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分娩について|帝王切開になる原因は?【NPO法人はっぴぃmama応援団】

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本記事では、「お産=赤ちゃんを産む」

ということについてお伝えしていきます。

お産をするということ自体は、今も昔も変わりません。

 

お産は、自分で決めるというより、

病院やお医者さん・助産師さんにお任せするものと

思っている方も多いかもしれません。

しかし、現在は産む施設や方法、周囲の環境など、

ママ自身が選択できるものも増えています。

 

ママやパパがどのようなお産を望んでいるか、

出産時どのようにサポートしてほしいか、

出産後はどのように過ごしたいかなど、

バースプランを作成し、

お産の前に助産師さん等と話し合う施設も増えています。

 

お産に対して大きな不安を抱えている方も多いと思います。

その気持ちは当たり前のものですが、

出産する場を自ら選択し、

自分たちなりのバースプランを考えてみましょう。

 

お産をイメージすることによって

少しでも不安軽減につながればと思います。

その選択のために、お役に立てる情報をお伝えします。

 

 

お産(分娩)の種類

 

お産は大きく、経腟分娩帝王切開

2種類に分類されます。

 

それぞれを見ていきましょう。

 

 

経腟分娩

 

経膣分娩とは、陣痛がおこり、

赤ちゃんが産道を通って膣から出産する方法です。

 

3つの要素

お産がスムーズに進むには、「陣痛」「産道」「赤ちゃん」

の3つの要素がかみ合うことが大切です。

 

お産が長引いたり、なかなか進まなかったりするときは、

何が起きているのかを担当医師や助産師が確認します。

必要な場合、医療処置を行うこともあります。

 

陣痛(子宮収縮)

規則的に子宮が収縮することで、

子宮の入り口(子宮口)がだんだんと開き、

赤ちゃんも少しずつ下がってきます。

 

陣痛は定期的に10分間隔(1時間に6回以上)になったら、

お産の始まりとされます。

お産が進むにつれて陣痛の強さは強く、持続時間も長く、

間隔は短くなっていきます。

 

産道

産道には、子宮の下部、頸部、膣、外陰部などの

筋肉や靭帯からできている軟産道と

骨盤の骨に囲まれた内側の部分である骨産道とがあります。

 

  • 通り道である産道が狭い(骨盤自体が狭い・難産道が広がりづらい等)
  • 通り道が曲がっている(骨盤のゆがみ等)
  • 通り道に対して赤ちゃんの頭が大きすぎる場合など

産道を通れないときには帝王切開になることもあります。

 

骨産道が整っており、軟産道もやわらかく広がっていくと、

赤ちゃんはスムーズに通り抜けられます。

 

骨産道を整えるためにも、こちらをぜひ参考ください。

妊娠中にできる!おすすめセルフケア6選

 

赤ちゃん

赤ちゃんは顎を引きながら背中を丸め、

お母さんの骨盤の形に合わせて頭の角度や向きを変え、

狭い産道を回りながら通り抜けてきます(回旋)。

 

回旋する方向が違っていたり、

顎の引き方が不十分だったりすると

上手く産道を通れず、お産が長引くことがあります。

 

また、赤ちゃんは頭の骨を重ね合わせて、

頭を小さくして産道を通り抜けてきます(児頭応形機能)。

 

 

無痛分娩

 

無痛分娩とは、

麻酔を用いてお産の痛みを緩和しながら出産することです。

痛みが全くないわけではありあせん。

痛みの感じ方は人それぞれであり、

陣痛やお産の時に伴う痛みを緩和するものです。

 

無痛分娩の麻酔は、一般的に

硬膜外麻酔
(腰の辺りに局所麻酔をした後、カテーテルから麻酔薬を持続的に注入して行く方法)

が使用されます。

麻酔を開始するタイミングは施設によって異なります。

 

※無痛分娩を実施している施設と実施していない施設があります。

※お産の進行状況(子宮口の開き具合、陣痛の強さなど、病院によってタイミングは異なります。)をみて麻酔を開始していきます。

 

