新生児の特徴を応用!抱っこ・寝かせ方のコツ【NPO法人はっぴぃmama応援団】

アイキャッチ

はじめに

 

初めての赤ちゃんを迎えられるママやパパにとって、

赤ちゃんとの暮らしや赤ちゃんがどんな様子で過ごすのか、

どんなふうにお世話をしたらいいのか、

イメージが湧きにくいかもしれません。

 

知らないこと、分からないことは、

不安にも繋がりやすいものです。

 

赤ちゃんについて不安や心配が軽くなるように、

少しでもイメージできるよう、

生まれたばかりの赤ちゃんの特徴や

お世話の仕方などのヒントをお伝えします。

 

 

新生児の特徴

 

「新生児」とは、

生まれて28日未満の赤ちゃんのことを言います。

 

あっという間の時期ですが、

この時期の赤ちゃんの特徴を知って、

赤ちゃんをよく観察してみましょう。

 

赤ちゃんをお世話するときのヒントに

していただきたいと思います。

 

感覚はすぐれている

生まれたばかりの赤ちゃんは、何も分からないと

思われているかもしれません。

しかし、実はいろんなことを感じているということが

分かっています。

 

赤ちゃんは「泣く」ということは、

誰もが知っていることです。

 

「泣く」ことには理由があり、

生まれた時から「快」「不快」を感じ、

「不快」の時に泣き、それが「快」に変わると

泣き止むのだと思われます。

 

赤ちゃんは、

  • 触れられた感覚や痛み
  • 温度の変化

などを感じることができるようです。

 

また、聴覚は胎児期から育っていると言われています。

味覚・嗅覚もあり、ミルク・おっぱいのにおいに

反応している様子です。

 

抱っこされている時に、立って揺れていると落ち着き、

座るとグズるようなこともあります。

赤ちゃんは、身体の芯で感じる固有覚と

言われるようなものも育っています。

 

また、空腹で泣き、ミルク・おっぱいを飲んで

泣き止むということは、

空腹感のようなものも分かるのでしょう。

 

目は20cm程度のあたりが見えていると言われており、

新生児期~2か月ごろには

目を合わせられるようになってきます。

 

赤ちゃんは、言葉が話せませんので、

赤ちゃんがどんなことを感じているのか

あくまで想像でしかありません。

 

赤ちゃんの様子をみながら、赤ちゃんに聞きながら、

お世話をしていくと言葉にできない赤ちゃんの言葉が

ママやパパならキャッチできるようになります。

 

「イヤだったんだね」や

泣き止んだら「気持ちいいね」「スッキリしたね」など、

赤ちゃんが何を感じているのかな?と想像してみましょう。

 

そして、それを言葉にして声をかけながら

ママやパパの声を聞かせてあげましょう。

きっと、とても安心していることでしょう。

 

自分自身で身体を動かすことができない

赤ちゃんは、お腹の中の無重力な世界から

外の世界に出てきたばかりの頃は、

重力に抵抗する力はなく、首も据わっていません。

 

徐々に様々な機能が育ち、自分自身の身体を

自分の意志で動かせるようになるのです。

 

赤ちゃんが手足を動かしているように

見えることもありますが、生まれてすぐの頃は

「原始反射」と言われる特定の条件で示す刺激反応で

動いてしまっているということはあります。

 

「原始反射」には、

  • 赤ちゃんが手を握っている「把握反射」
  • ミルクやおっぱいを吸う「吸啜反射」
  • 首が後ろに倒れると両手で抱きつくような「モロー反射」

などいくつかあります。

 

これらはすべて命を守るため、

発達を促すために大事なものだとも言われています。

 

「モロー反射」は、「ビックリ反射」とも言われ、

反射が現われた時に泣くこともあります。

モロー反射は首が据わるころには見られなくなるなど

発達とともに出なくなるものも多いです。

 

以上を踏まえると、

「新生児は、感覚は優れていていろいろなことが分かるが、自分自身では動くことができない」

と言えます。

 

つまり、「不快」を感じても自分で「快」に変えることが

できずに泣いているので、周囲の大人がお世話をして

「快」になるお手伝いをしてあげている

と思っていただけるといいかと思います。

 

 

身体的発達

 

