2020年に誕生した菅内閣。
少子化対策として「不妊治療を保険診療にする」
という考えを明らかにし、
2021年1月より不妊治療費用の助成金が拡充されました。
現在日本では、全出生児の6%にあたる
5万6617人(2017年)が生殖補助医療で誕生しています。
また、実際に不妊治療や検査を
受けた経験がある・現在も受けている夫婦の割合は、
全体の18.2%となっています。
この記事では、不妊治療がどのような流れで進むか、
仕事と治療との両立について
加えて、現在行われている特定不妊治療助成金について
紹介します。
不妊治療とは
「不妊」とは、健康な男女が避妊をしないで
性交をしているにもかかわらず、
1年間妊娠しないことだと定義されています。
(公益社団法人日本産科婦人科学会)
不妊の原因は男性と女性のどちらにもある
と言われていますが、
検査をしても原因がわからない場合もあります。
(WHO)
不妊治療は
- 原因検査
- 原因に対する治療
- 一般不妊治療
- 高度不妊治療
の順番でステップアップしていきます。
不妊治療の流れ
原因検査
- 男性不妊
- 女性不妊
- 原因がわからないもの
の3つに大別されます。
- 診察
- 精子の所見
- 画像検査
- 血液検査
などが行われます。
保険適用であることが多いです。
原因に対する治療
男性不妊の治療
- 精管閉塞
- 先天性の形態異常
- 逆行性射精
- 造精機能障害
などに対して手術療法や薬物療法が行われます。
女性不妊の治療
- 子宮奇形
- 感染症・子宮内膜症による癒着
- ホルモン異常による排卵障害や無月経
などに対して手術療法や薬物療法が行われます。
一般不妊治療
タイミング法
排卵日をエコー等で診断し、
性交のタイミングを合わせる
卵誘発法
内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を人工的に起こす
人工授精(AIH)
精液を注入器で直接子宮に注入する
主に夫側の精液の異常や
性交障害が原因の場合に用いられます。
高度不妊治療
生殖補助医療(ART)
体外受精
体外で自然に受精させ、妊娠を図る
採卵を伴うため女性の負担が大きくなります。
人工授精後や女性不妊の場合に用いられます。
顕微授精
体外受精のうち、顕微鏡下で人工的に受精させるもの
卵子に注射針で精子を注入する等が行われます。
不妊治療は1回あたり30分~2時間程度を要しますが、
月経周期に合わせて2~10日間通院する必要があります。
以下の表はその目安を示したものです。
さらに、治療による
身体的・精神的・経済的な負担を伴うため、
女性は見かけ以上にストレスを
抱えている可能性があります。
「特定不妊治療助成金」の内容
政府は2021年度から、
「不妊に悩む方への特定治療支援事業」を拡充しました。
それでは、事業の概要について紹介します。
対象治療法
体外受精および顕微授精
これら2つの治療方法を「特定不妊治療」と呼びます
※2021年1月1日以降に終了した特定不妊治療が対象
対象者
特定不妊治療以外の治療法によっては、妊娠の見込みがない
または極めて少ないと医師に診断された夫婦
※治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満であること
給付内容
①1回30万円
通算回数 : 1子ごと6回まで
※妻が40歳以上43歳未満の場合:1子ごと3回まで
※凍結胚移植や採卵したが卵が得られないなどのため中止した治療 の場合: 1回10万円
②男性不妊治療は30万円
※男性不妊治療とは、精子を精巣または精巣上体から採取する手術
また、このほかにも
- 所得制限の撤廃
- 事実婚関係にある夫婦も対象
(原則は法律婚の夫婦が対象)
といった、助成適用の拡充が図られています。
不育症の検査費用についても助成事業が実施されています。
不妊治療と仕事の両立って難しい?
近年の晩婚化等を背景に
不妊治療を受ける夫婦が増加しており、
働きながら不妊治療を受ける方は増加傾向にあります。
しかし厚労省の調査によると、
16%が離職していることが明らかになっていること
加えて、不妊治療と仕事を両立するための支援については、
企業独自の取り組みに委ねられているのが現状です。
不妊治療が保険適用になることで、
働きながら不妊治療を受ける方が
一層増加することが予想されます。
テレワークが浸透してきたように、
不妊治療と仕事の両立ができる働き方が
今後広まることを願わずにはいられません。
全ての女性の味方、ママケリー🐼
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【参照】
厚生労働省 不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル