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PMSとの違いは何?月経困難症の症状と原因を分かりやすく解説

お腹を抱える女性

生理のあり方は、個々人によって大きく異なります。

非常に軽い人もいれば、

病気にも似た症状に悩まされる人もいます。

 

今回は後者に焦点を当てて、少なくない数の人を悩ませる

「月経困難症」について解説していきます。

 

 

月経困難症の症状

 

月経困難症とは、

生理期間中及びその直前に生じる病的な症状

を指す言葉です。

 

症状は個々人によって異なりますが、

お腹や腰、また肛門あたりに痛みが起きたり、

吐き気やいらいらなどが起きたりする可能性が

高いといえます。

 

月経困難症は10代~20代の

若い世代に起きることが多いものです。

思春期から若年の女性の4人に1人が

この月経困難症に悩まされているという報告があります。

また、月経困難症によって学校を休む人も多くみられます。

 

月経困難症は、多くの場合、

初めての生理を迎えた半年後から始まります。

初めての生理はだいたい1213歳くらいに

始まることを踏まえれば、

月経困難症は12~16歳くらいのころから始まることが多い

といえるでしょう。

 

機能性月経困難症(後述します)の場合は

基本的には年を重ねることで落ち着いていきますが、

40代になっても月経困難症に悩まされる人もいます。

 

この辛い月経困難症の原因は、2つあります。

1つは、「プロスタグランジン」と呼ばれる

物質によるものです。

 

これは子宮を収縮させる働きを持っている物質であり、

子宮の中に溜まった経血を押し出す役目を担っています。

ただこのプロスタグランジンの分泌量が多すぎると、

子宮が収縮しすぎてしまい、痛みが発生するのです。

 

またこれ以外にも、子宮の出口が

狭すぎることによっても痛みは起きます。

 

そしてもう1つは、子宮の何らかの異常によって

起きるものです(これに関しては後述します)。

 

【参考】日本産婦人科医会内女性労働協会調査「5. 月経困難症」

 

 

PMSとの違い

 

月経困難症について調べていると、

PMSとどう違うの?」と

疑問を抱くことになる人も多いと思われます。

 

月経困難症もPMSも生理に関係する症状であること

には変わりありません。

 

しかしPMSの場合は、

生理期間に入る前の段階で症状が出てきて、

生理になれば症状が軽くなる(あるいはなくなる)

という特徴を持っています。

 

対して月経困難症の場合は、

生理の直前~生理中に症状が出て、

それが続きます。

 

またPMSの場合は胸のハリやむくみなどが

みられることが多いのですが、

月経困難症の場合は痛みやイライラなどの症状が

みられることが多いという違いもあります。

 

 

機能性月経困難症と器質性月経困難症

 

さてこの月経困難症ですが、これは、

  • 機能性月経困難症
  • 器質性月経困難症

 

2つに大別されます。

 

機能性月経困難症

機能性月経困難症は、

思春期の少女に起こることが多いものです。

 

すでに取り上げたプロスタグランジンの過剰分泌や、

子宮の出口が狭いことで起こる

痛みをもたらす月経困難症は、

この機能性月経困難症に分類されます。

 

器質性月経困難症

機能性月経困難症は明確な特定の疾患を伴わず、またこれを原因ともしませんが、

器質性月経困難症の場合は疾患と深く関わります。

 

器質性月経困難症の場合、

子宮内膜症や子宮筋腫などを原因とすることが多く、

30歳以上の女性にもよくみられます。

 

機能性月経困難症は、年齢を重ねることで

落ち着いていくケースが多いのですが、

器質性月経困難症の場合は年齢を重ねることで

逆に病気が進行していくことが多いといえます。

 

 

生理痛で考えられる他の病気

 

器質性月経困難症は病気を原因として

起こりうるものですし、

また放置しておくことで

病気が進行していく可能性が高いものです。

 

ここでは月経困難症と関わりの深い

病気について解説していきます。

 

子宮内膜症

子宮の内側に存在するはずの「子宮内膜」が、

子宮の外側で増えてしまう病気

「子宮内膜症」といいます。

 