新生児期の身体的特徴

生まれたばかりの赤ちゃんにも、基本的な姿勢があり、

イラストのようなお腹の中の状況に近い姿勢を言います。

 

新生児の基本体勢

 

これは、頭からお尻までが全体的には丸いカーブを示し、

両手は前、足はあぐらのような形で左右対称な姿勢です。

このような姿勢を保ってあげると

落ち着く赤ちゃんも多いです。

 

このような新生児期の姿勢から、

少しずつ成長・発達して、一人で歩けるようになります。

 

運動の発達

赤ちゃんは、新生児期から自分の意志で

自分の身体を自由に動かすことができません。

運動の発達は、脳からの指令で身体のそれぞれの部分を

動かせるようになっていくことで、

様々な動きを獲得していきます。

 

基本的には、上から下へ、

体幹から手足へ(粗大運動から微細運動へ)

そしてこれらは、左右対称に発達していきます。

 

上から下へ

人間の発達は、目が合う注視や追視、

首が据わり頭をコントロールできるようになります。

 

そのあと、手を動かし上半身を使えるようになり、

下半身も使えるようになります。

 

自分でコントロールできる範囲が

徐々に広がっていくことで、

様々な動きができるようになっていきます。

 

体幹から手足へ(粗大運動から微細運動へ)

人間の身体は、体幹が発達することで

手足が使えるようになります。

 

また、歩く・走る・跳ぶなどの生活するうえで必要な

動物らしい基本的な動きを「粗大運動」といい、

字を書く・お箸を使うなどの、

手や指を使った細かく精密な動作のことを「微細運動」

といいます。

 

「微細運動」は「粗大運動」が発達し、

それに伴って発達すると言われています。

 

乳児期では、寝がえりやずり這い、

四つ這いなどの運動が粗大運動と言われるものであり、

四つ這いができるころ自分自身で座れるようにもなります。

 

座れるようになると手を自由に使えるようになり、

「微細運動」が発達していきます。

具体的には、おもちゃを持ったり、

道具で遊んだりできるようになっていきます。

 

粗大運動は、おおむね図のような流れで発達します。

 

粗大運動の発達

 

いつどんなことができるようになるのかは、

赤ちゃんそれぞれの体力・筋力、環境などにも

影響を受け個人差があります。

 

インターネットや本など、○か月で〇〇ができるようになる

と書いてあることもあり、

それよりも少し遅れていると心配になるかもしれませんが、

赤ちゃんは、見たい・触りたい・行きたい・やってみたい

という思いを持って、いろんなことに挑戦していきます。

 

もし発達がゆっくりに感じる場合も、

我が子の今を見守っていただけたらいいなと思います。

そして心配な時には、ひとりで悩まず

小児科を受診をして医師に確認しましょう。

 

粗大運動の流れ

定頸(首が据わる)

寝返り

ずり這い

四つん這い

つかまり立ち

伝い歩き

ひとり歩き

 

※つかまり立ちは、四つん這いの前にできることもあります。

 

首が据わる前にできること

これらの前段階で、赤ちゃんができるようになる

大事な発達過程があります。

それは、物を見る目の焦点が合う「注視」

見ているものを目で追いかける「追視」

 

「注視」は、赤ちゃんと向き合って抱っこすることで

よく目が合います。

このとき、両手は前に来るようにして、

頭が安定するように支えることで安定しやすいです。

写真のようにママの足の上で向き合うこともできます。

 

向き合う母子

 

目を見て声をかけると、赤ちゃんは笑って応えてくれます。

声が出るようにもなります。

 

最初、目が合いづらく感じ、

あまり表情がないような気がしても

いっぱい目を合わせ、声をかけることで

反応もよくなっていきます。

 

繰り返し遊びの中に取り入れて、声をかけていきましょう。

 

そして、ママやパパの顔を横に動かすと

目がついてくる「追視」を確認することもできます。

赤や黄色のおもちゃを見せて横に動かすなどして遊ぶのも

赤ちゃんが早い時期から喜ぶ遊びです。

 

また、両手を前で合わせるということも補助してあげて

手と手を合わせることも大事な発達過程として見られます。

これは、将来的には手と手、手と足、手と口などの

協調運動ができるようになる基礎ともなります。

 

