コーヒーは健康にいいのか悪いのか、
さまざまな議論が飛び交っていますよね。
コーヒーの身体への影響を知り、
有意義なコーヒーブレイクにしていきましょう。
コーヒーを飲むと死亡率が低下する?
コーヒーの摂取量と死亡率・死因に関しての
研究があります。
40~69歳までの男女9万人を20年に渡って追跡すると、
コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡率がもっとも低く、
まったくコーヒーを飲まない人よりも24%低い
という結果でした。
コーヒーの摂取量と死因を調べると、
心疾患・脳血管疾患・呼吸器疾患は、
コーヒーを飲む量が増えるほど
死亡率が低下する傾向にあったそうです。
がんでは、コーヒーの量と死亡率には
関係がなかったと報告されています。
ただし、1日に5杯以上では
死亡率の低下がみられなかったり、
むしろ心疾患は増加したりという結果でした。
この研究からわかることとして、
- コーヒーをまったく飲まない人よりも、
飲んだ人の方が死亡率は低い - 一番死亡率が低いのは1日に3~4杯飲んでいた人
- 1日に5杯以上では死亡率が上昇する疾患もある
ということになります。
飲みすぎが体に悪そうだということは
何となくわかりますが、
まったく飲まない人の方が
死亡率は高くなるというのは少し驚きです。
コーヒーがお好きであれば、ライフスタイルに合わせて
1日に3~4杯飲めるようにしていくといいですね。
コーヒーを飲むと他にもいいことが!
コーヒーの身体に嬉しい効果について2つご紹介します。
「クロロゲン酸」の効果
クロロゲン酸とはポリフェノールの一種で、
コーヒーの色や苦味、香りのもとになっています。
コーヒーと言えば「カフェイン」という
イメージが強いと思いますが、
実はカフェインよりもクロロゲン酸などの
ポリフェノールの含有量の方が多いのです。
ポリフェノールの主な作用
- 抗酸化作用
- 血圧の調整
- 血糖値の改善
- 脂質の代謝の調整
などさまざまです。
コーヒー1杯(140cc)には
約280㎎のポリフェノールが含まれており、
これは赤ワインとほぼ変わらない量で、
緑茶の2倍に相当するそうです!
今後は、「コーヒー = ポリフェノール」と
連想される時代になってくるかもしれません。
「カフェイン」の効果
カフェインには覚醒作用があるため、コーヒーを飲むと
目が覚めて頭がしゃきっとした感じになりますよね。
他にも交感神経を刺激して体脂肪の燃焼を促したり、
尿の排出を促したりする効果もあります。
カフェインの主な作用
- 覚醒作用
- 血管拡張作用
- 交感神経刺激
- 胃酸分泌促進
などです。
カフェインは飲んでから30分後に一番効果を発揮する
と言われています。
例えば昼食後すぐにコーヒーを飲むと、眠くなりがちな
午後1~2時を快適に過ごすことができるかもしれませんね。
コーヒーを飲むときに注意した方がいいことは?
コーヒーは1日3~4杯なら
死亡率を低下させる可能性があります。
しかし、大量に飲みすぎると
カフェインを過剰に摂取することになり、
健康を害する危険性があります。
カフェインの過剰摂取の影響として
- めまい、心拍数の増加
- 興奮、震え
- 不眠、不安
- 下痢、吐き気、嘔吐
- 胎児の発育阻害(妊婦さんの過剰摂取)
が報告されています
カフェインはコーヒー以外にも
緑茶や紅茶などに含まれていますが、
コーヒーはそれらの飲み物の
約2倍の含有量だと考えられています。
以上を踏まえて、WHOは妊婦さんに対し、
コーヒーは1日に3~4杯までにするよう呼び掛けています。
カナダやヨーロッパのカフェインに関する
注意喚起をまとめると、
健康な大人は1日に400㎎(カップ3杯程度)まで
妊婦さんや授乳中の方は1日に200㎎(カップ2杯程度)まで
のカフェイン量が推奨されています。
飲みすぎには注意して、
コーヒーとともに楽しい毎日を送ってくださいね!
【この記事を読んだあなたにおすすめ】
【参考webサイト】
厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ
【参考文献】
全日本コーヒー協会 コーヒー図書館