産後ママの悩み・トラブルへの対処法 乳房トラブル編【NPO法人はっぴぃmama応援団】

アイキャッaチ_産後ママの悩み_乳房トラブル編

生まれたての赤ちゃんは、「母乳やミルクを飲む=授乳」をすることで大きく育っていきます。

授乳をしていく中で、母乳のあげ方に戸惑ったり、

乳房そのもののトラブルに悩んだりすることは非常に多いです。

母乳を飲ませたいけれど、乳房のトラブルに不安を感じる方もいるかもしれません。

 

そこで今回は、乳房の仕組みやよくあるトラブルについて、

また、その対処方法や予防についてお伝えしたいと思います。

 

 

授乳期の栄養方法について

 

生後間もない赤ちゃんは、母乳やミルクなどから栄養をもらって成長していきます。

母乳のみで育てる場合を「母乳栄養」、

その他母乳以外の栄養で育てる場合を「人工栄養」、

そのどちらも与え併用していくのが「混合栄養」と言われています。

 

母乳や人工乳には、それぞれにメリットがあり、

現在では、どの栄養方法であっても、赤ちゃんにとって必要な栄養を与えることができます。

栄養方法は、産後の時期、ママや赤ちゃんの状況によっても変化し、

どちらでなければならないということはありません。

ママや赤ちゃん、ご家庭の状況に合わせて

安心して過ごせる選択をしていただけたらと思います。

 

【人工乳のメリット】
○飲んでいるミルクの量が分かる
○パパなど、他の人に飲ませてもらえる
○パパもミルクをあげることができる
○人に預けてママの外出や休息の時間がとれる
○ママが体調を崩したときに薬を飲める
○夜間のみミルクにするなど臨機応変な対応ができる
○ママのストレスが減る
○母乳で足りない分をミルクで補うことができる
【母乳のメリット】
○出産後、分娩台やベッドの上で生まれたての赤ちゃんに初乳を飲ませることができる
○初乳には、必要な栄養素や免疫物質が赤ちゃんの吸収しやすい形で多く含まれている
○最も消化によく、完全栄養食と言われている
○乳首を直接吸うことで口腔発達に効果がある
○産後の母体の回復を促進する効果がある
○ミルクを作る手間がない
○ミルクを購入する必要がなく経済的

 

厚生労働省の調べによると(平成27年)

生後1か月では、約97%が母乳栄養または混合栄養であり、

ほとんどのママ達が母乳による授乳を経験しています。

 

次章より母乳を与える際に起きやすい乳房のトラブルについて、

その対処法と予防についてお伝えいたします。

 

 

乳房のしくみ

 

乳房のしくみ

 

産後、母乳が分泌されるために、妊娠中から準備がされています。

女性ホルモンであるプロゲステロンエストロゲンというホルモンは、

出産前の胎盤から分泌されます。

プロゲステロンは、乳腺組織である乳腺葉を、

エストロゲンは母乳を運ぶ乳管を発達させる働きがあります。

 

産後は、プロゲステロンとエストロゲンが激減し、

かわりにプロラクチンやオキシトシンといったホルモンが分泌されます。

産後、赤ちゃんが乳首を吸うことでプロラクチンが分泌され、

乳腺葉のなかで血液から母乳が作られるように乳腺を刺激します。

 

オキシトシンは、乳腺で作られた母乳を乳管へ運ぶ役割があり、

乳管へ運ばれた母乳は乳管洞にたまります。

赤ちゃんが母乳を飲む時に、乳輪の下あたりにある乳管洞を

舌で刺激することで、乳口から母乳が分泌されます。

乳口は、乳頭の先端に15~20カ所くらい開口しているといわれていますが、個人差もあります。

 

オキシトシンは、産後の子宮の筋肉を収縮させて、

身体を回復させるという重要な役目も果たしています。

 

また、乳房はその後ろにある大胸筋が支えています。

大胸筋との境目のあたりは乳房の土台となり乳房基底部と呼ばれています。

母乳の材料となる血液を運ぶ動脈や心臓に戻していく静脈は、乳房基底部を通って血液を運んでいます。

つまり、母乳の分泌を促すには、土台である乳房基底部の血液の流れを

良好にコントロールすることも重要になるのです。

 

 

出産直後から起こりやすい乳房のトラブル

 

乳房トラブルとは、ママの乳房が強い張りや硬い部分、強い痛みなどが生じた状態をいいます。

また、乳房トラブルから発熱などの全身症状が出ることもあります。

主な乳房トラブルを紹介していきますので、ご参考にしてください。

 

乳房うっ積(にゅうぼううっせき)

 

産後数日間で起こりやすい症状です。

母乳をつくるための乳房内の血液やリンパ液がうっ血している状態のことをいいます。

(※うっ血とは、静脈や毛細血管の血流が停滞し増加した状態)

 