調教運動をする赤ちゃん

 

写真は、手と足の協調運動で、

手が足を触ることで自分の身体の

ボディイメージを作っていくとも言われます。

これは、寝返りを出来るようになる前頃に見られます。

 

※協調運動とは、別々の機能がある部分を同時にまとめて動かす運動
例)手づかみ食べ、ボールを蹴る、字を書く など

 

見ること・なめることの大切さ

赤ちゃんは、手を見たり「指しゃぶり」をしたり、

おもちゃをなめたり、

いろいろなものをお口に持っていきます。

 

この時、物の匂いや硬さなどを認識し

危険がないか否かを確認しているとも言われています。

 

目で見たものを口に持っていき、

触れたものを認知していくことは、

離乳食を始めた際にも口に食材をもっていく

手づかみ食べとも関連しています。

 

これは上記に述べた協調運動であり

、両手を合わせることができるのも

食事などの生活動作にも繋がっていると言えます。

 

指しゃぶりや手と手を合わせるなど、

その他にも生活の中のあらゆる動作の基礎となり

手の動きの発達にも繋がっています。

積極的に遊びに取り入れてできるようにしてあげましょう。

 

赤ちゃんは、自分でできるようになると

何回もそれを繰り返し行います。

それを繰り返し、身体を鍛えていっていますので、

できることがどんどんできるように

環境を整えてあげましょう。

 

 

情緒の発達(注視・追視、情緒の分化、人見知りなど)

 

赤ちゃんの情緒は、上記で述べたように

生まれて間もないころは、

「快」「不快」と「興奮」からスタートしています。

 

生まれてから周囲の大人と関わることで

様々な感情を知っていくのです。

 

情緒の分化

「お母さんと子どものコミュニケーションのために」-0~3歳までのお子さんのお母さんへのヒント集- (厚生労働省)より

 

人が育っていくうえで最も大切なことは

「基本的信頼感」と言われています。

「基本的信頼感」を土台として

人への信頼感や安心感を育み、

人間関係を形成していきます。

 

6カ月頃に表れている「恐れ」や「嫌悪」は、

この信頼感や安心感があるからこそ、

不安や恐れを感じる場面で泣いて

安心できるママやパパや家族を求める「人見知り」

が始まります。

 

恐れを感じて泣き、安心できることで

泣き止むことを繰り返すことで

「安全基地」ができていきます。

この安全基地があるからこそ、

外の世界に挑戦していくことができるようになります。

 

この時期に表れている「怒り」「嫌悪」「恐れ」は、

人間の第一次感情と言われます。

子どもは感情をストレートに表現します。

それは、「そうか、そうか」と受け入れていきましょう。

 

感じること、思うことは、とても自然なことで、

受け入れてもらえることで自分の思いや欲求を

伝えることもできるようになります。

そして「こころの安全基地」を作り、

様々なことへ挑戦していくことができます。

 

また、子どもは、いつも何かを

自分でやりたいと思っています。

寝がえりやハイハイなど、何かできた時に

「ドヤ顔」をして見せてくれます。

 

この「できた!!!」をいっぱい体験できるように

サポートしてあげましょう。

多くの成功体験を積むことで、

自分への自信をつけていきます。

 

上記で述べた新生児期の目を合わせる「注視」は、

安心感を育む上でもとても重要であり、

身体的発達とも密接に関係しています。

大きくなってきても目を合わせて話すことは

大事になっていきます。

まずは、目を見て話しかけていきましょう。

 

 

新生児の発達に合わせた抱っこ・寝かせ方のコツ

 

新生児期からの抱っこ・寝かせ方のコツは、

前述の新生児期の身体的特徴に配慮した

工夫をしてみましょう。

 

抱っこのコツ(寝床の作り方)

抱っこの際には、まだ頭を自分で支えることもできません。

手足を自分の意志で動かすこともできませんので、

全身を支えるよう抱っこしましょう。

 

また、抱っこの時には、揺れてあやしますが

「揺さぶられ症候群」に注意する必要があります。

 

赤ちゃんは首がすわっていないため

激しく揺らされることで脳が大きな衝撃を受け、

血管や神経を傷つけてしまうことがあります。

激しく揺らすのは避けましょう。

 

揺らし方には、いろんなバリエーションを

試してみるといいです。

横揺れのことが多いですが、

縦揺れもレパートリーに入れてみてください。

 

抱っこしている人が深くスクワットしたり、

ゆっくり縦に踏み込みながら歩いたりするなど、

縦方向の揺れで落ち着くこともありますので

試してみてください。

 

中には、横抱っこはどうしても嫌!

