「抗酸化」という単語を
よく耳にするようになってきました。
美容や健康に良さそうというイメージは
何となくあると思いますが、
実際にどんな効果なのか知っていますか?
抗酸化・活性酸素って?
抗酸化とは、
活性酸素から自己を防御するはたらきのことです。
そう言われると、活性酸素は身体に害のあるもの?
と思ってしまいますよね。
実は、活性酸素は私たちが生きていく上で
重要な役割を担っています。
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の数%は、
通常の状態よりも活性化された活性酸素となります。
活性酸素は、代謝過程においてさまざまな成分と反応し、
細胞伝達物質や免疫機能の役割を果たしています。
活性酸素であるスーパーオキシドや過酸化水素は、
免疫機能や感染防御に対して重要だと考えられています。
また、細胞間のシグナル伝達、排卵、受精、
細胞の分化・アポトーシスなどの
生理活性物質としても利用されています。
しかしながら、活性酸素が過剰に作られてしまうと、
細胞を壊し、がんや心血管疾患、生活習慣病などの
要因となることがわかってきました。
活性酸素は常に作られ続けていますが、
私たちの身体には
過剰な活性酸素から身を守る機能が備わっています。
このことを抗酸化、抗酸化能力などと呼んでおり、
活性酸素の産生を抑制し、
生じたダメージの修復・再生を促す役割があります。
抗酸化酵素・抗酸化物質って?
活性酸素から身を守る物質には、体内で合成される
- スーパーオキシドジスムターゼ
- カタラーゼ
- グルタチオンペルオキシダーゼ
などがあります。
これらは抗酸化酵素と呼ばれています。
さらに
- ポリフェノール
- ビタミンC
- ビタミンE
- カロテノイド
なども同様のはたらきをすると考えられています。
これらは抗酸化物質とも呼ばれています。
抗酸化酵素や抗酸化物質は、活性酵素の発生を抑えたり、
活性酵素そのものを取り除いたりしてくれています。
そのために体内のバランスは保たれているのですが、
さまざまな要因によって
活性酸素の産生が過剰になることがあります。
この状態を酸化ストレスといいます。
酸化ストレスを引き起こす要因として、
- 紫外線
- 放射線
- 大気汚染
- たばこ
- 薬剤
- 酸化された物質の摂取な
どが考えられます。
さらに、過度な運動やストレスも活性酸素の産生を促し、
酸化ストレスを引き起こす要因となります。
したがって、日ごろからバランスの取れた食事や
適度な運動習慣、十分な睡眠により
酸化ストレスを防止していく必要があります。
酸化を防いでくれる食べもの・飲みものは?
食事などで身体に取り入れられる抗酸化物質として、
ポリフェノールやカロテノイドがあります。
ポリフェノールには
- アントシアニン
【ブルーベリーやなすの皮、赤ワインなど】 - イソフラボン
【大豆】 - カテキン
【緑茶の渋み(タンニン)】 - サポニン
【大豆、高麗人参】 - セサミノール
【ごま油】 - ルチン(ビタミンP)
【そば】
などがあります。
カロテノイドには
- アスタキサンチン
【鮭、ます、えび、かに】 - β-カロテン
【にんじん、みかん、かぼちゃ、卵黄】 - リコピン
【トマト、すいか、あんず、ピンクグレープフルーツ】
などがあります。
酸化を防いでくれる食べものや飲みものは、
たくさんあることがお分かりいただけたかと思います。
日々の暮らしに少しずつ取り入れていけるといいですよね。
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【参照】
改訂6版 臨床栄養ディクショナリー