血液の流れが悪く、うっ血してしまうことで、

乳房の内圧が上がり、「おっぱいが張る」状態になります。

しかし、溜まっているのは血液のため、母乳があまり出ない状態です。

乳房が重く感じたり、熱くなって乳房の強い張り感が症状として起こったりします。

 

乳房うっ積

 

乳頭・乳輪部のむくみ

 

うっ積にともなって血液循環が悪化し、乳頭や乳輪がむくむことがあります。

むくんでしまうと、乳頭や乳輪部の皮膚が伸びづらくなります。

そのため、赤ちゃんが乳首をくわえる刺激で

乳頭や乳輪に痛みや傷ができやすい状態になり、

直接授乳することが難しくなる場合があります。

 

乳頭トラブル

 

乳頭や乳輪にむくみがある場合や授乳時に赤ちゃんが乳頭をくわえるのが浅くなると、

乳頭に負担がかかった状態が続き炎症を起こし、トラブルになることがあります。

乳頭のトラブルにはいろいろなものがあります。

 

例えば、

  • 乳頭・乳頸亀裂(にゅうけいきれつ):乳頭や乳頸部が切れる
  • 乳口部水疱(すいほう):乳頭の先端に白いものができている(水疱が乳口部をふさいでいる)
  • 乳口炎(白斑・乳栓):乳頭先端に白い点があり、直接おっぱいを授乳すると痛みがある
    乳房の一部にしこりができることもある
  • 乳頭炎:乳口炎の白い部分が大きくなり、盛り上がった感じで痛みを感じる

 

乳房トラブル

 

乳腺炎

 

乳腺炎は、圧迫すると痛い、熱感、部分的に赤く腫れた乳房の状態があり、38.5度以上の発熱、

悪寒、インフルエンザの時のような身体の痛みや全身症状をともなうものです。

 

乳管のつまりから、うっ滞性乳腺炎→化膿性感染性乳腺炎→膿瘍(膿みの溜まり)

と変化することがあります。

 

授乳中であればいつでも起こる可能性がありますが、

産後2~3週間に最も起こりやすく、多くは産後6週間以内に起こっています。

 

乳腺炎を起こす原因としては、以下のようなことが考えられます。

  • 乳房うっ積、乳頭・乳輪部のむくみなど、トラブルが起こっている状態
  • 授乳回数が少ない
  • 授乳間隔が空いている
  • 急に授乳をやめる
  • きついブラジャーなどで乳房が圧迫される
  • 効果的な吸啜(赤ちゃんが母乳を吸うこと)がされていない
  • ママのストレスや疲労などが蓄積している

 

【乳腺炎の主な分類】

うっ滞性乳腺炎

 

乳管のつまりやうっ血状態が長引いた場合、

溜まった母乳により乳房に炎症症状がある状態になります。

 

片側の乳房に赤み、張り、硬い部分、圧迫すると痛む、熱感があり、

全身的に軽度の発熱を起こすことがありますが、細菌感染はしていません。

 

うっ滞性乳腺炎

 

化膿性乳腺炎

 

乳房のうっ血状態が長引き、乳房の赤みや張り、硬い部分が表れ、

熱感、圧迫すると痛むなどの症状が表れます。

強く発熱がみられ悪寒や身体の痛みなど、風邪のような症状がある場合は、細菌感染が考えられます。

 

化膿性乳腺炎

 

分泌過多(ぶんぴつかた)

 

赤ちゃんが飲む量に対して分泌される母乳量が多すぎる状態です。

分泌が多すぎることで、乳房に痛みを感じたり、

飲み残した乳汁により乳腺炎を起こしやすくなったりと

トラブルの原因になることもあります。

 

乳房が張った状態で授乳をすると、勢いがよすぎて

赤ちゃんがむせたり吐いたりしやすくなるため、

授乳前に軽くマッサージや搾乳をして飲みやすい状態にしましょう。

 

赤ちゃんが上手に飲めていないと感じた時は、

飲ませ方を工夫して飲みやすくしてあげるといいです。

例えば、もう一度くわえ直しをする、抱き方を変えてみるなど試してみてください。

 

 

乳房トラブルの際の対処法

 

乳房のトラブルを感じた時、状況に合わせたセルフケアを実施してみましょう。

この時、大切なことは心地よく感じられるものを選んで、

痛みや不快感がある時は、無理して行わず、医療機関や専門職に相談・受診をしましょう。

 

乳房に熱感があるとき

 

熱感がある時は、冷やすことが必要です。

あまり冷たすぎないよう保冷剤を少し柔らかくしたものを

タオルなどで包み、症状があるところに当てます。

 

この時、一カ所にあてる時間が長すぎないようにし、低温やけどに十分気をつけましょう。

乳房や乳頭を無理にもみほぐしたりせず、痛いことはしないよう注意しましょう。

 

