マタニティーブルーと産後うつの違いについて
お伝えしている記事はこちちら
ママやパパ、おじいちゃんやおばあちゃん、兄弟など
産後をお互いが快適に過ごすためのポイントを
ご紹介します。
これからママになる人へ
自分自身の気持ちを大切に
「マタニティブルー」は、誰にでも起こる可能がりあます。
このように知ると不安に感じるかもしれません。
しかし実際は、どのような状況になるかは分かりません。
不安に感じたり、気持ちが沈んだりした時に大切なことは、
自分自身の気持ちを、ただただ「今、不安だな~」とか
「今、気になっているな~」と受け入れることです。
「こんなことを考えるのは私だけだ」とか、
「他の人はできているのに自分ばかりができていない」と
思ってしまうこともありますが、
ほとんどのママたちがそんな思いに駆られて
不安になることがあります。
まずは、それほど不安になっていたり、疲れていたりする
自分の気持ちを受け入れて大事にしましょう。
身体が辛いときや
産後の赤ちゃんとの慣れない生活が始まり、
思うようにならないときなど、不安に思ったり、
焦ったりすることはとても自然な心の動きです。
我が子を可愛いと思えないこともあるかもしれません。
モヤモヤしたり、不安に襲われたりしたときには、
ゆっくり深呼吸してみましょう。
泣きたくなったら泣いてもいいです。
涙には、ホルモン分泌や自律神経の働きによって、
心身をリラックスさせてくれる効果があると
言われています。
泣きそうと思ったら泣きましょう。
それを抑えると余計に辛くなりますので、
自分の気持ちを大切にしましょう。
気持ちを話しましょう
弱音を吐いたり泣いたりすることは、
ダメなことではありません。
焦りや不安など、ネガティブと思われる感情も
とても大事な感情です。
その心の奥には
「母親だから、ちゃんとしなきゃ」
「ちゃんと育てなきゃ」
という気持ちが潜んでいることがあります。
赤ちゃんが生まれて数日、数週間経った時、
ママもまだ数日、数週間の経験です。
上手くいかなくて当然です。
ママも赤ちゃんと一緒に育っていけばいいのです。
そして、その気持ちを素直に
パートナーや周囲の人に話してみましょう。
話す相手は、自分自身で選びましょう。
もし、「親だから頑張れ」「今だけだから」
「そんな風に思わない方がいいよ」と言われる場合は、
それはその人の価値観として聞き流してもいいです。
ネガティブと思われるような感情でも
「その気持ちわかるよ」と
聞いてくれる人を見つけましょう。
パートナーに「今は、何も言わずに話を聞いて」と
お願いしてから話すのもいいでしょう。
気持ちを話すことで、ラクになることもあります。
まずは、言葉にしてみましょう。
ご家族や周囲の人、地域の保健師、
新生児訪問の助産師など、
ご自身が安心できる相手を見つけて話すようにしましょう。
一人で抱え込まないことが本当に大事です。
甘え上手になろう
「人に気持ちを話したり、甘えたりすることが上手じゃないです。」
というママも多いですが、
ご家族や職場で日頃からコミュニケーションをとり
「甘え上手」になれるといいですね。
私たちは、辛い時に他の人が助けてくれると言ってくれても
「迷惑をかけて申し訳ない」とか
「みんなは、ちゃんと子育てしているのに甘えられない」
とか、遠慮して優しさを受け入れられない時もあります。
人は、甘えていいのです。
甘え上手になることで、
子どもの甘えも受け入れやすくなります。
甘えることで安心して次のステップに
進むことができるようになります。
まずは、今の自分に「よくやってるね」と
自分自身を認めてあげてください。
パートナーの方に「『頑張っているね。』って言って」と
お願いして言ってもらうのもいいです。
ある研究では、複数の人から支援を受けた人ほど、
「産後うつ」の予防に繋がるということが分かっています。
いろんな人の手を借りて子育てしていくことが
ママのためでもあり、赤ちゃんのためにもなります。
子育ては、小さな命を育む大事なお仕事です。
その世界で一番大事なお仕事を毎日やっているなんて、
本当によくやっています。
自分自身に、いい子いい子しながら
少しずつ慣れていきましょう。