これを放置しておくと、強い痛みに苛まれたり、

不妊になったりする可能性が高いといえます。

 

ライフスタイルが大きく変わるであろう

20代半ば~35歳までの女性に頻出する病気であり、

女性の人生そのものに影響を与える病気でもあります。

 

子宮腺筋症

上で述べた「子宮内膜」とよく似た組織が、

子宮の筋肉組織の中にできてしまうのが、

「子宮腺筋症」です。

 

これは、女性ホルモンであるエストロゲンによって

進行していくものであるため、

生理がある限りずっと続いていく病気であるといえます。

 

月経痛を伴うほか、

不妊や流産・早産になる確率を高める病気でもあります。

 

子宮筋腫

「子宮筋腫」という言葉は、

生理周りのことを勉強しているときには

よく目に入るものではないでしょうか。

 

これは、子宮の筋肉組織にできる腫瘍のことです。

 

「腫瘍」というと「がん」を思い浮かべる人も

多いかと思われますが、

これはあくまで「良性の腫瘍」にすぎません。

 

子どもを産める世代の女性のうち、

5人~3人に1人がこの子宮筋腫を患っている

といわれています。

 

基本的には悪化することはなく、

痛みなどの症状も伴わないケースが多いといえます。

 

ただ、ここまで述べてきたように、

月経困難症の原因の1つとなることはあります。

また、筋腫のサイズが大きすぎる場合などは、

不妊を招いてしまうこともあります。

 

 

月経困難症の治療方法

 

月経困難症は、治療をすることで症状が軽くなります。

基本的には服薬で対処していくことになるのですが、

その治療薬の種類はさまざまです。

 

たとえば、以下のようなものがあります。

 

鎮痛剤

痛みを生じさせるプロスタグランジンの働きを抑制する鎮痛薬は、機能性月経困難症のときによく使われます。

 鎮痙薬

子宮が成長途中であることを原因として症状が出ている場合は、けいれんを鎮める効果を持つ鎮痙薬(ちんけいやく)が使われます。

 ホルモン剤/ピル

「生理の悩み」といえば「ホルモン」という単語を連想する人も多いかと思われますが、これも月経困難症の治療薬として利用されます。
低用量のピルの場合、機能性月経困難症にも器質性月経困難症にも効果を示します。
また、ホルモン剤は器質性月経困難症の治療において中心的な役目を示します。
ホルモン剤の利用によって、子宮の異常自体を改善することもできると考えられています。

 漢方薬

体を整える効果を持つ漢方薬も、月経困難症の治療に使われます。
そのすべてを挙げることはしませんが、たとえば桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などが月経困難症の治療によく使われています。

 

 

なお、これらの薬は勝手に服用したり、

また勝手に服用をやめたりしてはいけません。

必ず医師の指導の下で使うようにしてください。

 

 

もしかして月経困難症かも?チェックポイント

 

「ここまで読んできたけれど、病院に行くほどではない気がする」

「痛みはあるけれど、毎月耐えられている。時間のないなかで病院に行くのは……」

と思っている人もいるかもしれません。

 

しかし月経困難症は、その裏側にもっと深刻な病気が

潜んでいるかもしれないものです。

また、治療薬を飲むことで症状が楽になるものでもあります。

そのため、一度ば病院の門を叩いてみるべきだといえます。

 

特に、下記のチェックリストに多くあてはまる人は要注意です。

 

 

 

まとめ

 

多くの女性を悩ませてきた「月経困難症」は、

非常に厄介なものです。

 

毎月やってくる痛みや不快感を想像するだけで、

辛く悲しい気持ちになるという人も多いことでしょう。

 

しかしこの月経困難症は、多くの人に研究され、

また多くの治療薬が出ているものでもあります。

 

早めに病院に足を運び、治療を受けるようにしてください。

 

 

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【参考】

日本産婦人科医会「月経困難症」

横浜医師会 ラジオ番組「みんなの健康ラジオ 月経困難症」(2018年6月14日放送)

日本内分泌学会「子宮腺筋症」

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