乳頭や乳輪が硬い時、むくんでいる時

 

乳頭や乳輪が硬い時は、赤ちゃんは上手にくわえることができません。

授乳の前に少し搾って、柔らかくしてからくわえてもらうようにしましょう。

 

硬いままくわえると滑ってうまく飲めなくなり、

くわえるのが浅くなったり、傷をつくることになったりします。

 

乳頭や乳輪に傷ができてしまったら、

傷のある方の乳房は授乳せず、少しお休みをしましょう。

お休みし、乳房の張りを感じてしまう場合は、張りを感じているところを冷やす、

抱っこの姿勢を変えてみて、短時間で吸わせるようにして早く傷を治すようにしましょう。

 

乳腺炎が疑われる時

 

乳房がガチガチに張っている、乳房が痛い、

寒気がする、熱が出た時などは、乳腺炎が疑われます。

冷やせるようなら冷やし、赤ちゃんがくわえる方向を変えたりしながら、

なるべく頻繁に授乳をしましょう。

 

授乳をしていても症状が続くときや直接授乳ができないときは、

助産師に相談することをおすすめします。

乳腺炎から膿瘍に移行する場合もあるので、痛みや張りがなかなか改善しない時は、

病院などの専門医の受診もおすすめします。

 

 

乳房トラブルの予防

 

妊娠中の準備

 

妊娠期からも乳房トラブルの予防のためにできることがあります。

 

お風呂で温まり乳頭が柔らかくなった時に汚れを取り、清潔に保ちましょう。

この時、乳房や乳頭の状態を観察して、

妊娠中から乳頭や乳輪のお手入れやマッサージ、乳房基底部を動かすなどしましょう。

 

乳頭や乳輪のマッサージをするとお腹が張る場合があるので、

お腹が張りやすい人は36週以降からはじめましょう。

やり方は、かかりつけの産院で確認してみましょう。

 

ママと赤ちゃんの姿勢の確認

 

乳房のトラブルの多くは、授乳の時に赤ちゃんが乳頭を浅くくわえることで起きます。

赤ちゃんの乳頭のくわえ方を確認してみましょう。

 

しっかりと深く乳頭をくわえて飲んでいるか、

授乳途中でお口が乳頭から離れ気味になっていないかなど、

授乳時に赤ちゃんの口の位置に注目してみましょう。

 

また、お口だけでなく赤ちゃんの身体全体も観察してみましょう。

赤ちゃんの身体が不安定になり、浅い飲み方になっているかもしれません。

例えば、手や足がバタバタしていたら、しっかりくわえることは難しいでしょう。

赤ちゃんの抱っこの仕方を変えてみることや

タオル・クッションなどを使って赤ちゃんが安定して飲めるよう工夫してみましょう。

 

また、授乳中のママの姿勢も不安定だと

赤ちゃんがうまく乳首をくわえるのが難しくなる場合があります。

ママも、座布団やクッションなどで安定して授乳できる姿勢を工夫してみましょう。

 

上手な飲み方浅いくわえ方

 

 

ママができるセルフケア

 

乳房の張り・むくみなどを軽減するために、

頻繁に授乳することもトラブル防止のケアとなります。

 

また、乳房から身体への循環をよくするために

乳房基底部の血流をよくすることもトラブル防止に繋がります。

そのためには、ママ自身の身体のケアが有効です。

肩をまわしたり、上半身をひねったり、四つん這いになって

這い這いをするなどの動きも日常生活にとりいれていきましょう。

乳房基底部の血流がよくなると、母乳の分泌も適度になりトラブルを起こしにくくなります。

また、きついブラジャーなどは避け、締め付けには気をつけましょう。

 

#3 妊婦さんに知ってほしい! 妊娠中の身体の変化と日常生活での身体の使い方」や

#4 妊婦さんに知ってほしい!妊娠中にできるセルフケア」でお伝えしたように、

日常生活において身体の使い方に気をつけることや、

深呼吸や体操などのセルフケアを実施することも、乳房のトラブル防止に繋がります。

ぜひご覧いただき、妊娠中からより心地よく過ごしていきましょう。

 

 

まとめ

 

赤ちゃんにトラブルなく母乳をあげるには、

ママも赤ちゃんも少し工夫が必要だったり、時間がかかったりする場合があります。

最初のうちはママも赤ちゃんも慣れておらず上手に出来ないことも多いので、

トラブルを起こすこともあります。

 

授乳の悩みは、赤ちゃんの成長にも影響するため、ママとしての自信をなくしたり、

落ち込んだり、大きなストレスに感じることもあります。

 

何か困ったら、一人で悩まずに、助産師や専門医等に早めに相談しましょう。

ママも赤ちゃんも変化していくので、その時の状況でトラブルを起こしにくい選択をし、

ママと赤ちゃんが笑顔で楽しい授乳の時間となるように過ごしていきましょう。

 

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