意外と思われるかもしれませんが、
春にかく汗のニオイは、とくに強いといわれています。
自分で気付きにくい体臭は、
人に不快な思いをさせてしまう前に、
きちんと対策しておくことが大切です。
今回は、春の体臭について、
その特徴と改善策を解説していきます。
ぜひご覧ください。
春の体臭がキツくなる意外な理由とは?
春の体臭がキツく感じる理由には、
汗をかく機会が増えることと春の汗の特徴にあります。
それでは、詳しくみてみましょう。
緊張やストレス
春は入学や人事異動、転勤、引っ越しなど、
環境の変化により
緊張やストレスを感じることが多い季節です。
こうした精神的な負担は、手のひらやワキ、足の裏などに
「精神性発汗」を生じさせる原因となります。(※1)
この発汗は暑さでかく汗と違って、
量は微量で発汗時間が短いといわれています。(※2)
ベタついて乾きにくい
冬の間は汗をかく機会が少ないため、
汗腺は休眠している状態、いわゆる「休眠汗腺」
であることが多くなります。
春先になり気温が上昇して休眠汗腺が急に働くと、
ミネラル分を多く含み、
ベトベトした濃い汗が吹き出します。
このような汗は乾きにくく細菌が繁殖しやすいため、
ニオイを強く感じるのです。
春の体臭を根本から抑えるポイント5選
体臭は体質によるものであることが多いので、
一時的にごまかせても
症状を繰り返してしまう場合があります。
体質から改善していくには根本的なケアが必要です。
ここからは、体臭を根本から抑える5つのポイントを
ご紹介します。
体臭が強くなる食べ物を避ける
揚げ物や天ぷらといった油っぽいものや、
肉中心の食生活の場合、
汗の中のニオイ成分が増えて
体臭が強くなってしまうので要注意です。
さらに春は、気候の変動やストレスから
自律神経が乱れやすくなるために
体臭があらわれやすくなります。
自律神経の乱れから腸内環境のバランスが乱れ、
悪玉菌が増加することが原因です。
豆類や海藻類など食物繊維を多く含む食材を
積極的に摂り、腸内環境を整えましょう。
汗腺を鍛える
体臭が気になる方の多くは、汗をなるべくかかないように考えがちですが、
しっかりと汗をかいて汗腺を鍛えることは大切です。
汗をかく機会が減ってしまうと
汗腺の機能がなまってしまい、
休眠汗腺を増やしてしまうからです。
運動や入浴で定期的に汗をかく機会を作ることで、
汗腺の機能を鍛えることができます。
濡れタオルや汗拭きシートでふき取る
かいた汗を素早く落ち着かせるには、乾いた布ではなく、
濡らしたタオルや汗拭きシートでぬぐうのが効率的です。
暑さでかいた汗は本来、肌の上で蒸発して
体温を下げることが目的なので、
乾いたタオルでぬぐってしまうと、
さらに汗の量が増えてしまうため逆効果です。
濡れタオルを使用すれば、
汗の代わりに肌表面の熱を下げることができるため、
汗が止まりやすくなります。
冷却効果のある汗拭きシートであれば、より即効性が期待できます。
デオドラント剤を使用する
デオドラント剤は、雑菌の繁殖を防いで、
気になる汗のニオイを抑えてくれます。
形状は、
- スプレー
- シート
- パウダー
- ロールオン
- クリーム
などさまざまです。
使用部位や肌質、体質に合ったものを選びましょう。
スプレータイプは広範囲に使える便利さがありますが、
密着力を重視したいならクリームタイプがおすすめです。
ベタつきが気になる人は、
パウダータイプも試してみましょう。
衣類の清潔を保つ
衣類についた汗を放置すると、水分だけが蒸発して、
汗に含まれる塩分や乳酸、尿酸など(※3)の成分が
濃縮されてしまいます。
蓄積された成分は、皮膚の汚れや雑菌と混ざることで
菌が繁殖し、ニオイの原因となるのです。
衣類に汗がしみこんだときは、
すぐに着替えるのがベストです。
肌に直接触れる下着を清潔にするだけでも、
体臭を防ぐことができます。
体臭が気になる人には漢方もおすすめ
体臭を根本から改善していくことを目指すには、
漢方もおすすめです。
体臭が強くなる原因は、
汗や皮脂が雑菌により分解されることで生じる老廃物や、
ストレス・緊張などによる発汗と考えられています。
体臭の対策には、
- 水分バランスを調整して過剰な汗を抑える
- 自律神経を整えてストレスや緊張による発汗をやわらげる
- ニオイの原因となる老廃物を排出する
といった漢方薬を選び、
からだの内側からの根本改善を目指します。
漢方薬は体質改善に働きかけるので、
今ある体臭の緩和だけでなく、
体臭が生じにくいからだづくりにも役立ちます。
春の体臭対策におすすめの漢方薬
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
汗をかきやすく、色白で疲れやすい人におすすめです。
からだの水分バランスを整えることで過剰な汗を抑えます。
多汗症に使われるほか、
肥満症や関節炎の治療にも用いられます。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
緊張やストレスなどから精神状態が不安定で、
動悸、不眠などを伴う人におすすめです。
多汗症に用いられ、気(エネルギー)の巡りをよくし、
こもった熱を冷ますことで精神を安定させます。
漢方薬には、からだの内側からアプローチをすることで
体臭の根本から改善を目指していく
というメリットがありますが、
選び方にはちょっとしたコツがあります。
その人の体質や原因、生活背景までも
考慮する必要があるのです。
きちんと合ったものでないと、効果があらわれないばかりか
副作用が生じることもあるため、
漢方の専門家に相談して選ぶことをおすすめします。
最近では漢方の専門家がAIを使って、
自分に合った漢方薬を選んでくれるサービスもあります。
お手頃価格で自宅に郵送もしてくれるので、
まずは気軽にはじめてみてはいかがでしょうか。
●あんしん漢方
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春の体臭はごまかさない!
春の体臭は、根本から改善するケアを心がけることが大切だ
ということがおわかりいただけたかと思います。
お伝えした方法や、専門家の選ぶ漢方薬で
体質改善を目指してみてください。
ただし、改善の兆しがみられなかったり
症状が強かったりする場合は、
迷わず皮膚科や形成外科を受診しましょう。
参考文献
(※1)原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版
(※2)坂口正雄「発汗の計測 〜精神性発汗から多量発汗まで〜」 消費科学解説記事掲載論文 2009.2
(※3)菅瀬貞治、津田孝雄「ヒト汗中の乳酸, 尿酸, キサンチン, チロシンの高速液体クロマトグラフィーによる定量, 及びワイン摂取後の汗中の乳酸濃度変化」2002
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/修士(薬学)/博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、
大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、
漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、
大阪大学で博士研究員として従事。
現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、
漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたい
という想いから、オンラインAI漢方「あんしん漢方」で
情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)
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