毎年9/26は「世界避妊デー(World Contraception Day)」
9/28は「安全な妊娠中絶のための権利の日(International Safe Abortion Day)」
であることを、ご存知でしょうか?
「世界避妊デー」は、
すべての妊娠が望んだものになるように
避妊の正しい知識を普及するため、
「安全な妊娠中絶のための権利の日」は、
女性の権利として安全な中絶を支持するための日です。
世界における望まない妊娠は年間およそ8000万件、
危険な妊娠中絶は2200万件に上るとも言われています。
日本は先進国の中でも避妊や中絶、
そして性教育そのものに関する普及が遅れていると
耳にされたことがある方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
今年5月には、緊急避妊薬の薬局販売解禁に向け
4年ぶりに議論が再開されるなど、話題にもなりました。
普段、このサイトでは
妊活や妊娠・出産、育児に関する記事を
メインで投稿していますが、
本記事では避妊に関する内容について
書いていこうと思います。
女性の権利として、そして、多くの人にとって
妊娠することが喜ばしいことになることを願っています。
日本の避妊に関する現状
厚生労働省の調査によると、
2019年度の人工妊娠中絶は156,430件。
前年度の2018年に比べると5,311件(およそ3.3%)の
減少が見られましたが、
それでも約15万件もの望まない妊娠による
中絶手術が行われたということになります。
年代別に見ていくと、
- 20代未満が約1.2万件
- 20~24歳で約3.9万件
- 25~29歳で約3.1万件
- 30~34歳で約2.9万件
- 35~39歳で約2.8万件
- 0~44歳で約1.3万件
行われています。
人工妊娠中絶について
「人工妊娠中絶」とは、母体保護法に基づいて、
赤ちゃんが子宮の外で生活できない時期(妊娠21週6日まで)
に限り、妊娠を継続しない選択ができる
というものです。
日本では以下2つの条件で、中絶を選択できます。
- 妊娠の継続または分娩が、
身体的または経済的理由により、
母体の健康を著しく害する恐れがある場合 - 暴行もしくは脅迫によって、
または抵抗もしくは拒絶することが
出来ない間に、姦淫されて妊娠したもの
このとき、中絶には「本人とパートナーの同意書が必要」と
母体保護法で定められており、
例外的に、パートナーが不明なときやレイプなどのときは
本人の同意書のみで手術が可能です。
中絶手術には、
- 妊娠初期(11週6日まで)は、約10~20万円
- 妊娠中期(12週~21週6日)で、は30~50万円
かかると言われています。
どちらの期間であっても、健康保険適用外のため
すべて自費診療になります。
「中絶すると妊娠できなくなる」は本当?
「中絶を行うと妊娠ができなくなる」
もしかしたら、このような噂をどこかで耳にした方も
いらっしゃるかもしれませんね。
この噂に関しては、「妊娠が難しい可能性もある」
というのが正しい知識になります。
というのも、手術中に子宮の壁を破ったり、
胎盤が残ったり出血が長引くなどのトラブルが
起こることもあります。
この手術中のトラブルによって合併症が引き起こされると
次回の妊娠が難しくなるというケースがあります。
確実な避妊の方法
確実な避妊、つまり「妊娠しない」方法だとすれば、
それは性行為自体を行わないことでしょう。
しかし、そうではなくて
性行為はするけど、妊娠はしたくないということであれば
コンドームやピルなどの避妊具を
使った避妊方法になります。
ですが、望まない妊娠によって、
心や身体に傷を負わないために
まず取り組むべきは、「避妊について正しく知る」こと
と思います。
日本では避妊法としてコンドームを選択する人が
多いと言われています。
実はコンドームをしていても
妊娠する確率は約14%に上るようです。
14%というと、7回に1回は
避妊していたのに妊娠してしまう、という計算になります。
そのため、日本産科婦人科学会などでは
確実な避妊を希望するのであれば、
コンドームと低用量ピルどちらも使用することを
勧めています。
※参照:日本産科婦人科学会「HUMAN+女と男のディクショナリー」
コンドームやピル以外の避妊方法は何がある?
避妊の方法は、コンドームやピル以外にも
様々な方法があります。
それぞれの年齢やライフスタイル、将来の家族予定や
パートナーの協力度などから
無理なく確実な方法について、考えましょう。
以下の表に、避妊方法について一覧にしています。
※参照:「一緒に学ぼう避妊のススメ」
ちなみに、よく聞く避妊方法で
「膣外射精」があるかと思います。
これは避妊の失敗率が非常に高く、
完全な避妊は不可能です。
もしも望まない妊娠をしてしまったら…
しかし、もしも避妊をせずに性交渉をしてしまったり
避妊に失敗したとき、ピルを飲み忘れたり、
意図せず妊娠してしまったら…
このとき、最後に取ることが出来る手段として
「緊急避妊薬」の使用があります。
「妊娠するかも、妊娠してるかも」と思ったら
72時間以内(3日間)に産婦人科を受診して、
1回の服用でおよそ80%の望まない妊娠を避けることが
できると言われています。
緊急避妊薬には主に2種類あります。
LNG法
2011年に承認された避妊方法。
処方されたホルモン剤を性交渉後72時間以内に服用します。
24時間以内の服用であれば、95%の割合で妊娠を回避できるとされています。
ヤッペ法
プラノバール錠を性交渉後72時間以降に服用し、
さらにその後12時間以降に服用した場合、
77%の割合で妊娠を回避できるとされています。
緊急避妊薬はあくまでも「緊急」
そのため、妊娠を望まないのであれば
低用量ピルを活用して確実な避妊を行いましょう。
おわりに
今回は普段のママケリーwebと少し変わって
妊娠しないための方法について、紹介しました。
女性の社会進出が進展していく中で、
より多くの女性の人生が輝くものであるために、
女性が自分自身で、自分を守る方法や
知識を届けてみました。
冒頭でも記載したように、
多くの方の人生の中で、妊娠することが
喜ばしい出来事になるように願ってやみません。
【この記事を読んだあなたにおすすめ】
緊急避妊薬が薬局で手に入るように!よくわかるメリット・デメリット解説
【参照】