そして、人に頼めることは、
できるだけ頼むようにしましょう。
お願いしたことでのストレスも感じるかもしれませんが、
お願いしたことは、自分とやり方が違っても
ちょっと目をつぶって、「ありがとう」の気持ちを伝え、
ママ自身の身体を休めることを最優先にしましょう。
子育ては、思うようにならないことが多いです。
「ま、いいか」という、いい意味での妥協が
これからも大事になります。
産前からの話し合い
産後には、大変な状態になるということを
ママも周囲もお互いに知っておきましょう。
そして、出産前から
「産後は、こんな風に工夫していこう」と
話し合っておきましょう。
パパの育休の取り方や
時短で帰宅時間を早めることができるのか
祖父母からの支援はどれくらい受けられるのかなど
事前に確認しておきたいことは、
パートナーと相談して聞いてもらうようにしましょう。
この時、もし来てくれるのは助かるが
気を使ってストレスになる場合は、
どこを手伝ってほしいのか具体的に伝え、
ママにとってのストレスにならないように
支援してもらいましょう。
ご家庭によって支援体制は違いますので、
極力ストレスになりそうなことは
避けるということが大事です。
とにかく、ママ自身が産後を少しでもラクに過ごせるように
考えていきましょう。
これからパパになる人へ
ママを支えるコミュニケーション
妊娠中のママは、「マタニティブルー」の状態に
なることは珍しくありません。
そこには、身体症状の辛さから自信をなくしたり、
産後の子育てに不安を感じたりすることが多いです。
妊娠中から、やさしくお腹を撫でながら
赤ちゃんの話をしたり、産後のことを相談したり、
ママとコミュニケーションを多くとっていきましょう。
産後直後には、更に不安が強くなり、
焦りや罪悪感、孤独感を感じていることもあります。
ママは、目の前の育児で
本当にいっぱいいっぱいになります。
ですが、産前からコミュニケーションや
スキンシップをとることや
二人の関係性に安心感があることで、
精神的な負担感が軽減されます。
パパにとっては、そんなこと今悩んでも仕方ないと
思うようなことに悩むこともあります。
ママが気になること、話したいことは、
あくまでママの気持ちなので
「そうなんだね」と、ただただ受け入れてあげてください。
泣いたときには、黙って背中をさすってあげてください。
ついつい解決策を提示したり、
叱咤激励したりしたくなるかもしれませんが、
ただ聞いてほしいだけのときも多いのです。
話を聞いて
「大変だね。一緒にいてくれてありがとう。産んでくれてありがとう」
と、言葉にしてあげてください。
産後は身体も緊張して過ごしているので、
やさしく頭をなでる、肩をもんであげるなどの
スキンシップも続けていきましょう。
話を聞きながら、手のひらを
マッサージしてあげるのもいいでしょう。
とてもリラックスできます。
ここで気をつけたいのですが、
性的行為は急がずに待ってください。
出産時の傷の痛みや疲労感などで、
生理的に受け付けることができない時期があります。
徐々に回復していきますので、
ママの回復状況に合わせましょう。
産後直後は、ママの心や身体の変化に
パパがどう対応したらいいのか迷うことも多いでしょう。
ママと赤ちゃんは一心同体で
パパが入る余地がないようにも感じ、
少し寂しい気持ちにもなるかもしれません。
子どもが生まれたら、今までの生活が
そのままでは通じません。
ストレスを感じることもあるでしょう。
パパも上手にリフレッシュしながら、協力し合って
子育てという大きなプロジェクトに
取り組んでいってください。
家事支援などの協力体制
産後直後、ママが安静に過ごせるために、
- 買い物
- 食事の準備
- 片付け
- ゴミ出し・ゴミを集める
- 掃除
- 洗濯
- 洗濯物を干す・たたむ
- 上の子のお世話など
ママがやっていることのすべてを
引き受けてくれる体制が必要です。
赤ちゃんが生まれたことで、洗濯物が増えますし、
授乳のための哺乳瓶の洗浄・消毒なども増えます。
さらに、沐浴という、毎日の大イベントも加わります。
その準備や片付けもあります。
もっともっと、やることがあると思いますが、
それを誰が担うのか?