というお子さんもいるので、

絵のように縦抱っこなども試してみましょう。

 

抱っこの方法①

 

このときも赤ちゃんの頭はママの胸で支えられていて、

両手は前に、あぐらをかくように左右対称になっています。

 

抱っこの方法②抱っこの方法③

 

どんな抱っこが好きかな?と

赤ちゃんの気持ちよさそうな抱っこを探してみましょう。

 

ひとつ忘れてはいけないこととして、

抱っこの際のママの身体も大切にしていきましょう。

 

ママ自身が抱っこしていて痛みが出るなど

辛く感じるようであれば、

ママの姿勢を見直すことも必要かもしれません。

 

赤ちゃんの姿勢が保たれていれば、

少し縦や斜めに抱っこしたり、

抱っこ紐を使ったり、

ママが楽に抱っこできる工夫をしてみましょう。

 

また、産後のママの身体ケアも

妊娠中にできる!おすすめセルフケア6選

を参考に実施してみてください。

 

寝かせ方のコツ(寝床の作り方)

抱っこで寝てくれた後、

「下ろすと泣く」や「すぐに起きる」という

お悩みはよく聞きます。

 

多くの場合に平らなお布団に寝かせている場合が多く、

「背中スイッチ」といって、

背中が平らな布団に当たったときや

足を布団に下ろした時に起きてしまうことが多いです。

 

上記の新生児の基本的な姿勢に配慮した寝床を

作ってみましょう。

 

おくるみの活用

上記のように抱っこや寝かせる時に

新生児の姿勢が保てるようにするためにおくるみを活用する

のもお勧めです。

 

赤ちゃんは、お腹の中でずっと子宮に包まれて

過ごしてきました。

まだまだ包まれている感覚が安心する可能性は高く、

おくるみやバスタオルなどで包むことで

落ち着くことも多いです。

 

おくるみをした際の注意点としては、

おくるみの中で新生児の基本的姿勢になるように

くるんでみましょう。

包まれることで新生児の特徴で述べたような

反射で起きてしまうというようなことを

防ぐこともできます。

 

さらに、抱っこから布団に下ろすときに、

姿勢が崩れにくくおろしやすいです。

 

おくるみの包み方➀

おくるみの包み方②

 

写真は、寝床の一例ですが、

授乳クッションやタオルを使って

赤ちゃんの基本的姿勢に近い姿勢を工夫しています。

また、バスタオルで包んでおくるみ代わりにしています。

 

全体的に包まれ、

赤ちゃんも力が抜けている様子がうかがえます。

きっと、とてもリラックスしているのでしょう。

気持ちよさそうに寝ています。

 

クッションやバスタオルなど、

お家にあるもので工夫してみてください。

 

 

まとめ

 

赤ちゃんは、何も分からないと思われがちですが、

実はいろんなことが分かっていて、

いろんな反応を示しています。

 

赤ちゃんの心地いいってどんな時かな?

と、赤ちゃんに聞きながら、

お世話をしていくことで様々な発見があると思います。

 

慣れない育児は、大変な思いもいっぱいあります。

そんな中でも我が子を観察しながら、

「こんなことできるようになったね」と

赤ちゃんの成長を発見する瞬間が

増えていくといいなと思います。

 

ママとパパと赤ちゃんと一緒に

赤ちゃんの心地いいを探していってみてください。

 

 

【この記事を読んだ人におすすめ】

寝ている赤ちゃんどうして寝ないの?乳幼児が寝ない理由と寝かしつけやすくなる方法

寝る子ども冬におきやすい?!乳幼児突然死症候群の予防対策を実践してみよう

ママケリーアプリ_アイコン

ママケリー

生理管理・妊活・妊娠・育児まで
記録できるアプリ。

産婦人科医監修のもとに開発され
女性のからだと子どもの健康を見える化。
家族と記録した内容を共有してみませんか?