無痛分娩で起こるリスク

  • 分娩遷延
    硬膜外麻酔によって運動神経が麻痺してしまい、
    分娩時間の延長や鉗子・吸引分娩(機器を使用した分娩方法)を必要とする場合があります。
    場合によっては分娩に時間がかかり、陣痛促進剤を投与することもあります。
  • 下肢のしびれ
    麻酔によって痛みを取ると下肢の神経も遮断されます。
    そのため、足の感覚が鈍くなったり、足を動かしにくくなったりすることがあります。
  • 排尿障害
    麻酔の影響で尿意を感じにくくなり、尿意があっても思うように排尿できなくなる場合があります。
    この場合は尿道に管を入れて排出します(導尿)。
  • 体温が上がる

  •  血圧低下

 

無痛分娩は一般的に硬膜外麻酔を使用します。

そのため、脊椎・脊髄に何らかの疾患をお持ちの方、出血しやすい方、

麻酔にアレルギーがある方などは無痛分娩ができない場合があるので主治医に相談が必要です。

 

 

お産のスタイル

 

フリーススタイルでのお産、分娩台でのお産など、

お産の方法は多様です。

 

ご自身の望む方法ができるかどうかは、

施設によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

 

分娩室と陣痛室が別の施設や、

陣痛、お産、出産後も部屋の移動をせずに設計された部屋で

出産できる(LDR)がある施設もあります。

 

親子の指

 

分娩台での出産

分娩台のある病院やクリニックでは、

分娩台の上での出産が主かと思います。

 

分娩台の上で、仰向けでの出産となります。

 

フリースタイル

自分の好きな姿勢・体勢で産むことです。

例えば、四つん這い、スクワットのような姿勢、

椅子にひじをついた姿勢での出産などがあります。

 

病院やクリニックではできる施設と

できない施設があるので事前の確認が必要です。

分娩台のない助産院はフリースタイルでの出産と思います。

 

 

帝王切開

 

赤ちゃんとママの安全を一番に考え、

出産時のリスクを避けるために選ばれる方法です。

経腟分娩が難しいと判断された場合に、

お腹と子宮を切開して赤ちゃんを取り出す手術です。

 

あらかじめ手術が決まっている「予定帝王切開」

経腟分娩の途中で突発的なトラブルが起きて

帝王切開に切り替える「緊急帝王切開」があります。

 

日本では「陣痛に耐えてこそ出産」という意識が根強く、

帝王切開で出産すると「自然に産んであげられなった」と

落ち込む人もいます。

しかし、帝王切開は赤ちゃんを無事に

この世に送り出すために必要な出産方法です。

 

最近は、日本では約5人に1人は

帝王切開で産むとも言われています。

自然分娩か帝王切開かということが

母性に影響することはなく、

赤ちゃんの成長にも相関関係は一切ありません。

 

帝王切開の流れ

施設によって違うこともあります。

  1.  検査
    超音波検査、NST(ノンストレステスト)、心電図、胸部レントゲン、血液検査などを行います。
  2. 手術前の処置
    必要な場合は傷周囲の剃毛、消毒を行います。
    また、血栓予防のために足に弾性ストッキングの着用や
    緊急時に輸血・投薬できるよう血管の確保も行います。
  3. 麻酔
    赤ちゃんの顔を見たり、産声も聞いたりできるように、
    下半身だけに麻酔をかける硬膜外麻酔や腰椎麻酔がよく使われます。
    緊急時は全身麻酔になることもあります。
  4.  切開
    予定帝王切開の場合は、医師との相談で縦切開(へそ下10㎝くらい)と、
    恥骨上あたりの横切開を選択できる場合があります。
    緊急時は縦切開になることが多いです。
  5.  赤ちゃんの誕生
    切開から誕生までは5分程度です。
    その後、胎盤やへその緒を取り除く処置をします。
  6.  切開部を縫合

  7.  ベッドで過ごす
    医師の許可が出るまではベッドで横になって過ごします。
    水分や食事の指示があるまでは点滴を実施します。
    また、動けるようになるまでは尿管での排尿となります。

 

医療器具

 

帝王切開後

手術後のスケジュールは施設によって異なります。

しかし、産後の回復や血栓予防のために

早期離床が重要です。

 

ベッド上で足を動かしたり、体調をみて起き上がったり、

歩行をしたりしてみましょう。

体調をみて、授乳や赤ちゃんのお世話も実施しましょう。

 