産前から話し合っておくことが大切です。
色々アイデアを出し合い、
自分たちに合ったやり方を決めておきましょう。
パパが、産後すぐに育休をとる場合もあれば、
産後直後には祖父母の支援を受け、
数週間~数カ月後に、育休をとる場合もあります。
パパのお仕事や、ご家庭の状況に合わせて
職場とも相談して決めておけるといいですね。
その時には、お互いに負担が強くならないよう、
お互いの事情を理解し思いやりながら、
協力体制を作って行きましょう。
ご両親へ要望を伝え、社会資源を使う時には、
コーディネート役をパパが担うこともあります。
パパも、地域にあるサービスの情報収集も
積極的に行ってください。
赤ちゃんのお世話と家事全般
赤ちゃんのお世話に関しては、
コロナ禍から両親学級などが縮小され、
パパが知りたいと思っても、産前に学ぶ場が減っています。
両親学級などの学びの場、体験の場があった時には、
ぜひ積極的に参加してください。
お世話の仕方などは、生まれる前に体験することで
少しでも早く赤ちゃんのお世話に慣れることができ、
赤ちゃんもパパの存在を喜んで受け入れてくれます。
時には、パパは赤ちゃんのお世話をしてあげたくても、
ママ以外の抱っこでは泣き止まないような時もあります。
赤ちゃんは、ママのお腹で10か月間過ごしてきているので、
ママのことは本当に敏感に感じ取っています。
パパのことが嫌で泣くのではありません。
ショックを受けたというパパも少なくありませんが、
赤ちゃんの機嫌がいい時に
抱っこして一緒に過ごしてみましょう。
徐々に、パパの抱っこに慣れ
パパと上手に遊べるようにもなります。
また家事全般は、日頃から分担しておくことが大切ですし、
産後直後は、パパが行えるようにしましょう。
ママが安心して休むことができ、
産後の回復に繋がっていきます。
周りの方へ
おじいちゃんやおばあちゃん、ご兄弟など、
どれくらいサポートができるのか?
皆さんのお仕事や体調によっても違ってきます。
サポートする側も体調を崩したり、
過度のストレスとならないよう
無理のない計画を立てましょう。
退院されてからの2週間が
一番サポートが必要な時期です。
食事を作ることやお洗濯など、
身の回りのことにサポートが必要です。
赤ちゃんのお世話も
慣れないうちはママ一人ですることは難しいです。
しかし、サポートを素直に受け入れられない時もあります。
ママのペースに合わせ、
ママにとって必要なことは何なのかを
ママに聞きながら支援の手を
差し伸べてもらえたら嬉しく思います。
1-2ヶ月過ぎていくと、
ママも徐々に動けるようになりますが、
新たな悩みが生まれてきます。
長い目で見て、必要な時に手伝うよと
伝えてもらえるとママも安心します。
そして、ママのお話を聞くときには、
アドバイスをするというよりも
「そうなんだね」と静かに聞いてあげてください。
それがホッとできるひとときになり、
リフレッシュできるのです。
社会資源の活用
地域には、産前産後に子育て家庭を支援する体制が
広がっています。
新生児訪問や乳児健診のような
全ての赤ちゃんに行っているものや、
登録することで使える産後ケア事業や家事支援のような
サポートなど地域に色々と整えられています。
市町村によって体制や登録方法など様々なので、
お住まいの市町村にどのようなサービスがあるのか、
産前から早めに調べておきましょう。
公的なものの他に民間で行っているものもあります。
社会的なものは使えないとか、
ママ自身がお金をかけられない
と利用を躊躇する方もいます。
しかし、産後のママの身体と心を大事にし、
ママが笑顔で過ごせることが赤ちゃんのためになり
ご家庭のためになります。
まずは、ママの笑顔のために、
上手に社会資源も活用して行きましょう。
産後のサポートについて、
こちらのコラムも御覧ください!
まとめ
妊娠・出産は、身体的にも精神的にも、
そして生活面においても大きな変化をもたらします。
身体の不調から気持ちの面にも影響を与え、
今までに経験したことのない心の動きを感じ、
不安になることもあるでしょう。
そのようなマタニティブルーは、
赤ちゃんのことをしっかりと考え、
親となるための準備をしていると言えます。
これからもっと多くの嬉しさや喜び、
不安や怖さを感じながら、
子どもと向き合っていくことになるでしょう。
親も未熟です。
親だからと気張らず、子どもと一緒に育ち合い、
親になっていきましょう。
【この記事を読んだ人におすすめ】