妊婦さんは安静にしていないといけない
イメージがありますが、
運動はどうしていますか?
妊娠中に運動して大丈夫?
医師から特に指示されていない妊婦さんは
適度な有酸素運動であれば問題はないとされています。
適度な運動を行った場合
早産や低出生体重児を増加させることはなく、
気分転換や健康維持につながると期待されています。
つわりが落ち着いて体調が良ければ、
妊娠12週頃から運動しても大丈夫だと言われています。
不安であれば妊娠16週頃から動き始めてみましょう。
この時期には胎盤がほとんど完成しているので、
流産の心配は少ないです。
運動する時に注意することは?
医師から安静の指示が出ている、
運動を禁止されている場合には
もちろん運動を行うことはできません。
- 重篤な心疾患
- 呼吸器疾患
- 頸管無力症
- 持続する性器出血
- 前置胎盤・低置胎盤
- 前期破水
- 切迫流産・切迫早産
- 妊娠高血圧症候群
などと言われている妊婦さんは
運動を行わない方がいいとされています。
また、運動中に以下のような症状が出現した場合には
速やかに中止し、必要であれば
病院に連絡するようにしましょう。
- 立ちくらみ
- 頭痛
- 胸痛
- 呼吸困難
- 足の痛みや腫れ
- お腹の張り
- 性器出血
- 胎動減少感・胎動の消失
- 破水感
心配であれば、運動をしてもよいか
妊婦健診の際に医師に確認してから
始めるといいかもしれませんね。
運動しないとどうなる?
医師の指示がない中で、過度に安静にしすぎると
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)になる
危険性が高まってしまいます。
実は、通常に比べて
妊婦さんの血液は固まりやすくなっています。
出産による出血が早く収まるように、
妊娠した時から身体が準備をしているのです。
加えて、大きくなった子宮が血管を圧迫し、
血液の流れが滞っています。
運動不足でさらに血液の流れが悪くなると、
脚に血の塊(血栓)ができやすくなってしまいます。
この血の塊が何かのきっかけで
肺に飛んでしまうと肺塞栓症となり、
母児ともに危険な状態となることもあります。
異常のない妊婦さんは、
適度な運動を行うことが望ましいです!
どんな運動をしたらいいの?
産婦人科診療ガイドライン 産科編2020において、
妊娠中に好ましいスポーツとして
- ウォーキング
- 水泳
- ヨガ
- ラケットスポーツ
- エアロビクス
- 固定自転車
- ピラティス
が挙げられています。
個人的におすすめの運動はウォーキングです。
どこか目的地を決めて歩いてもいいし、
最寄駅より1駅前で降りて歩く、
遠回りして帰ってくるというのもいい運動になります。
また、プールもおすすめです。
水中では、浮力のおかげで体の重さをあまり感じず、
カロリー消費も大きいです。
カナダのガイドラインでは
妊娠中の適切な心拍数も定められており
- 20-29歳:135-150回/分
- 30-39歳:130-145回/分
- 40歳以上:125-140回/分
となっています。
負荷をかけすぎない、
有酸素運動を心がけてくださいね!
【この記事を読んだあなたにおすすめ】
【参照】
肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017年改訂版)
産婦人科診療ガイドライン 産科編2020 CQ107