手術後、麻酔が切れたときに切開部分の痛み

子宮収縮の痛み「後陣痛」がでてくることがあります。

医師や助産師に伝え、

鎮痛剤を処方してもらうこともできます。

 

手術の傷や痛みが気になり、

赤ちゃんのお世話をするときに、

お腹に力が入りにくいこともあると思います。

傷口を刺激しにくい下着の利用や

姿勢を工夫してみましょう。

 

予定帝王切開と緊急帝王切開

 予定帝王切開になる原因

 

  • 帝王切開の既往
    一度子宮を切開して縫合しているため陣痛などに耐える力が弱くなっている可能性があり、子宮破裂のリスクがあります。
    前回の手術の経過や医師の判断、施設の条件によっては、経腟分娩が可能な場合もあります。
  • 子宮筋層に及ぶ手術の既往

  • 逆子(骨盤位)

  •  双胎・多胎妊娠
    双胎は、赤ちゃんの位置によっては経腟分娩できる場合があります。
  •  児頭骨盤不均衡
    (赤ちゃんの頭が骨盤に比べて大きい状態)
  •  前置胎盤
    (子宮の入り口をふさぐような位置に胎盤がある状態)
  •  子宮筋腫

  •  高齢出産

 

緊急帝王切開になる原因

  • 胎児心拍異常
    (何らかの原因で分娩途中に赤ちゃんの心拍の波形で苦しいサインが出ている状態。)
  • 常位胎盤早期剥離
    (通常赤ちゃんが生まれてから剥がれる胎盤が、妊娠中や出産前に剥がれてしまうこと。)
    赤ちゃんに酸素が届きにくくなり、子宮内に大量の出血が起こります。
    一刻を争う事態で、赤ちゃんを早く取り出す必要があります。
  • 妊娠高血圧症候群

  • 微弱陣痛
    (何らかの原因で陣痛が弱く、有効な陣痛がつかない状態)
  • 回旋異常
    (お産の際に赤ちゃんが何らかの原因でうまく回ることができていない状態)

 

気になる症状、不安なことなどあれば我慢せず、

遠慮なく聞くようにしましょう。

医師・助産師は、妊娠中やお産の経過を

注意深く観察しています。

もし突発的なトラブルが起きても、

その時々の状況で対応していきます。

 

 

お産に伴う医療処置

 

万一に備え、安全にお産をするために医療処置が必要になることがあります。

  • 導尿
    膀胱を空にして、赤ちゃんが下がりやすくします。
  • 血管確保
    お産時の出血など、万一のトラブルに備えて主に腕の血管に針を刺しておきます。
    必要時、そこから点滴や薬剤を投与します。
  • 陣痛誘発・陣痛促進
    予定日を過ぎても陣痛がこなかったり、陣痛が進まなかったりした場合、陣痛誘発や陣痛促進を行う場合があります。
    子宮口が開いていないときは、子宮口を広げる処置を行います。
    また、陣痛が弱いときは陣痛促進剤を使うことがあります。
  • 鉗子分娩、吸引分娩

  •  会陰切開、会陰縫合

 

お産時に会陰の伸びが不良な場合や

赤ちゃんの頭が大きい場合、

赤ちゃんが出やすくするため人工的に会陰の一部を

切開することがあります。

赤ちゃんが生まれ胎盤が出てから、切開部を縫合します。

 

 

まとめ

 

妊娠してから赤ちゃんが産まれてくるまで、

お母さんは喜びや楽しみ、赤ちゃんに会える期待、

何が起こるか予想できない不安など

さまざまな感情でいっぱいのことと思います。

 

人それぞれ違うように、お産も人それぞれです。

コロナの影響により、

今までできていたことができなかったり、

制限されたりすることもあるかもしれません。

 

自分たちなりのバースプランがあれば、

事前にお産予定の施設にどこまでイメージに近づけることが

できそうか確認しておくとよいと思います。

 

お産はいつ何が起るかわかりません。

思い描いていたお産ではなくなることも

あるかもしれません。

 

しかし、どんな妊娠もお産も唯一無二で、

どんなお母さんもどんな赤ちゃんも

かけがえのない存在なのです。

 

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