をたくさん摂取したとしても、

基盤となる栄養素が不足していては

バランスが良いとは言えませんよね。

 

下の図は、栄養素の桶理論と言われるものです。

栄養バランス_桶のイメージ

 

桶を作る板が各種の栄養素だとします。

からだが必要としている栄養素のうち、

何かの栄養が不足していたり極端に少なかったりすると

最も少ない栄養素と相互作用できる範囲でしか

そのほかの栄養素も働かないと言われています。

 

桶の板が欠けていたら、

どんなに良い栄養素をたくさんとったとしても、

中の水は流れ出てしまうのです。

つまり、栄養のバランスを考慮せずに、

ビタミンCだけ、葉酸だけ、乳酸菌だけ…など

偏った栄養を摂取したとしても

妊活力の向上には繋がらない可能性もあるのです。

 

 

基本の5大栄養素をバランスよく

 

妊活中は、SNSなどを見て

自己流で食事方法を工夫することもあるでしょう。

自己流の食事方法が間違っているわけではありません。

ですが、桶の法則のように

桶の中の水がこぼれないようにするためには、

特別な栄養素をたくさん取り入れるよりも

まずはバランスが重要です。

 

糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルといった

5大栄養素をバランスよく食べることを

シンプルに考えてみましょう。

 

 

不足しがちな栄養素の働きを知って、しっかり食べよう

 

糖質や脂質は手軽に食べやすく、

とり過ぎてしまう傾向にあります。

 

その半面不足しやすいのが

たんぱく質、ビタミン類、ミネラルです。

 

たんぱく質

たんぱく質は、皮膚、髪、血液、臓器など、

私たちの体の組織を作る材料になる栄養素です。

女性ホルモンや、消化・代謝を促す

酵素の原料としても使われます。

 

一般的に女性は1日あたり

約50gのたんぱく質が必要といわれます。

お肉や卵、魚などうまく組み合わせて

食べてみましょう。

たんぱく質が不足していると思った時に卵やチーズなど

手軽に食べられる食材を知っておくと便利です。

 

〈鶏胸肉〉皮なし100g(手のひらに乗るサイズ)
たんぱく質22.8g

〈卵〉1個
たんぱく質約7g

〈豆腐〉1/3丁 約100g
たんぱく質6~7g

 

t一般的な食品のたんぱく質含有量目安

筋肉減らさない食事のツボは? 朝のたんぱく質、手のひらサイズの肉魚で - 日経Gooday

 

ビタミン類

ビタミンには様々な種類がありますが、

エネルギー代謝の潤滑剤になったり

他の栄養素がしっかりと働けるように

サポートしてくれます。

 

抗酸化作用に優れている!ビタミンACE

卵子や精子は酸化ストレスに弱いため、

抗酸化作用のあるビタミン類をとることが

すすめられています。

ビタミンの抗酸化作用は、卵子への酸化ストレスを

直接的に軽減させている可能性がある

とも言われています。(参考文献1)

 

ビタミンAは、人参に含まれるβカロテンが有名です。

レバーにも豊富に含まれますが、

動物性食品のビタミンA(レチノール)は

胎児への影響が報告されているため

必要以上に食べ過ぎないようにしましょう。

 

ビタミンCは、赤ピーマンやケール、キウイに

ビタミンEは、アーモンドに多く含まれています。
(参考文献2)

市販のアーモンドドリンクなどは、

手軽にとれますが添加物も多いため、

とり過ぎには気を付けたいところです。

 

今や妊活に欠かせないビタミンD

なんと、日本人の約9割以上が

ビタミンD不足と言われています。

 

ビタミンDといえば骨を強化するイメージですが、

実は免疫などにも影響を与えることがわかっています。

さらに、不妊とビタミンDの関係についても

様々な研究が進んでおり、

妊活中は積極的にとりたい栄養素の一つです。

 

魚類、特に鮭に豊富に含まれていますが、

日光にあたることで体内でも

ビタミンDを産生できますが、

日焼け止めを使用するとビタミンDの産生は

妨げられてしまいます。

足だけでも良いので、1日数分間ずつでも

日光浴の時間を作ってみるのも良いですね。

 

