寒い時期の時期の下痢の原因にノロウイルスがあります。
しかし、現在では新型コロナウイルスによる
下痢も心配です。
ノロウイルスと新型コロナウイルス、
2つの感染症による下痢の違いについて説明します。
新型コロナウイルスによる下痢は?
海外の研究をまとめると、新型コロナウイルス感染者のうち
- 下痢は7.7%
- 悪心・嘔吐は7.8%
- 腹痛は2.7%
程度出現していたということです。
これら3つの症状は別々に現れるのではなく、
同時に出現していたことも明らかになっています。
中国以外の国の研究では、
下痢に関しては新型コロナウイルス感染者の18.3%に
生じていたという結果でした。
人種によって症状や重症度に
ばらつきがあると言われており、
日本人の感染者のうち、どのくらいの方に
下痢が生じていたのか明らかになっている研究は
まだありません。
下痢が生じるとコロナかも?と心配になってしまいますが、
下痢を引き起こす他の感染症についても
きちんと知っておく必要がありそうです。
下痢を引き起こすウイルスや細菌とは
秋から冬にかけて毎年流行しているのは、
感染性胃腸炎と呼ばれる感染症で、
嘔吐と下痢が主な症状です。
しかし、
- 嘔吐または下痢のどちらかしか出現しない場合
- 嘔吐の後に下痢が出現する場合
- 37~38℃の発熱がみられる場合
- 腹痛が出現する場合
があり、個人差が大きいと言われています。
大人が発症することもありますが、
乳幼児に好発する病気です。
原因となるのは
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- エンテロウイルス
- 腸管アデノウイルス
などのウイルスや細菌、寄生虫が考えられています。
ノロウイルス感染症とは
ノロウイルスはほとんどが経口感染で、
以下のような感染様式があると考えられています。
- 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから
人の手などを介して二次感染した場合 - 家庭や共同生活施設など
人同士の接触する機会が多いところで
人から人へ飛沫感染等、直接感染する場合 - 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、
飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者など)
が感染しており、その者を介して
汚染した食品を食べた場合 - 汚染されていた二枚貝を生あるいは
十分に加熱調理しないで食べた場合 - ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を
消毒不十分で摂取した場合
一般にウイルスは熱に弱く、
加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。
ノロウイルスの汚染のおそれのある
二枚貝などの食品の場合は、
中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます。
また、ノロウイルスの活性を失わせるためには
次亜塩素酸ナトリウムも有効です。
調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、
次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で
浸すように拭くことでウイルスを失活化できます!
新型コロナウイルスとノロウイルスの違い
ノロウイルスの潜伏期間(感染から発症までの時間)は
24~48時間で、
- 主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
- 発熱はあっても軽度
- 症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症はない
- 感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もある
と言われています。
新型コロナウイルスのはっきりとした症状は
明らかになってはいませんが、
「帰国者・接触者相談センター」に相談する目安として
- 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の
強い症状のいずれかがある場合 - 重症化しやすい方で、
発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合 - 発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が4日以上続く場合
となっています。
ゆえに、下痢や吐き気のみで判断せず、
その他の症状や持続時間が注意すべき点だと考えられます。
気になる症状がある場合には、お仕事や学校はお休みし、
体調の回復に努めてくださいね。
お休みすることで、周囲の方に感染を拡げない
という意味もありますので、
無理せず会社や学校に相談しましょう!
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【参照】
Diarrhea During COVID-19 Infection: Pathogenesis, Epidemiology, Prevention, and Management