鮭日光浴

 

種類と働きはさまざま!ビタミンB群そして葉酸

妊活には葉酸というイメージが付くほど

一般的に知られる葉酸は、

妊娠前から摂取しておきたい栄養素です。

 

妊娠前や妊娠早期に定期的に葉酸を摂取することで、

生まれてくる赤ちゃんの神経管欠損の発症を

防ぐことができます。(参考文献3)

葉酸の摂取自体が妊娠率を上げるというエビデンスは

現在のところ、はっきりしていません。

 

葉酸を摂取しているから妊娠するだろう!ではなく、

妊娠した時のために飲むと考えておくと良いですね。

サプリメントの謳い文句を鵜呑みにしないことも必要です。

 

ビタミンB群は、私たちが活動するための

エネルギー産生で必要です。

糖質や脂質、たんぱく質や

アルコール代謝などを助けてくれます。

 

ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、

ビオチン、パントテン酸などで、

活動的で元気な毎日を過ごすために

欠かせないビタミンです。

 

ビタミンの種類と働き
ビタミンの種類と働きについて – MCATE-エムケート

 

ミネラル

 

ミネラルとは、骨や歯をつくり、血液中で酸素を運び、

代謝をサポートしている栄養素です。

また、酵素やホルモンの成分、

神経や筋肉の維持にも使われるなど、

私たちが生きていくうえでとても重要なものです。

ここでは妊活中特に重要な鉄について解説します。

 

貧血でなくても注意が必要な鉄

鉄不足の女性は多く、鉄が不足していると

あらゆる細胞でエネルギー不足を起こしてしまいます。

鉄不足は、うつ状態などの精神面にも影響してしまいます。

 

また、血液検査でヘモグロビンの量が

正常範囲内の場合でも、

隠れ貧血状態となっている場合があります。

それはフェリチン(貯蔵鉄)の不足です。

フェリチンは、鉄分の中でも貯蓄されているもので、

これが低くなっていても一般の検査では

わからないことがあります。

 

検査の際にはぜひフェリチンも調べてもらいましょう。

気分の不安定さや体のだるさは

隠れ貧血かもしれません。

 

鉄はサプリメントで補う場合が多いと思います。

その場合は、鉄の吸収が良い

ヘム鉄サプリを選びましょう。

非ヘム鉄サプリの場合は

ビタミンCと一緒に飲むと吸収がよくなります。

 

赤ちゃんにとっても鉄分は重要なのですが、

正常分娩で500ml、帝王切開では1000ml

の出血があると言われます。

実に血液の約10~20%を一度に失うことになります。

妊娠前からしっかりと鉄などのミネラルを摂取し、

安心して妊娠出産を迎えられる

準備をしていきましょう。

 

 

おわりに

 

体質改善は不妊に関わらず、

健康的な生活を送るためには大切なこと。

わかってはいるけれど、忙しい毎日を送る中で

改善が続かないという方も多いのではないでしょうか。

 

ですが、妊活や子どもを授かりたいと

願った時だからこそ、

自分のからだに向き合える

きっかけにもなると思います。

実際、私自身も妊活をきかっけに

自分のからだを大事にしようと思うようになりました。

 

多忙な中での食事へのこまやかな気遣いは大変です。

ちょっと無理な食事法を張り切って初めても

長続きしません…

タンパク質を毎食1品入れたり、

お味噌汁を必ず飲むなど

継続しやすいことの実践が

一番合っていたように思います。

 

ゴールが見えないのも妊活のつらい部分ですし、

その妊活や不妊治療が長く続くことも

あるかもしれません。

そんな時に、少しだけ栄養のことを知っておくと

妊活中はこれを食べてはいけないと

無理に我慢しすぎたり、

極端な食事法でなくても大丈夫だと

気付くこともできます。

今日できる小さなことから始めてみましょう。

 

 

【参考文献】
1. 森本義春・太田邦明 「高齢不妊診療ハンドブック」2019 医学書院
2. 渡邉昌監修 「運動・からだ図鑑 栄養学の基本」2016マイナビ出版
3. 厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』eJIM

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